Frank Zappa - Freak Out!

フリーク・アウト(紙ジャケット仕様)  サイケとかフラワームーヴメントとか言う前に既にフリークとして先んじて怪しげな試みを行っていたのがフランク・ザッパ…、まぁ、当時はマザーズ・オブ・インヴェンションの一員という位置付けではあったが。この人の偉いところはハッパとかに頼らないでこの怪しげな緩〜い雰囲気をしっかり出していたことか。

 1965年リリースの傑作ファーストアルバム「Freak Out!」。いやぁ、名盤と言ってもいいけど万人に理解してもらえる内容ではないのは確か(笑)。軽快でポップでメロディアスなんだけどさ、絶対にポップチャートに入るもんじゃないし、ウケるもんじゃないのは何故だろうか?多分歌詞の内容がポップじゃないからだろう(笑)。いや、それはともかく、一般的な音楽の定義で測ってはいけないこの人の作品、変拍子とかリズムとかそういう次元ではなく歌と言葉と雰囲気に合わせて音楽が作られているというもので、このデビューアルバムからず〜っとそんな感じに作られている作品が多い。もっとも天才的に音楽している作品も多いけどさ。

 聴いたことのない人は今から聴いても全然古いとは感じないはずで、ビートルズよりも早くからこれほどシュールで先進的なサウンドをメジャーの世界で試していたのだ。やっぱりこういう器の広さはアメリカの凄いところだよねぇ…基本的にはドゥーワップから流れていったフリークな世界だが。そしてこんな作品なのにいきなりレコード二枚組で出てきたっつうのも不思議なものだ。いやぁ、面白い。ハマる人はハマるだろうよ、こういうの。ちなみに普通のポップスしか聴かない人やビートルズ至上主義の人が聴いても非常にハマる音で、それほど警戒する必要ないから安心して下さい(笑)。

 やっぱり日本語訳の付いた国内盤をお薦めするね。歌詞の面白さがこの人の特徴だし、それがないと面白さ半減なので、どの作品買うにしても歌詞付きの国内盤に限る。もちろんこのファーストアルバムもね。60年代のザッパはこんな調子で正にフリークな音が楽しめるよ。

Frank Zappa - Absolutely Free

アブソリュートリー・フリー(紙ジャケット仕様)  奇才フランク・ザッパによる「Absolutely Free」という作品をご存じだろうか?マザーズとのバンド形態による彼のセカンドアルバムとして1968年にリリースされているのだが、歌詞の検閲等で遅れていたため、作品そのものは1967年暮れには出来上がっていたようだ。聴いてみるとわかるようにこのアルバムでは様々なコラージュやらエフェクト音がそこかしこで使用されていて、その音使いはまるで「Sgt.Pepper's,,,」のそれと酷似している部分も数多くあり、どちらが模倣か、と論じられることも多い。その結論を導き出したのはこれもまたフランク・ザッパ本人から、アルバムリリースという形で回答されている。

 アルバム「We're Only In It For The Money / 俺たちは金のためにやってるんだ」という作品がそれだ。元のアルバムジャケットを見れば一目瞭然、見事に「Sgt.Pepper's,,,」をパロディ化している。…って1968年のリリース当初は怒りをおそれたMGMが全然別のジャケットでリリースしており、このパロディジャケは中ジャケとなっているのだが…。そのジャケットもいくつか変更されていて、後ろに立っている人達の目が黒線で消されているものから現在は全てきちんと見えるモノになっている。また、ライコがCDでリリースしたバージョンではドラムとベースが1985年当時のメンバーの音に差し替えられており、知らずに聴いても些か違和感がある作りになっていたりするのだ。現在のCDはオリジナルに差し替えられているので問題ないんだけど…、とまあそんないきさつが色々あるんだけど、この「We're Only In It For The Money / 俺たちは金のためにやってるんだ」という作品、ご丁寧にフランツ・カフカの「流刑地にて」を読んでから聴け、とのことで国内盤にはその「流刑地にて」が付けられている(笑)。

 ま、ビートルズにパクられたのをパロディしながら、実は自分が感じていたコト=日本人強制収容所の違憲性とレーガン氏(後の大統領)の強権性を強く批判することをカフカの「流刑地にて」になぞらえていたワケだ。ちなみにその時代、周りはヒッピー・ムーブメントやらフラワームーブメントやら…そりゃ、ウッドストック前だからね…、そんな時にマジメもマジメ、大まじめにザッパはそれを訴えていたのだ。ちなみにザッパはドラッグも大麻もやらない人で、極めて純粋な音楽家で奇人なだけである。もちろんサウンド的にも最高にザッパ節が聴けるので早い時期から自身の方向性をしっかりと見ていた天才なんだよな。

 そうそう、そのセカンドアルバム「Absolutely Free」なんだけど、これも凄く面白い作品でコラージュやら何やらとファーストアルバムの凄さを軽く凌駕しているんだけどあまり聴かれない作品です。が、既にパクりの嵐に加えてどんなジャンルの音楽とも一線を画す素晴らしきメロディを創り上げていて聴いているとどんどんハマるんだなぁ。やっぱ「Sgt.Pepper's,,,」はこれを真似ているとしか思えん(笑)。ちなみにコレもオリジナルアナログ時代とCDでは細かいところがアチコチといじられているようで、あちこちのザッパのサイトで書かれてます♪

