Woodstock Festival

ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 40周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション [DVD]  1969年究極の歴史的イベントとして名高い「ウッドストック」が行われ、当時のロックシーンを代表するかのような出演バンドの波にはただただ驚くばかり。あまり説明されることがないので一応書いておくと、実際にイベントが行われたのはニューヨーク州サリバン群のベセルという所でマックス・ヤスガという農場主の農場内であって、ウッドストックとは何の関連もないのだ。最初の段階では同じサリバン群のウッドストックで開催予定だったが住民の反対で押し切られてベセルに変更になったようで、冠だけが残って今に至るというワケだな。まぁ、フジロックも元々は富士でやってたのが苗場に移ったっていうのもあるのでわかりやすいかな。だからウッドストックって何なの?って疑問を持つんだけど、まぁ、ニューヨーク州の外れの田舎町の名前なワケだ。

 更にどうしても「ウッドストック」と云うとサントラのCD、もしくは映画のDVD「ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間」ってのがあまりにも有名になりすぎていて、そこに集中してしまうんだよな。今じゃアマゾン980円で買える何てお得な4時間DVDって感じなので、とりあえず入手するべきモノなんだけどさ(笑)。が、それはだな、フェスティバルが足掛け4日間行われた中のたった4時間を抽出しただけのものであって、しかも全く収録されていないバンドの方が多いくらいなワケだ。面白いことに収録されたバンドはどれもこれも大体は今のロック史にも残っている、というかコレがあるから今でも残ってるってのもあるんだろうけど、一応名を成しているバンドばかりなので、それだけ「ウッドストック」の意義が大きかったってことで、逆に収録されなかったバンドは消えていったのも多い。問題は、それがどんなバンドだったのかがあまり知られていないし、逆に大物も出てたんだよ、ってのを知らないことがある。

 参考までに、映画「ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間」の曲目はコチラ参照、そして「ウッドストック・フェスティバル」そのものの出演者の一覧はコチラを見て頂戴な。なかなか詳しく書かれていて、ちょっとした発見も多いと思う。そうだなぁ、グレイトフル・デッドやポール・バターフィールド・ブルース・バンド、ジョニー・ウィンターやマウンテン、CCRやザ・バンド、スライ&ザ・ファミリーストーンやキーフ・ハートレー・バンド、インクリディブル・ストリングス・バンド、そしてジョーン・バエズやラヴィ・シャンカールなんてのがあって、どれもこれも気になる時期のライブなので凄く興味深いんだよなぁ。ジミヘンなんかは単独でライブ盤出てるけど、他はどれも断片だしさ、フーだってジャニスだって断片。この時凄い演奏をしていたサンタナだって全部は出てないだろうし。

 正直云って昔からビデオ見たりしててもなんかド〜ンとして活気のあるイメージではないんだよね。時代なんだろうけど、で、興味ないバンドはどんどん飛ばして見ていてさ、それがまた多くって(笑)、あんまり作品としては面白くないなぁって思ってたんだよ。今でもそういう面あるけどね。でもさ、今となっては未収録のバンドとかも含めて再編成した「ウッドストック」ってのがあってもいいんじゃないか?当時は版権問題とか良いとか悪いとかあっただろうけど、これだけ歴史的作品になった以上、改めて収録編集したいんだけど映像も音源も出していい?って云ったらどのバンドも「ウン」って云うと思うモン。まぁ、それがどういう契約になってるか知らないけど。そしたら見たいなぁ…。デビュー寸前のジョニー・ウィンターとかブルームフィールドが抜けた直後のバターフィールド・バンドとか、全盛期のスライとかさ。この辺はともかくインクリディブル・ストリングス・バンドってのは興味あるし。で、調べてたら昔ビデオで「Woodstock Diaries」、「Woodstock 1969.8.15 - 17(3巻)」「Woodstock: Lost Performances / Movie」っていうタイトルなどで結構出ていたみたい。レーザーディスクだったら相当安価で入手できる可能性高いな(笑)。

 音の方も結構色々出ていて「ウッドストック」「ウッドストック2」4枚組ボックスセットに加えて、まぁ、それなりに各バンドのもリリースされているみたいだけど…、それぞれのバンドのファンはそれぞれのを入手するから良いのか。

Vanilla Fudge - Vanilla Fudge

Vanilla Fudge  いやぁ〜、ティム・ボガートとカーマイン・アピスというリズム隊、日本でもあちこちでセッションしてたりするので一度何かで整理してみると面白い系譜が出来上がるんだろうなぁとちょこちょこ調べてしまった(笑)。特にカーマイン・アピスね。この人結構無節操であちこち顔出してるもん。