 う〜ん、イギリスのサイケデリックサウンドの完成型は実はアメリカのヒッピームーブメントにあるってのは有名だけど、実はヒッピーでも何でもない単なる奇人変人扱いされる天才音楽家の手によって見事な作品が創られていたってコトですかね。だからフランク・ザッパは止められません(笑)。受け付けない人は受け付けないと思いますけど、歌詞カード付きの日本盤を入手してどんなんが来ても聴き通すぞ、っていう意思さえ有れば絶対に面白い人です、はい。

The Mothers of Invention - We're Only in It for the Money (1968)

We're Only in It for Money  いつまで経ってもカルト的人気しかないフランク・ザッパ、同じサイケデリック路線でカルトバンドだったピンク・フロイドは英国では相当の地位を確立してしまっている今現在、同様の位置にありながらもニッチな世界のカルトに仕立て上げられていってしまうのはお国柄の違いか。本来なら英国人が風刺や皮肉を利かせてこういうアルバムとかを作りそうなものだが、辛辣な風刺を発してきたのは時代に敏感なザッパだった。パロディという言葉に置き換えてみればアメリカ人としてはよくある話になるので、まぁ、あってもおかしくないか、と。それでもここまでの風刺をパロディで行うのはさすがにザッパでしかあり得ない。  1968年にリリースされたザッパの「We're Only in It for Money」。痛烈なタイトルは時代のメディアに対して発したものなんだろう。そういう社会的視点がしっかりしている所が単なるサイケバンドやラリった文化のヒッピーとは違うところで、恐らくビーチボーイズに対しても結構あったんじゃないだろうかと想像している。まぁ、ビートルズに対しては全然お互いにユーモアたっぷりな間柄だったろうから気にすることもそんなになかったが騒いだメディアやファンがうるさかったというトコだ。もっともそこまでザッパがメジャーだったかと言われればそうでもなかったと思われるのだが…その一年後にはジョン・レノンとザッパが同じステージでライブ演奏をして双方ともレコードを残しているってことからすればお互いはしっかりと認め合ってたってのがわかるだろう。

We're Only in It for the Money (Omr) そんな経緯はともかくとして流れ的に久々にザッパを…。しかも3枚目のアルバム「We're Only in It for Money」で、ジャケットからして思い切りパロディで楽しめるもの、そして中ジャケでは黄色いバックに女装のメンバーというふざけた作品、しかも自分が最初に聴いたのはオリジナルバージョンじゃなくて1984年にリミックスされたリズムマシーンを被せたもののCDで、なんじゃこりゃ?と。だからあんまり聴かなかったなぁ。カフカの本が付いてたりしたけど何で?みたいな(笑)。今回もそのリズムマシーンバージョンを聴いてみたんだけど、やっぱ聴き辛くてダメだったので細かいこと抜きにオリジナルバージョンを聴き直しました。やっぱりしっくり来る音なので安心して聴いていられるし、雰囲気も良いし古臭さもまたよろしい。細かく書くと色々と編集のお話とかリリース状況とかあるみたいでWiki見てると面白い。そこはともかく、歌詞の内容もこれまた痛烈な風刺ってのもいつものことか。そして音は見事に当時のサイケデリックを踏襲しているものの知性溢れまくった完全に作られた音。出てくる音に本物か偽物かの違いはまるでないし、どっちかっつうとザッパのが本物に聞こえてくる。ザッパはまるでドラッグをやらないのに、だ。

 自分はもうこのザッパの世界ってこういうもんだ、っちうのもあるし楽しみ方ってのを何となく理解しているけど普通にビートルズやビーチボーイズを聴いてて同じような世界と思ってザッパを聴くとしんどいんだろうなと思う。ただ、そういう入り方でもザッパのユニークな世界ってのはもっともっとメジャーになってほしいんだよなぁ。解釈もいろいろできるだろうしね。ちなみにクラプトンも参加しているアルバムってのはほぼ知られていないようだ。マニアはここまで手を出すのだろうか??

Frank Zappa - Hot Rats

Hot Rats  アメリカのアングラ系ってことで「コレでどーですかザッパっぱ」って感じで奇才フランク・ザッパです。ファーストももちろん優れた作品なのですが、音楽的にインパクトの強かった1970年発表の「Hot Rats」でどうでしょ?