 さてさて、そんなことしてる場合でもなくって、やっぱり原点のヴァニラ・ファッジですよ。改めて聴き直しているのだが、やっぱり強烈に重い。重いというかとんでもないっつうか、卓越したアレンジ能力の中にヴァニラ・ファッジ独特の個性を入れて、バンドとしての雰囲気を確立。見事なモンで、鍵盤とベースでひたすらベタに攻めてくるっつう図式。ティム・ボガートのベースはこの頃からとんでもないフレーズだったのだ。だからこそベックが惚れたんだろうな。英国でこんなの見つけてくるより目先のヤツ捕まえてきた方が早いモン。しかし時代は1967年、クリームが登場してきた頃なので、かなりセンス良いベースだったりドラムだったりしたワケだ。

 初っ端の「涙の乗車券」…、おいおい、こりゃなんじゃい?軽さのかけらもないじゃないか(笑)。ベタ〜に鍵盤が張り付いてベースが歌ってる〜って感じで、これ一曲で彼等の音楽性がよくわかる。そして20年以上後にロッドとベックが共演して話題となった「People Get Ready」だが、もうとんでもなくグチャグチャに仕上がっていて時代はサイケだ、と感じるよね。んでゾンビーズのカバーへ…いやぁ、ベース凄いわぁ〜。この曲はまだ原曲に多少近いかも(笑)。

 でもね、やっぱりヴァニラ・ファッジと言えば「You Keep Me Hanging On」でしょっ。サイケデリックな雰囲気と卓越したベースフレーズからベタな音で始まる名曲…とは言わないけど、時代を代表する曲ではあるのだ。いや、名曲だ、これ。地味にコピーしてみると結構面倒だったりするんだけど、まずこの雰囲気が出ない。いいねぇ。そして最後がまだ「エリナー・リグビー」と来たもんだ。もうプログレに近いサイケデリックの世界…、当時のドラッグ文化主流だったアメリカだからできたアレンジか?でもかなり洗練された感じがするのは多分ニューヨーク出身のバンドだからだろう。ある意味ビートルズなんて超えている…。

The Grateful Dead - Live / Dead

Live / Dead  1960年代末、サンフランシスコではフラワームーヴメントが沸き起こり、ヒッピー文化が最先端となったいわゆる幸せの幻想時代となるが、先のジェファーソン・エアプレーンと共に時代の寵児となり、その精神思想が歴史を築き上げて超ユートピアファン層を獲得し、更にそれが世代を超えてひとつのアイコンとなった英雄的なバンドがグレイトフル・デッドだ。グレイトフル・デッド…美しいバンド名だ。そして街で見かける数々のシンボルマークともなったデッドのイラスト、どれもこれもが一見おどろおどろしい面を持ったもので、そういった周辺状況を見ているととても手を出す気にはなれないバンドなのかもしれない。ある意味宗教団体のようなものだから。

 そんな深い意味を知るまでもなく、単純にロック名盤として語られた雑誌を見たことから17歳の時に初めてデッドのアルバムを聴くこととなった。ファーストアルバム「The Grateful Dead」だ。そして17歳にこのアルバムはあまりにもヘヴィー過ぎた。サイケデリック的アーティスティックな面が養われていない時期にこのようなドラッグ思想に支えられたアルバムはまともに聴けたモノではなく、以降二十年近くグレイトフル・デッドと云うバンドは封印されたままだったんだな。ことある毎にデッドヘッズと呼ばれるマニアやコレクターなどに出会い、彼等はコミューンを形成してネットでも盛んに交流をしている。そして新参者であろうが古くからのファンであろうがごくごく親しみやすい環境を作っていて非常にオープンな姿勢のファンが多く、そして明るいのだ。何を自慢げにするでもなく、デッドを押し付けるでもなく、ごく普通のロックファンとしてもちろんアメリカの良き時代の理解者として接してくれる人が多かったのだ。そこから受ける印象は決してデッドのおどろどろしたイメージではなく、またドラッグまみれな幻想を持ったイメージでもなく、かなりさわやかな印象さえ受けるものだった。

「ん? でもデッドだろ〜?(←17歳の記憶が甦る…×××)」

 が、多数のうわさ話や情報過多になってきた昨今、そしてデッドの後継者とも云われるPhishという集団によるユニークなハロウィンの試み…、などなどと状況も情報も変わってきた頃にふとデッドに再挑戦してみようという気になったのであった…。

 聴いたアルバムは「Live / Dead」。いやぁ〜〜〜〜〜驚いた。何という素晴らしいアルバム!インプロビゼーションでのみ構成されたと云っても過言ではないくらいのライブ即興バンドの醍醐味を一気に味わい、且つ驚くことにそれが全くストレスを感じないさわやかな浮遊感に包まれたサウンドがスピーカーを奏でている。英国のインプロバンドだったら絶対に疲れてしまうであろうあの瞬間が皆無なのだ。ベックの「Blow By Blow」のような湿っぽさはかけらもなく、プログレバンドのようなハマり度もなく、ただただひたすら心地良い音色が空気と共にカラダをすり抜けていく、そんな美しいサウンドなのだ。そしてそれこそがユートピアの世界、ヒッピー思想なのかもしれないしドラッグサウンドなのかもしれないけど、実に美しくて驚いた。心底驚いた。スタジオアルバムの名作と呼ばれる「Aoxomoxoa」もいいけど、やっぱりライブでその本領を発揮する。時代の象徴ともなったフィルモアウェストのライブを収録した「Fillmore West 1969」も絶品だし、ハマっていくとどんどんとこの時期の音源が山積みにリリースされており、更にコレクター間での音源も自由に解放されているので正直キリがない世界だ。しかしハマる人の気持ちがよくわかる素晴らしいバンドで、これを聴かずして一生終わることなくって良かったのかなぁとも思う。

 改めて、偉大なる死、グレイトフル・デッドを褒め讃えたい。そして英雄ジェリー・ガルシアに冥福をお祈りします。グレイトフル・デッド。

Greatful Dead - Skull & Rose (1971)

The Grateful Dead (Skull & Roses)  サンフランシスコのイメージは今も昔も多分同じようなもので、青い空に爽やかでカラッカラの空気…そして時代が違えば甘ったるいハッパの香り…なんつう感じですかね(笑)。まぁ、人によってはもちろんサンタモニカのビーチだったりするんだろうけど、いずれにしても青いイメージ…、昔大滝詠一って人のアートワークが流行ったことあるけど、あんな感じなんだろうと勝手に思ってます。そういえばあちこちに旅行行ったけどカリフォルニアとか西海岸は行ったことないな。あまり興味なかったからなんだが、一度くらいは見ておきたい気がする。

 そんなサンフランシスコの代表バンドと言えばもちろんグレイトフル・デッドは外せないワケでしてね、しかも60年代が終わって70年代の始めとなれば正にヒッピームーブメント時代と音楽的にも多様化し始めていった頃。既にグレイトフル・デッドは存在していてカリフォルニアの雄でもあったようだが、そこにはジャニス・ジョプリンやジェファーソン・エアプレーンやジミヘンなんかも集まりかけていたムーブメント。またバターフィールドブルースバンドなんかも合流してきてひとつのデッドファミリーが拡大されつつあったようだ。そんなグレイトフル・デッドの最高傑作と言えば多分「Live/Dead」。これはライブのインプロをそのまま記録していて舞い上がるようにフワフワとした感覚の味わえる傑作だけど、一方では今回の「The Grateful Dead (Skull & Roses)」という作品によるコンパクトで快活なライブってのもあるんだよ、と言う事を示したアルバム。昔からこのジャケットのアートワークは街の中でTシャツを着ている人がいたりして結構メジャーだったんじゃないかな。最初はあれって何?みたいな感じだったけど、しっかりと「Greatful Dead」って書いてあるからそのうちアルバムジャケットか、とわかるんだが、実際のレコードがなかなか手に入らない。グレイトフル・デッドのアルバムなんてほとんど手に入らなかったもん。なので結構アートワーク的なイメージが強かった。

 聴いたのはそんなに古い話じゃないけど、かと言って何度も聴いたわけでもない。ただ、聴いていてえらくカントリーなアルバムだなぁと思った記憶があった。カバー曲や昔のR&R曲が多いんだけどタッチがすごく乾いているのでアメリカ的な音。別にグレイトフル・デッドじゃなくてもとは思うんだけど、この開放感が心地良いんだろうな。その雰囲気はグレイトフル・デッドならではの空気。「Big Boss Man」なんてもう全然グレイトフル・デッド流の曲になっちゃってるしジャニス・ジョプリンも取り上げていた「Me & Boggy McGee」なんて軽やかなカントリータッチに仕上がっていて、全然重さとかブルース臭さなんてのはなくって正にアメリカン。同じ曲でこうも違うのかと思う化け方。同じアメリカ人の解釈で、しかし良い曲だ…。この歌もまた気持ち良いので、アメリカンロックのこの手の音を好む人が多いのもよくわかる。たまに聴くから楽しめるってなもんではあるが。