 初っ端の「Peaches En Regalia」については過去に様々なフュージョンやインストものからカンタベリーまで聴いてきたけど、そのどれにも当てはまらないザッパ独特のメロディアスなインストもので、楽曲の美しさは天下一品。常に奇人変人と呼ばれる作品ばかりを世に出しているザッパがマジメに音楽している傑作でしょ。キャプテン・ビーフハートの歌う「Willie The Pimp」はさすがに歌詞もあるのでザッパ節が出てるけど、でも基本的には楽器をクローズアップしたものなので、ザッパのギターをた〜〜〜っぷりと聴けるよん。ザッパのギターってマジメに聴いてみるととんでもなく凄いってのはあまり知られていないみたいで、騙されたと思って聴いてみてほしいんだけど、なんつーか、味のある誰とも似つかないプレイで、かと言ってジャズ・フュージョンとはまるで異なるフレーズだし…、やっぱり音楽家なんだろうなぁ。DVD「Does Humor Belong in Music?」なんてのを見てみると多分目がクラクラするシーンが多いと思う。もっともこのビデオ、そのものが滅茶苦茶面白いのでそこに気付くのに時間が掛かるかも知れないけどね。ただし必ず日本語字幕が付いているものを入手すべし…ってDVDになってませんでした(涙)。

 しかし良いアルバムだ。「Son Of Mr. Green Genes」の印象に残るリフレインは一発聴けば忘れられないくらいだし、本作品中もっとも暗めのタイトル通りな「Little Umbrellas」ですら、美しさが漂っているのは素晴らしい。そしてインストものだけど、しっかり「Little Umbrellas」ってイメージが曲から感じられるんだから、これも見事。「The Gumbo Variations」は激しさの中に安らぐメロディーが奏でられた、こちらもザッパバンドの本領発揮ってトコでしょ。最後はザッパらしいタイトルの「It Must Be A Camel」。そうですね、僕もそう思います(笑)。って何のことかわからないですが(笑)。

 ザッパについて諸説書かれているのでなかなか手を出せない人も多いと思うけど、このアルバムが一番聴きやすくて取っ付きやすいです。他にもジョン・レノンと共演したステージを収めた「Fillmore East - June 1971」なんかも好きなんですけど、もちろん対訳付きの日本盤で聴かないと損です。後年は「ベストバンド」も大変面白くて良いですし、対となった「メイク・ア・ジャズ・ノイズ」も面白い。ん〜、ホント色々あるんだけどねぇ。そんなことでもう一回「Peaches En Regalia」を聴こうっと♪

 

Frank Zappa - Weasels Ripped My Flesh

いたち野郎 アンダーグラウンドってのでこれもまた実に久々にトライすべき音があったじゃないか、ってことで思い出したのがザッパ。いや、トライと言ってももちろんどんなのか思い出す、っていう意味なんだけどさ、ザッパはねぇ…深いし広いので大変です。ザッパに詳しい人の知識とアプローチにはホントに敬服しますもん。アルバムならともかく、あの曲がこの曲がっていうのには驚く。でも、それくらいハマっていくと面白いっていうのもわかるんだよね。なかなかそこまで行けないんだけどさ(笑)。そんなザッパの作品の中でどのヘンにするか、と思い悩みつつもブルース路線ってのはないだろうから…、アンダーグラウンド路線か…ってことならまぁ1970年の作品ってトコロで、これ。

 1970年にリリースされた「いたち野郎」。ネオン・パークというデザイナーによるアルバムジャケットで邦題「いたち野郎」がぴったりの素晴らしいアートワーク。この後リトル・フィートの一連のアルバムを書くこととなった人ですね。この頃はそのリトル・フィートを結成することとなるローウェル・ジョージもいるわけだからそりゃそうか、と。久々に引っ張り出して思ったのはまず、この「いたち野郎」ってマザーズ名義で出していたのか?ってこと。もう終わっていると思ってたけどアルバムにはしっかりと「The Mothers of Invention」って書かれているし…、まぁ、ザッパだけの作品ってもおかしくない出来映えだけど、多分マザーズの音を中心に編集しているからだろう。

 うん、ザッパの手法はいつもの通り、ライブでのインプロや即席のパフォーマンスを編集したり、そこにスタジオで音を重ねたり作ったりして出来上がっているので、半分くらいは即席音。「いたち野郎」でそれは大いに実験していて、アチコチの時代を超越したライブを基に編集され追加されているという代物。おかげで軽快なポップスなどと言える曲は皆無でして…、冒頭からして強烈なインプロとアドリブと効果音で…ここのトコロ結構まともな音楽を聴いていたのでこういう前衛的な音に少々ついていくのが大変でした(笑)。いや、ついていくのが良いかどうかってのは別として、昔はこういう前衛的なのも結構普通にハマって聴いていたからさ、ここでちょっと脳がついていかなかったのに驚いた。やっぱ前衛的なのは辛いわ(笑)。

 それでもですね、やっぱり軽さがあるのがザッパの面白いところ。下品さももちろんあるし歌詞を見ていれば全くもう、というのもあるけど、音のコラージュが繋ぎ合わされて「へ?」となるようなものも多数…、一体何がしたくてこういう音なんだろ?って思うくらいに前衛的。1970年だろ?一方では「Hot Rats」とか「Waka/Jawaka」とかリリースしているワケだからホントに天才なんだよ、ザッパって。完全に宇宙だもん(笑)。

 ってなことで普通にザッパに手を出すのも良いし、「Uncle Meat」や「Waka/Jawaka」ってのを聴いてみるのも良いとは思うけど、「いたち野郎」に手を付けるのは多少世界観がわかってからじゃないと厳しいんじゃないかな。何聴いているのかわからなくなることもあるし、そもそも聴いている必要あるのか?と自問自答するから(笑)。この近辺の「バーント・ウィーニー・サンドウィッチ」とかもそんな類かね。でも、ジャケットとタイトルがセンス良くって、ブログ仲間にはそのまま「いたち野郎」ってハンドルネームの人もいるしさ(笑)。