 グレイトフル・デッドって何から聴けば良いんだ?って人は「Live/Dead」とこの「The Grateful Dead (Skull & Roses)」を聴くことをオススメしますね。バンドの姿がよくわかるし、初めて聴いても知らない感覚じゃなく聴ける気がするので。しかもジャケット飾っておくだけでもかっこ良いでしょ、「The Grateful Dead (Skull & Roses)」は。

Jefferson Airplane - Surrealistic Pillow

シュールリアリスティック・ピロー  アメリカで起きたヒッピームーブメント=フラワームーブメントは恐らくこのジェファーソン・エアプレーンのアルバム「Surrealistic Pillow」によって一般に広がったのではないかと思うくらい売れに売れたらしいいわゆるフラワームーブメントの代表作として語られることが多い。もちろんバンドとしても最も熟成しつつある時期だったので、ムーブメントがそうさせたのか才能と運の成せるワザなのか…結局は以降80年代に至るまでず〜〜〜〜っと名前を変えつつも生き続けたのだからやはり才能なんだろう。

 時代は1967年初頭、紅一点のグレイス・スリックというハートで歌を歌うボーカルを迎えて、男とオンナのコーラス体制ができあがり、それがバンドのパワーに拍車を掛けているし、アルバム「Surrealistic Pillow」では歌詞や曲のタイトルからしてかなり不思議な…トリップしたものが多い。例えば、一曲目は「おかしな車」と言う曲なのだが、車という単語も内容も全く関係ない歌詞だったりするらしい。そんなのが散りばめられているんだけど、曲的には初っ端からかなり心地良いサウンドでなんかなぁ、トリップっていう気分がよくわかるんだよ(笑)。基本的にはアコギサウンドっつうかカントリータッチというのか、そんなんでアメリカ〜って感じなんだけどさ。で、なんつっても「Somebody To Love」だよ。リズム感バッチリの「 When the truth...」という歌声で始まって、妙にギターサウンドがエコーたっぷりのフラワームーブメント的な音で、そこにヒステリックなグレイスの歌声が被さってくるから堪らないし…、やっぱサンフランシスコサウンドの原点なんだよな、これ。その他の楽曲も基本的にはフォークサウンドが中心でエレキっつっても効果的なファズギターを使用っていうくらいなので、まだまだ時代を感じさせる音なんだけど、何だろうね、この熱気は。ドラッグ感覚たっぷりって云うんだろうか?多分やってる側がドラッグたっぷりなんだと思う(笑)。ちなみにこのアルバムのタイトルはあのジェリー・ガルシアが呟いた一言から取られたらしい。

 この翌年にそれこそ「Sgt.Pepper's...」に逆影響を受けて制作されたのが「After Bathing At Baxter's」なんだけどさすがに成熟期のバンドなだけあってこちらも名曲はないけど名盤の名を欲しいままにしているね。もちろんこの時期のライブを収録した「Bless Its Pointed Little Head」は聴いて損しないアルバム。ラストの即興演奏が特に心地良いんだけど、この辺はさすがにサンフランシスコサウンドだよなぁ。

Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's (1967)

After Bathing at Baxter's 60年代のアンダーグラウンドカルチャーとは何故に発生して果たしてその定義って何だったんだろうとも思う。しかもアーティスト側のサイケデリックとドラッグカルチャーとかトリップした世界ってのをやっぱり意識して作ってたのか…、ビートルズみたいにただひたすら自分たちの体験を音にできた才能があったのか…、多分後者だろうな。そんな音の作り方って定義はこれもまた音楽的にあるのかどうか知らないけど、見事にサイケデリックな雰囲気を出していたバンドも多いものだ。まったくドラッグをやらないくせにそういう音を作れるザッパなんてのがいるんだからきっと作り方があるんだろう。でも、そんなこと考えずに出来上がってくるリアルな体験を音にする人達の方がレコードを聴いているリスナーからは評価が高いのはやっぱり生々しいからだろう。

After Bathing at Baxter's - Jefferson Airplane After Bathing at Baxter's Surrealistic Pillow (Remastered) - Jefferson Airplane Surrealistic Pillow

 1967年にジェファーソン・エアプレインが発表した作品「After Bathing at Baxter's」、前作「Surrealistic Pillow」に収録の「White Rabbit」とか「Somebody To Love」っつうサイケだけどポップで軽やかな曲のヒットから一歩進めた作品。多分こっちの「After Bathing at Baxter's」の方がサイケデリック度は高い。自分的には「Surrealistic Pillow」の「Somebody To Love」でヤラれたクチなので「Surrealistic Pillow」の方が聴いてる回数少ないけど、それにしてもかなり玄人向けな音を出している…玄人って、その世界のって意味だが(笑)。Greatfull Deadの音なんかもそうだけど、多分ブルースとかカントリーとかロックとかこうしようとかそういうスタンスも特になく、ある楽器であの世界を表現しようとした感じなんじゃないだろうか?そんなに変な効果音が入ってるワケじゃなくて、バンドが出す音そのものがサイケなんだよ。不思議なものだ。