Frank Zappa - Waka/Jawaka

Waka/Jawaka  色々と面倒なことが多発していて面倒だ(笑)。常識が通じない…っても常識ってのは難しいことなんだな、ということに気づいてきたので通じない、ってのは自分の常識には、当てはまらないというだけの話なのだろうと考えるようにしている。多分、個々人による常識ってのがあって、それぞれが微妙に異なることが多く、それが世論になるとかなりズレたことが多くなり結果誰も満足し得ないような回答に進むというようなことがよくある。だからユニクロの洋服と同じで誰もピッタリとサイズが合わないけど、万人が着れる洋服、として持て囃されるのだ。よくできている平均化の世の中、か。ん?何書いてるんだっけ?あぁ、ザッパ聴いてたから小難しく考えてしまったのだな(笑)。

 1971年リリースのジャズ・ロックの名盤と呼ばれるフランク・ザッパの数多くのアルバムの中の一枚「Waka/Jawaka」。ジャズ・ロック…としか言えないからそうなるんだろうけど、自分的にはカンタベリーミュージックかな。ちょっと垢抜けてるけど。そんな雰囲気の名盤です。自分は「Hot Rats」が大好きでよく流しているんだけど「Waka/Jawaka」はそんなには流してない。多分キャッチーで印象的な「ピーチ」みたいなのがないからかな。作品レベルに遜色ないのは当然なんだけどウケやすさ、という面ではやや分が悪いか。その分玄人志向ってのはあるかもしれないね。凡人にはそんなことわからない…とにかく面白くてハマってく音世界で、ザッパのギターも浮くことなくもちろんしっかりと作品中で独特のトーンを貫いているのは不思議なもんだ。そして更に不思議なのはホントにカンタベリーシーンの音世界と同じなんだよな…、何でだろ?ザッパがカンタベリーシーンを意識したとは思えないからやっぱカンタベリーシーンの方が「Hot Rats」辺りの影響からああなっていったのかもなぁ…とか。もしくは偶然の一致?自分の中ではどうにもアメリカのザッパとカンタベリー一派の音世界に関連性があるとは思えなくてさ。

 「Waka/Jawaka」ではエインズレー・ダンバーがドラムで参加していてそのフィーリングを思う存分に発揮しているのだが、それだけで英国との接点とか?なんて、まぁ、いいでしょ、多分何らかの関連性はあるんだろうし、それよりもこの「Waka/Jawaka」だ。相当にテクニカルなのは当たり前なのだが、それでもこの音の流れ具合は天才的としか思えない。適当な音ですら必然的に入っているようにしか聞こえないし、アドリブ中心とは思うんだけどしっかりと音楽的に成り立っているし…、歌モノになると明らかにアメリカな感じがして安心するんだが(笑)。こういうのがあるから飽きない面白さを続けられるザッパだよな〜と感心しきり。心地良くなってくるな〜、ほんと。



Frank Zappa - Fillmore East, June 1971

フィルモア・ライヴ '71(紙ジャケット仕様)  今まで散々色々な音楽を聴いてきたんだけど、中でもやっぱりここまで人を楽しませる、そしてそのユーモア精神とテクニカルな面を打ち出し、更に反骨精神満載のロック的側面旺盛で反社会的な人、ってのは他にいないだろうし、ここから先も出てこないと思う。こないだ息子さんがZappa Plays Zappaというプロジェクトで来日公演したんだけど、それも各公演ごとにセットリストがガラリと入れ替わっていたという有様で、さすがに息子、一般人の期待を見事に裏切ったプロフェッショナルぶりを発揮してファンを楽しませてくれました。

 1971年のフィルモアで行われた歴史的ライブを収録したライブアルバム「フィルモア・ライヴ’71」。ザッパの作品の中で自分的には確実に上位三つの中に入る傑作だと思っていて、結構よく聴く。何も考えたくない時とかちょっと楽しみたいときなんかには割と出てくる。こんなに笑える音楽ってのはそうそうないんだよね、ほんとに。聴いたことない人には何を書いているのがさっぱりわかんないかもしれないけど、ザッパのこの頃の音ってのはホントにそういうもので、皆が皆理解できるか?ってのはなんとも云えないけど、単純にアメリカ的ブラックジョークをそのまま音楽で演じているというようなものなのだ。このライブでもエルトン・ジョンやプラント、ロジャー・ダルトリーやアリス・クーパーなどなど多数のロックミュージシャンの名前も出てくるしもちろんスラングやモロネタなど実に面白い。

 あ、入手する人は絶対に国内盤を入手することをオススメします。ネイティヴに英語が堪能な人なら大丈夫ですが机上論での英語が堪能な人では理解できない歌詞ばかりなので、絶対に日本盤オススメっす。歌詞を読みながら歌を聴きながらパフォーマンスを想像しながら聴くともう最高。この頃までのザッパのやりたいことがすべて凝縮されて入っている傑作。