 普通に聴いててもラリった気分になってしまうんだからホント凄いんだろうな。英国のサイケデリックは内にこもった世界でどんどんうつむいていくって感じなんだが、アメリカのはどんどんとヘラヘラと笑って上を向いてアホになっていくっていう感じの違いがある。今の時代に「After Bathing at Baxter's」をどういうタイミングで聴くのかと言うのが結構難しい気がするけど、何かハイになりたい時に良いのかも。冷静に聴いているともちろんテクニックはある程度安定しているしギターにしてもかなりユニークなトライをしていて、何がルーツってのもよくわからない音世界を作ってたり、ドラムにしても普通なドラミングじゃなくて結構ドタバタと走りまわってるので、一筋縄では行かない音になってるのは事実。そんな集団の中で紅一点のグレース・スリックが女王様のように歌っているから神々しく見えるってなもんだ。よく聴くワケじゃないけど、このへんのシーンを聴いてくなら外せないバンドで、その価値がもちろんあるバンド。そして今に到るまでどんどんと姿を変えていくバンドとしても知られているけど、やっぱり60年代のジェファーソン・エアプレインが一番面白いでしょ。

Iron Butterfly - In-A-Gadda-Da-Vida

ガダ・ダ・ヴィダ(紙ジャケット仕様)  何となく古きフラワームーヴメントのロックに行ってしまったのでついでにもう一枚書いてみよう〜、と。実はアルバム通して聴いたことない、と言うかアルバム持ってないと思うんだけど何故か知っているアイアン・バタフライ。何でだろ?まぁ、これだけロックばかり聴いていれば知っていることに不思議はないけど、こんな長い曲まで何で知ってるんだ?う〜ん…。

 1968年リリースのセカンドアルバム。ちなみにファーストは「ヘヴィ」というタイトルで、それもどうかと思うのだが、多分タイトル通りヘヴィなのだろう。何せ時代が時代だからとにかくニューロックだアートロックだっていう風潮で、誰も彼もが新しいオルガンの音、新しいギターの音、そしてサイケデリックな波とフリーセックスの世界を夢見てロックに飛びついた時代…、なんてねぇ、リアルタイムの人が羨ましい。そんな中、確か西海岸から出てきたバンドだったんじゃないかな。  アルバム全曲で6曲、そのうちあの有名な「ガダ・ダ・ヴィダ」で17分。そりゃ正にサイケだわ(笑)。でも結構きちんとプログレっぽくなっていたりするので、やはりサイケとプログレは近いところにあったんだなぁと思えるし、アメリカでもそういう試行錯誤は演奏する側にはきちんとあったことがよくわかる。このバンドこの後ライブ盤がリリースされているんだけど、多分凄くハッパの香りが漂うようなライブなんだろうなぁ…(笑)。

 今でもしっかりと聴いたことのないバンドなので大きな事は書けないけれど、多分時代を加味して聴けば相当面白いバンド、であってもらいたい。まぁ、アメリカなので英国の深みとは違うと思うけど。

The Electric Flag - A Long Time Comin'

A Long Time Comin'  モンタレーポップフェスティバルがデビューステージとなったマイク・ブルームフィールドの結成した新バンド、エレクトリック・フラッグだが、正に時代を反映したサイケデリックな雰囲気を持つバンドとして話題になり、ブルームフィールドの理想としていたブルースから大きく逸脱したアメリカンミュージックを再現するバンドとしての認知としては些か異なった方向に導かれていたようだ。それでもそのサウンドは当時から既にインパクトを与えていて、引っ張りだこ…とまではいかないけど、アチコチに活動する場が与えられたみたいで映画のサントラなんかにも登場している。