 歴史的には1971年6月5日のプレイを中心に収録しているんだけど、翌日の6日にも同じフィルモアで演奏していて、そっちはジョン・レノンが参加してきた共演として知られているし、ジョンのアルバム「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」に収録されていることが有名。こいつもまた色々あって、レノンミックスはもちろんレノンの音が大きめになっていたり、ザッパミックスはどちらともなく普通に楽しめるミックスだったりして、三種類のミックスがリリースされているらしい。

 しかし、このアルバム、本当に素晴らしい。残念なのは「Willie The Pimp」がアナログの時よりも短くなっていてフェイドアウトで終わってしまっている点くらいか。これの全長版だったら凄い演奏で楽しめたのになぁ…、もったいない。いつ聴いてもこのユーモアから流れてくる「Happy Together」の美しさ、そして「Peaches En Regalia」のメロディの素晴らしさは感動的。オープニングも完璧なテーマ曲になっていて何も言うことがないくらいにすべてが素晴らしい。ザッパに興味を持つならば絶対コイツからをオススメするね。

 6月半ばにはまた紙ジャケがリリースされるみたいなんで入手のチャンス?続編とも呼ばれる1971年8月に行われたライブを収録した「ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA」も同じくオススメ!。

Frank Zappa - Just Another Band From L.A.

ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA 喜劇や悲劇などの表現手法としての演劇でも英国やヨーロッパのそれと米国のそれでは大きく異なる趣が見てとれる。ま、元々そういう歴史文化の違いがあるので明るく人を楽しませようというだけに特化した米国の演劇は大衆を相手にしたエンターティンメントとしてはどんどんと洗練されていったものだ。だからこそ今現在のアメリカンエンターティンメントの大作ってのは誰が見ても面白いとかスペクタルだったりとか、極端な感動だったりするワケだが、殊、音楽の世界…いや喜劇ロックの世界に於いては多分フランク・ザッパという奇人くらいしか米国人にはその精神を突き詰めた人はいないんじゃなかろうか?The TubesっつうB級バンドもあったが…。

 そのフランク・ザッパが最高に楽しんでいた、そしてキャラクター的にもコメディー精神たっぷりだった頃ってのは多分70〜71年のフロー&エディが在籍していた頃じゃないかと。自分もこの頃が好きでして…、えぇ、もちろんザッパは歌詞カード付きの国内盤で大半の作品を揃えているんですけどね、歌詞カードや訳詞が付いていてもよくわからないという世界なので、ザッパを制するのはアメリカの文化をしっかりと理解しないといけないのだな。しかも表面的な文化じゃなくてもちろんアングラなちょっとお下劣な世界の文化をね、知らないとわからなんだよ、ホント。歌詞そのままの意味を捉えても深さがわからないからさ。訳詞はしっかりと注釈付きで書いてあるんだけど、それでもよくわからん(笑)。ただね、歌詞カード見て音とステージの様子を聴いていると何か凄く和気藹々と楽し気〜にしているんだよね。だから聴いているとウキウキしてくる。

 1971年夏のライブを記録したこの超おふざけなステージの一部を切り出した「ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA」はその前の「フィルモア・ライヴ '71」と共にフロー&エディのコメディがたっぷりと聴ける傑作。LP時代はA面に「ビリー・ザ・マウンテン」だけでB面に4曲入ってたって代物で、その「ビリー・ザ・マウンテン」がこれまたホントにハイライトでして、24分あるんだけど、決してプログレみたいな大作じゃないから勘違いしないように(笑)。ひたすらコメディに合わせた音楽と展開が続くというもので、物語をステージで表現しながら演奏もしているというものだ。こういうアプローチはなかなかいないので説明しても理解し難いとは思うが…。要するに演劇喜劇をステージで音楽を演奏しながらバンドメンバーで劇を行いながら展開していくってなもんだ。ま、聴いてみてもらえればわかるしどこかで「Does Humor Belong in Music?」のビデオでも見てもらえれば更にわかるか(笑)。

Frank Zappa - Apostrophe(')

Apostrophe(')    1974年の「Apostrophe(')」、何かラジオで冒頭4曲を適度に編集して流したらそれが当って売れたアルバムになったらしいと言うが、そんなことで売れる時代ってのも素晴らしい。更にタイトル曲「Apostrophe(')」ではドラムにジム・ゴードン、そう、レイラ(と言われる)の人、ジョン・レノンとかそのヘンもね。んで、ベースにジャック・ブルース、ギターにザッパというトリオ編成での一発録りな感じの強烈なジャムセッション。ジャック・ブルースうるせぇ!ただ、この曲が出てくると無茶苦茶燃える、っつうかハリが出る。異質感たっぷりでそもそもアルバムの雰囲気ぶち壊しなんだけど、そんなのもアリで売れたアルバムとな。自分的に「Apostrophe(')」を聴きやすいか、と言われたら決してそんなことはないと答えるしオススメする逸品でもない。確かに他の作品ほどヒネてなくて聞きやすさはあるかもしれないけど、面白みもそんなに激しくない気がするなぁ…こういう気怠いのがちょっと合わない気分だったからか?

 ただ、一方で終盤のジャムセッション系の曲ではザッパのギターが割と楽しめるんでいいなぁ、やっぱロックはギターだ、とか全然違うことを思うのだが。確かに前半4曲の流れはマイルドで心地良いんだが、もうちょっとフック欲しかったな、みたいに思う。聞いているのが古いCDだから一番迫力ない音ってのはあるけど。ん〜、でも評判は良いんだよなぁ…、もう一回聞いてみるか…と既に3巡目に入ってる、ってことで何だかんだと面白く聞いているのだった(笑)。


Frank Zappa - Zoot Allures

ズート・アリュアーズ  プログレハード且つ変態ってことで最重要の人を忘れていた。ブログ仲間papini嬢が取り上げていたので思い出すことができてよかった〜、さんきゅっ!そう、不乱苦雑派さんです。アメリカの音楽界の中で最高に変態で下品で天才的な人という変わり者、ウチでも数回取り上げたことあるけど、結構まともに取り上げているので今回は変態的なトコロで…、しかしこれだけアルバムがあるとどれがいいとかいう次元は語れないんで、適当な好みのアルバムを持ち出すことにしよう。とは言っても結構悩んだ(笑)。

 なんとなくプログレハードの流れもあるからやっぱスティーヴ・ヴァイ時代のがいいのかなぁ、とかギターに特化したのがいいのかなぁとかライブ盤だよなぁ、やっぱ、とか色々な切り口があるので難しいんだよ、ほんと。一応ほぼ全てのアルバムはライブも含めて所有しているし、事ある毎に聴いているので全体の流れは掴んでるけどマニアックに語れるほど聞き込めてはいないんだなぁ。なのでこの人も一生掛かって制覇していく人、だね。

 …と言うことで、決めたのが「ズート・アリュアーズ」。自分の持ってるライコ盤だと「ズート・アローズ」ってタイトルになってるんだけど、アマゾンでは「ズート・アリュアーズ」になってるな。まぁいいや。リアルタイムでこの時代…1976年リリースだから、その頃を通ってきている人はこのアルバムがそのちょっと前に行われた初来日公演のライブの模様が一部収録されているってことで話題になったらしいので結構重宝したアルバムなんじゃないかな。自分的には当然通ってないので後で聞いた話になるんだけどね。それが二曲目に入ってる「ブラック・ナプキンズ」と言うのはもう有名な話。当然ライブとかなんとかっていうのを気にしなくてもいいんだけど、初っ端からザッパの哲学的な、そして独特のトーンが響き渡るギタープレイがグイグイと鳴っているという惹き付けられるナンバー。この人のギタープレイはホントに頭脳が宿っているかのような音色とフレーズなので聴く度にハッとする。

 そしてその他の曲は当時マザーズを解散したばかりだったのでザッパはテリー・ボジオとほとんど二人だけでこのアルバムを作ってしまったっつう曰く付きの代物。でもそんなことは説明されるまで気付かないはずだ。ま、ザッパのアルバムだからそういうもんではあるけどさ。相変わらずの下ネタ満載、皮肉というより悪口満載の素敵な歌詞が面白いのでザッパのアルバム全てに云えることだけどもちろん日本語訳の付いた日本盤を手に入れることをオススメするし、そうじゃなきゃ理解できない部分が多すぎる。この人の場合はね。いやぁ、笑えるなぁ、相変わらず。5曲目の「Find Her Finer」での下ネタ満載のだらだらした曲に続いて6曲目にはいきなり滅茶苦茶かっこいいバンドアンサンブルにしか聞こえないザッパの超絶ギタープレイとベースの掛け合いに加えてボジオのドラムというスリリングなインストナンバーが飛び出してきて耳を引く、そしてその競演が終わるとこれまたヒッピーネタの「Wonderful Wino」が始まるっつう、さすがザッパさん、面白過ぎ。

 こういう冗談を楽しめない人にはなかなか受け入れられにくいのがザッパの音楽と歌詞だったりするけどテクニックやアンサンブルやアレンジは唯一無二のものでできれば映像作品を見るともっと彼の世界がよくわかるのでオススメしたいところだね。自分的には映像を見て大受けしてハマってったしさ。「音楽にユーモアは必要か?」ってヤツね。日本版でDVDになってないんだろうなぁ…。

Frank Zappa - Guitar

Guitar   奇想天外な究極のミュージシャンとしか書きようもないフランク・ザッパ、未だ彼の作品は多数世に出て来るのだが、多分全てが録音されていたんだろうし、それを素材にしてたんだから当たり前だ。しかし、「Guitar」のようなアルバムをリリースするという発想はなかなか誰でも思いつくものじゃない。1982年の「Shut Up 'n Play Yer Guitar」の続編となる「Guitar」だけど、アチコチのライブでの様々な曲のギターソロパートを切り出して2枚組のCDに入れ込んでしまったというアルバム。歌がないからその分ザッパお得意のオフザケによる英語の訳詞とか気にしなくて良くて、音だけを聴いてれば分かる、と書きたいが、多分分からない(笑)。ただねぇ、この人のギターソロ、ってかギターって凄く生真面目な哲学的な音に聴こえるんだよね。ロックとかジャズとかどっちでも良くって、凄くギターに真摯な弾き方、クソ真面目なギターが聴けるんだよ。音一つ一つに凄く忠実に取り組んでるんだと思う。それが2時間強たっぷり入ってる代物。