 …とまあ、それなりに書き始めたんだけど、モンタレーのトコでルルさんがエレクトリック・フラッグについて書いていたので思い出したように書いてます(笑)。1968年に「A Long Time Comin'」と云うタイトルでアルバムデビューして、しっかりとライナーにも「An American Music Band」と書かれているように、徹底してそのスタンスを打ち出したかったみたい。初っ端の「Killing Floor」のゴージャスなブラスセクションとのアレンジによる演奏は実にノリが良くって最高。ブルースギターに囚われないで、楽曲に馴染むギターの中で良い音出してこれまたギターが鳴ってるんだよなぁ。かっこいいわ。他の曲もホーンセクションが適度に鳴り響いていて心地良いし、後年のB.B.キングみたいなもんかもしれない(笑)。でもどこかしらサイケっつうかLSD的な香りがプンプンするってのが面白くて、これは出そうと思って出せるモノなのかねぇ…。しっかりと「Texas」という曲ではブルームフィールド節全開のブルースギターを弾きまくっているのも○。結構な名盤だよ、これ。CDではボーナストラックも付いているのでお得だし、彼の音楽的才能の豊かさに感動。

 結局この一枚で脱退してしまうんだけど、実は先のファーストアルバムリリースの前に「The Trip」という映画のサウンドトラックを任されていたようで、今でもCDが簡単に入手できるんだけど、こちらは完全にサイケ(LSD)ソングのかたまり(笑)。1967年のレコーディングだからそうなってもおかしくはないけどね。でも一曲だけブルームフィールドのギターが突出していて、やっぱりハズせない一枚♪ 後はいわゆるベスト盤と思われがちだけど、実は先のモンタレーのライブテイクを収録しているベスト盤「Old Glory: The Best of Electric Flag」もハズせない一枚。

 そういえばこのバンド、後のバンド・オブ・ジプシーズの一員となるバディ・マイルズが参加してるんだよな…。こんなとこでギターヒーローの英雄同士が繋がるってのも面白いね。

The Electric Flag - The Trip (1967)

The Trip: Original Motion Picture Soundtrack グレイトフル・デッドのトリップさ加減をそのまま映画のサントラとして用いてしまったニッチなヒーロー、マイク・ブルームフィールド率いるエレクトリック・フラッグ。今普通に考えても何でまたマイク・ブルームフィールドがこんなワケの分からない映画のサントラを手がけて更に訳の分からないサウンドを創り上げたのか…、時代なのかねぇ。

 そんなエレクトリック・フラッグ名義でリリースした映画「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」のサントラアルバム。まぁ、もちろんなんだが、冒頭は映画のテーマ曲みたいな感じでやや長尺に盛り上げているものの、以降は挿入曲のようなものなので多分シーンい合わせたサイケな音が流れているだけ。決してマイク・ブルームフィールドの華麗なるギターが宙を舞うと言うようなものではない。ただ、唯一11曲目だけが延々とギターソロを披露しているという貴重さがあるので重宝されているというのが真実。如何に音楽的に評価しようとも最全盛期でもあったマイク・ブルームフィールドのギタープレイをひたすら堪能したいのがリスナーの願望だろうよ。まぁ、裏切らない曲があっただけでもめっけもんとしようか。

 ギターヒーローとしてのマイク・ブルームフィールドに大してはそんな印象なんだけど、実際マイク・ブルームフィールド自体はこの「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」のタイトルの下にも書かれているように「An American Music Band」というアメリカという大陸が包括している音楽全てを奏でるために結成したバンドという壮大なことを考えていたようなのでこんな作品にもきちんと手を出して完成させていきたいと思っていたのだろう。なるほどマイク・ブルームフィールドのこの後の作品を聴いているとそんな気配をいくつも感じてしまうし、実践していたのも確か。ブルースからカントリー、サイケデリックからブルーグラスなどなどどんな音楽でもマイク・ブルームフィールドにかかればお手の物、見事な音楽の伝道師となっている姿がわかる。  そんなマイク・ブルームフィールドの時代を反映した妙なアルバムとして語られている「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」、何度も聴かないけれど、ひとつの思いが叶ったアルバムとしては確かな証だったんだろう。しかしまだまだ弾き足りないんじゃないのかなぁ、このギター。

The Trip - The Electric Flag The Trip The Electric Flag: Live - The Electric Flag The Electric Flag: Live

Quicksilver Messenger Service - Happy Trails

Happy Trails  フラワームーヴメントの代表バンドの一員としてはあまり挙げられることもなく、どちらかといえばマニアックな存在ですら有るクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスというバンド。1968年にデビューアルバム「Quicksilver Messenger Service」をリリースするものの彼等の本来の姿であるライブでの熱気が上手く収録されずセールス的には不発だったようだ。まぁ、ファーストアルバムからそうそう簡単にはいかないんだろうけど…後になってそれほどひどくもなく、バンドの本来の持つサウンドとして捉えられる傾向もでてきたいみたいだけどね、個人的にはまあ、時代を反映していて面白いんじゃないかな、程度は思ってるけど、ちょっとチープだよな(笑)。