 どれが良いとか悪いとかあそこがどうとかって次元は超えてるんだけど、面白いのはやっぱりザッパのギターのトーンってのが統一されているし、ソロが音楽してるからそれぞれ繋がっている…とまでは言わないけど、メロディ的に流れていく、曲が違えどね。そういう雰囲気で聴けるのがユニークだし、そう作るのも苦労したんじゃないかとは思う。いつも聴いてて思うけど、この人はドゥーワップに影響を受けたと言いつつも、ギターについてはどんな背景を持っているのだろうか、と不思議になる。ブルースや黒人系の音はあるのかもしれないし、スケール的なものはもちろん判ってるだろうけど、こういうギターってどっから出て来るんだ?と。それも多分作曲としてのギター、ソロメロディを奏でるギターとして捉えているから普通とは違うのだろう。聴いてて苦にならないギターソロアルバム。



Frank Zappa - Ship Arriving Too Late to Save

Ship Arriving Too Late to Save  iPhoneの中味は割と定期的に替える事が多い。アプリとかのバージョンアップとかもあるしそもそも容量が少ないからたくさん入れられないってのもあるんでチマチマと入れ替えてる。ちょっと聴いてつまんねぇなって思って削るのもあればず〜っと入れっぱなしのもあったり、そのヘンはマチマチだな。iPhoneで音聴くのは外出時だから繊細なのは入れても聴けないってのもあるんで明らかに家で聴くのとは異なるし車で聴くのとも異なる。だから割とうるさめとか軽いのとかギュインギュインしたのが多い。HR/HMからブルース・ロック、脳天気な系統などなど(笑)。その脳天気な系統から入れてあったのがコイツ。

 Frank Zappaの1982年作品「Ship Arriving Too Late to Save」。娘のムーン・ザッパが「Valley Girl」のボーカルをやっててアメリカでそれなりにヒットしたってのが話題なアルバムですな。自分的にはあまりにも音が80年代の古さを物語ってしまっている作品なのでロックな耳では聴きにくい作品という印象はあるんだけど、ザッパのアルバムの中では一二を争うくらいのポップさ加減なんじゃないだろうか?当然変拍子やらヘンな音とか妙な仕掛けはアチコチで聴けるので一筋縄ではいかないポップスではあるが。底抜けに明るい音楽集団、そうそうスティーブ・ヴァイもギターでの音作りに参加してる…音作りってのはクレジットが「Impossible Guitar」だからさ、ギターで出せるあらゆる音の担当なワケよ。ヘンな効果音とかいっぱい入ってるから多分そういうのをギターで出してるんだろうな〜。それにしてもベースのチョッパーの嵐が凄くて、ヘタなファンクフュージョンバンドなんか目じゃないくらいのブリブリバキバキぶりで…やっぱりザッパのバンドだから只者じゃないのは当たり前か。

 そしてアナログではB面だったザッパお得意の変態曲のオンパレード。決して聴きにくい音にはならずに聴きやすさを貫き通り、また楽しませるエンターティメント性も必ず失わず、それでいてシュールで完璧な演奏で観客を呆れさせて楽しませて魅了するという高度なパフォーマンスそのものがここに凝縮されている。ザッパってな〜って思ってる方はこの「Ship Arriving Too Late to Save」を聴くとポップでキャッチーな側面とザッパの音世界が両方聴けるんで美味しいかもしれない。ヴァイもいるし、ってことでどう?しかしドラムの音だけは許せんのだよな〜これ(笑)。



Frank Zappa - Roxy The Movie

ロキシー・ザ・ムーヴィー(BD+CD)(歌詞対応完全日本語字幕付き) [Blu-ray]  Frank Zappaの「Roxy The Movie」を。日本語字幕付きで見ましょう、必ず。Zappaの映像も歌詞があるものも全部日本語字幕付きや対訳付きで見るとZappaを倍以上楽しめること間違いないから。演奏や音楽だけでも変態的で楽しいけど、歌詞やおしゃべりはそれ以上に面白いからね。それにしても全く変態的な演奏集団だ。フュージョンとかロックとか何とかってのを超越したライブの音世界、プログレってんじゃなくてジャズ寄りだけど、Zappaの合図だけで変わっていく時もあれば激しいバトルの時もあるし遊びまくってる時も真剣で、どこまでリハーサルで出来上がってるのか、どこからアドリブあるのか、どうあっても完璧で乱れることなし、ツインドラムに若いルースがあれこれと楽しめる。この頃もかなり最強に近いメンツ揃えてるもん。

 狭い狭いニューヨークのロキシーでのライブで、一部は「Roxy & Elsewhere」に収録されてたけど、ここでようやく単発ライブの長尺版が出てきて映像で楽しめる素晴らしさ。断片的には見れてたけど、こうして丸ごとこの時代のが見れるってのは珍しい。Zappaの場合テレビでのライブショウが残されてるなんてことないしさ、あっても単発だろうし、こうしてライブ丸ごとなんて見れると思ってなかったからさ、しかも「Roxy & Elsewhere」で聴けるアレでしょ?そりゃもうね、楽しみますよ。どうやってるんだコイツら?って思ってたけど何回となく見てるとそこの合図でこうなるのか、とかわかる部分もある。それでも凄いわ。どうやったらこういう風になっていったんだろうか?Zappaの意図しない所もバンドが勝手に進めてって出来上がったのもあるだろうし、とにかく興味津々で見て楽しめたライブ。