 で、このバンドと云えばやはり「Happy Trails」「Shady Grove」なんじゃないかな。ファーストアルバムの反省点を元にセカンドアルバム「Happy Trails」ではいきなりライブ録音によるアルバムリリース、そして邦題が「愛の組曲」っつうんだけど、何せ曲名が凄い。「Who Do You Love」から始まり「When Do You Love Part.1」「Where Do You Love」「How Do You Love」「Which Do You Love」そして「When Do You Love Part.2」へと流れるんだけど、コレ面白いよな、発想が。でもって音も凄くデッド的と言ったら変だけど、心地良いギターの音色が中心となっていて、ブルースフィーリングはあるんだけどあまりしつこくなくってサラリと聴けるんだな。こういうサウンドは好きだなぁ。名盤と呼ばれるだけあってどれもしっかりした楽曲なのでちょっと退屈になりそうな部分もあるけど、心地良いサンフランシスコサウンドを聴けるのは間違いないね。

 サードアルバム「Shady Grove」になるとあのニッキー・ホプキンスが参加してきて、サウンドがガラリと変わる。フリーフォーム的なサウンドからピアノ中心になったサイケサウンド、でも何かポップみたいな曲に彩られていてある意味異色なアルバムなんだろうなぁ。普通に聴くとかなり面白いアルバムだとは思うけど。最後の「Edward, the Mad Shirt Grinder」ってのが一番気合い入った曲かな。面白いよ。

Buffalo Springfield - Buffalo Springfield

Buffalo Springfield  サマー・オブ・ラブと呼ばれた花のサンフランシスコからウェストコーストサウンド周辺へと文化は広がりを見せていくが、中でも後に有名となるミュージシャン群が集まったバッファロー・スプリングフィールドは時代と共に消え去った伝説のバンドとして今でも語り継がれる存在となっている。云わずと知れたスティーヴン・スティルスニール・ヤング、リッチー・フューレイ、ジム・メッシーナと云った著名なメンツで結成されたこのバンドは1966年にファーストアルバムをリリースし、初っ端の「For What It's Worth」からリスナーを圧倒したと伝え聞く…。

 確かになぁ、この曲はサイケデリックムーヴメントの中にあっても不思議のない何か不思議な力を感じるサウンドで、ツェッペリンのロバート・プラントなんかはこの辺に凄く影響を受けているのでZepのライブでは一時期この曲がメドレーの中に組み込まれていたりしてね、そこから漁っていったっていう邪道なんだけどさ。オリジナルを聴くと、さすがにプラントが影響を受けるのも納得っていうくらいのものだ。セカンドアルバム「Buffalo Springfield Again」は一般的に名盤の領域に入る傑作と云われる。自分的にはそんなでもないんだけど、雰囲気は大変よくわかる。ま、でも昔聴いた記憶だったので今改めて聴いてみるとちょっと印象異なったのは事実。

 ただねぇ、個人的にはニール・ヤングがダメなので基本的にダメなのかもしれん(笑)。いや、声がね…。スティーブン・スティルスは「スーパーセッション」でのイメージだからまたちょっと違うんだけど。残りのメンバーによるポコってのは聴いたことないんで何も言えないんだけどさ。しかしこのバッファロー・スプリングフィールドってのは実験的精神旺盛で音数は少ないし、それでいてコーラスワークがしっかりしていて、で、何と云ってももの凄くアメリカ的なサウンドってのがウケたんだと思うし、今でも好きな人は好きなんだろうなぁ、と。

 オリジナルアルバムは3枚しかリリースされていないけど、ボックスセットやら何やらでやっぱり根強い人気…っつうかニール・ヤングの人気によるトコロも大きいのかな。もうちょっと大人になったらどっぷりと浸かることがあるかもしれない…、かな?

The Byrds - Mr.Tambourine Man

Blu-spec CD ミスター・タンブリン・マン  1960年代半ばにフォークロックという新たに定義づけられるサウンドの代表格となったバンドにザ・バーズが挙げられる…と言うよりも彼等こそがフォークロック=ビートルズ+ディランを実践したバンドと位置付けられる。もちろん似たような指向性を持ったバッファロー・スプリングフィールドも同時期にシーンに登場し、この二つのバンドは見事に融合を果たして俗に言うCSN&Yとして一時代を築き挙げることになるのだが…。

 改めて聴くと狙い通りのサウンドを創り上げたバンドだったんだなぁと実感する。そしてこのバンドの面白いのはアルバムを重ねる毎に大きくサウンドが変化していくところだろうか、徹底できない背景があったのかもしれないし、アメリカの血が音楽をどんどん根深いところに持っていってしまうのか、カントリー方面に走ることになるので、これはこれで別に悪くないのだが、バーズである必要性が薄れてきたという面もあるかな。それはさておき、まずはやっぱりファーストアルバム「Mr.Tambourine Man」が一番初々しくて明確にサウンドの方向性が打ち出されており、正にビートルズ(笑)、と言った感じだね。コーラスワークなんかはコチラの方が上手いかもしれないけど。ロジャー・マッギンの12弦ギターがサウンドをカラフルにしていて、この十数年後にイギリスで大流行するニューウェイブサウンドと何ら変わりはない音を出しているってのは面白い。音楽は回り回るモノなのだ。

 セカンドアルバム「Turn! Turn! Turn!」でこの路線は極みを見つけることになり、まあ、時代が時代だからサイケデリックサウンドの名盤としても語られることもあるのかな、個人的にはファーストの方が良く聴くけど、あまりにも聴きやすいのであんまり聴かない(笑)。で、たまに聴くと美しいなぁ、と思うんだけどさ、やっぱ何か残るモノが少ないのか、サラリと聴けてしまうところが英国ロックとは違うよな。もちろんそれでも良い作品であることには変わりない。

 しかしこういうのって新しい挑戦でクリエイティブな発想だったんだろうな、と思うし、今でも色褪せてない作品だからやっぱり凄い。そんな雰囲気のままフラワームーブメント突入だもんなぁ。しかし四角のサングラス、かっこ良い…。

C.C.R - Chronicle

CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL:CHRONICLE THE 20 GREATESTHITS  アメリカのルーツに拘ったロックバンドとして語られるクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル=CCRもカリフォルニア出身であるが、南部のサウンドに影響されて音楽的には南部的なアメリカの土臭さを体現しているバンドのひとつだ。また、60年代後期から4年程度しか活動期間がなかったバンドの割にかなり伝説化されている面も多く、それこそがルーツ・オブ・アメリカとでも呼ばれるように崇拝されているものだ。彼等自身は英国ビートグループの模倣として売り出されたのが、時代とは皮肉なものだ。

 デビュー曲が「Suzie Q」というのがそれを物語っていて、もちろんストーンズで有名なアレだ。しかし、この後彼等は独自のサウンドでバンバンとヒットを放っていき、それは今でも斬新に響くメロディだったりするワケで、多数のアーティストにカバーされていることからもその功績がわかるだろう。確かに「Proud Mary」なんてのを聴いていたりすると、なんとなく力強く、そしてノスタルジックな気分になろうというものだ。もちろんそれは「Travellin' Man」や「Have You Ever Seen The Rain」にも通じるもので、なんだかんだと良い曲が多い。後にハノイ・ロックスがアメリカ制覇の代表曲として選んだのも「Up Around The Bend」という傑作で、それはそれでセンスが良いのだが元歌となるCCRのサウンドの良さが当然引き立つものだった。

 う〜ん、やっぱねぇ、ロックンロールが基本なんだよ。「Travellin' Man」なんて、正にそのもので当時からしたらそんなに特徴ある曲じゃないけど、今の時代にこれほど混乱した音楽シーンの中でコイツをいきなり聴くと凄くシンプルにパワフルでカッコイイのだ。「Have You Ever Seen The Rain」はどちらかというとアニマルズの「朝日の当たる家」のアンサーソングみたいに聞こえるんだけどねぇ…、実はコレも反戦ソングらしくて「雨」ってのは「ナパーム弾の雨」を指していて、故に歌詞が全然繋がらなかったらしいんだけどさ。このバンドもジョン・フォガティ一人で奮発していたためか短命に終わった割にもの凄い仕事量をこなしていたようで、いっぱい作品が残されている。ただ、なんとなくアルバム単位で聴いていたことはあまりなくって、「Cronicle Vol.1」「Cronicle Vol.2」で何となく全部網羅してしまって聴いていた。今でもそれを引っ張り出して聴いているんだけどさ。いや、昔はレコード探すの大変だったのもあって、簡単に終わらせていたってのが真相だけど(笑)。

 なんかねぇ、こう、やっぱ乾いた感じのサウンドで魂だけが伝わってくるていうのかな、そこに土臭さが入ってきて、カリフォルニアから南部への憧れっていう雰囲気の音はよく分かる気がする。絶対聴け〜って感じのバンドではないけど、聴いてみると親しみを覚えるバンドだね。結構ミュージシャンに好かれるバンドらしくってライブなんかでカバーされることも多いみたい。「Born on the Bayou」とか。