Captain Beefheart - Trout Mask Replica

トラウト・マスク・レプリカ  前衛的アーティストってのは色々あるんだろうけど、音をひとつの芸術として創り上げていくという作業は彫刻のそれと似たようなものなのかもしれない。ドイツのバンドにはそういうのが多くあるように感じるし、日本でも世界的に有名なアーティストはやはり前衛的な面が評価されていることが多い。英国に於いてもそれはあるのだが、ザッパ絡みで、というかザッパそのものが前衛的なアーティストであったんだけど、その流れで出てくるのは当然キャプテン・ビーフハート♪

 「トラウト・マスク・レプリカ」っての知ってる人は結構いると思ってるんだけど、中身をとことん好きだ、っていう人は聞いたことない(笑)。いやぁ、キライだっていうのもあまりないと思うけど…、なぜならこれを聴こうという時点で既にある程度の覚悟をしているだろうから好きになるしかないんだよね、こういう実験的アルバムを聴く場合はさ。とは云えとことん聴くっていうモンでもない。うん、相当アヴァンギャルドなんだよ、これ。

 とにかくビーフハートが弾いたことのないピアノと格闘して創り上げた曲をこれまた楽器の素人達が集中的に無理矢理弾いて覚えて演奏したりしているのを、これまたフラリとザッパが立ち寄って録音して面白いところを切って貼って繋ぎ合わせたものがこのアルバムだからだ。拍子とか歌メロとか旋律とかそういったものは全く適当にしか、というか凄い高次の世界で存在しているけど、狙ってできているもんじゃない(ハズ)。ノイズはそのままだし、緩みまくった雰囲気でなんとなくポリリズム的に展開するとか、そういう次元でひたすら28曲が収められている。しかし、不思議なのはそれでも滅茶苦茶ポップだ、っていうこと。軽いので聴きやすい、っつう摩訶不思議な世界。なんなんだろね、これは。マジメに聴いてたら気が狂うけどゆったりと流していると非常に気楽で面白い。後年スラップハッピーなんかがやってたのと似てるなぁとふと思った。

 キャプテン・ビーフハートってこれ以外にはザッパの「Bongo Fury」で一緒にやってるのくらいしか知らないけど、古くからの友人らしく、やっぱり芸術肌らしい。まぁ、このジャケットからしてもヘンだし、これって鯉?鱒?マスらしいけどね(笑)。

Zappa Plays Zappa

ザッパ・プレイズ・ザッパ [DVD]  ザッパの息子にドゥイージルっつうのがいて、随分と若い頃にプロギタリストとしてアルバムデビューしていたような気がする。もちろん音楽的な才能とかセンスとか情熱ってのが親父さんから受け継がれるわけでもなく、本人の好きさと努力とセンスに依るところが大きいので凡作でしかあり得なかったみたい。うん、聴いてないもん(笑)。いやぁ、それで親父さんが亡くなって早くも15年近くが経過しようとしている昨今、彼は思い立った活動をしているのだ。

 「ザッパ・プレイズ・ザッパ」と題して要するに息子が親父の曲をプレイします、というライブツアーで世界を回っているのだ。メンツももちろんザッパが組んでいたメンバーを集めての再演なのでバックミュージシャン的には完璧。気になるのはザッパの奏でていたギターとユーモアのセンス、かな。まぁ、カバー曲でのツアーなのでメンツが揃えば特別にヘマでもしない限り失敗する興行でもないし、ファン的にも納得させられるツアーってもんだ。あんまり詳しく調べてないけど、まだ一年半くらいなんじゃないかな。

 それで、だ、来年の初っ端、つまり一月に日本に来てくれるみたいなんだな。そして商売上手な日本としては是非目玉に何かを据えて成功させなければということも手伝ったに違いないと予想してるんだけど、何とまぁ、ザッパ門下生としては知名度抜群のスティーヴ・ヴァイが助っ人で参加するってことで決定。ということは80年前後のザッパの作品からの選曲が多くなるのかなぁと、そういう楽しみ方もできるわけだ。ちなみにこのところプレイされていた曲は実に多岐に渡っていて、さすがザッパの息子、と言わんばかりにザッパのかなりの曲数をレパートリーとして持っていて、100曲ぐらいはとっかえひっかえ演奏しているみたいだね。セットリストでしか見てないけど。しかも名作迷作は大体やってるしさ、結構聴きたくなるよ、これ。

 そんな欲望のあまり、ちとライブの音源をネットで拾って聴いてみた。おぉ〜、やるじゃねぇか、息子!って言うか、上手いところは凄く上手いんだけど下手なところは凄くヘタで、でも歌とかはかなり成り切ってて、悪くない。っつうかザッパの音の楽しみは十二分にできるな、これ。英語の苦手な日本人がライブを見るならば十分に楽しめるライブだ。だが、こういうの聴いているとつい本家本元を聴きたくなるんだよねぇ。もちろんそれが目的でこういうライブセットやってるんだろうけどさ。