Jimi Hendrix - Are You Experienced?

アー・ユー・エクスペリエンスト?  ファーストアルバムによる衝撃はこの人を於いて他にない。全世界的に衝撃を与えたと言われるジミ・ヘンドリックスファーストアルバムはロック史において最重要作品でしょう。…っつってもその時生まれてないワケだから知る由もないんだけどさ(笑)。

 時代は1967年、まだ世の中がロック慣れしていない頃にアメリカからイギリスに渡ってイギリスのムーブメントの中に放り込まれてありとあらゆるギタリスト達の自信を木っ端微塵にするほどの衝撃的なギタープレイヤーってのは有名で、あちこちビデオを見てみると恐ろしいほど衝撃的なパフォーマンスを繰り広げている。著名なのは「モンタレー・ポップ・フェスティバル」による燃えるギターでしょ。その前に演奏していたザ・フーが全ての楽器を破壊するってのは有名だったのでジミはそれを超えるパフォーマンスが必要と考えた挙げ句にジッポオイルをギターにかけて燃やしてから破壊したワケだ。見ていると恍惚としてしまうからこれは凄い。

 で、そんなジミにも初々しいデビューアルバムがあったんだけど、これがもうベスト盤かと思うくらい素晴らしい曲ばかり収録していて、正に完成した男として世に出てきた感じ。最早なんの説明も要らなくなった「Purple Haze」の超かっこいいリフに打ちのめされ、スタンダード曲「Hey Joe」ではジミのギターソロの一音で脳髄に衝撃を受け、「I Don't Live Today」でバンドアンサンブルをとことん知らされて、「The Wind Cries Mary」の乾いたストラトサウンドを聴いて涙をそそり、「Fire」では全てが爆発してしまうほどの過去も今も聴いたことのないロックを体感し「Foxey Lady」でギターと交わっている艶めかしい色気を堪能し、「Are You Experienced?」で全てを統括して終了する。他にもこれぞ究極のロックブルースナンバーとも言える短すぎる「Red House」ではジミの魂が伝わってくる。

 そうそう、来年1月にもまた新しくCDがリリースされるそうで、もう何バージョンもCDがリリースされているので何がオリジナルか忘れがちです(笑)。まあ、どれでもいいんですけど多種多様にリリースされているCDではボーナストラックがいっぱい付いていてお得品ばかり♪それはいいんだけど、ジミが意図したオリジナル作品という聴き方ではやっぱりイギリスオリジナル盤ってのは重要ですね。もっとも彼の場合は純真無垢過ぎてビジネス面ではかなりワケのわからない契約事項ばかりとなって海賊盤まがいのCDが多数リリースされているのもファンにとっては結果として嬉しい悲鳴となっているのも皮肉な話。最近は統一化されたみたいだけど、その分何でもオフィシャルとしてリリースされているのでどっちがよかったんだか(笑)。

 そんな話はともかく、ジミの驚異的なギターセンスと爆発的なエネルギーがパッケージされた「Are You Experienced?」には彼の魂が込められた素晴らしきアルバムで、あまりクローズアップされてこないが、ミッチ・ミッチェルのドラムセンスもハンパじゃなく凄い。ジミのフレーズにピッタリくっついていくノエル・レディングのベースも見事なモノだ。普通のバンドにいたらどっちも目立った人達だったハズなのにフロントがジミだったので単なるバックメンバーになってしまったみたいだけど、かなり良い「バンド」です。

Jimi Hendrix - Axis:Bold As Love

アクシス:ボールド・アズ・ラヴ  ジミヘン…何度目の登場だろ?やっぱ好きなのかな、っつうかこの時代の寵児だよなぁ。一番よく聴くのはもちろんファーストアルバム。で、未だにまともに制覇できていないアルバムが「エレクトリック・レディランド」。何十回聴いてもまだ見えていない部分があってさ、まだまだだなぁと修行中(笑)。で、ちょっと前くらいにようやくなんとなく制覇できたのがセカンドアルバムの「Axis : Bold As Love」かな。まぁ、それでもまだまだなのかもしれない。この人はホントに奥が深いので聴き込んでも聴き込んでも足りない…まだまだ自分が未熟者だ、って感じる。何だろね、こういうのって。

 クラプトンがギターを弾けなくなるくらい衝撃を受けたってのも十分わかるインパクトを放っていたジミが1967年にリリースしたサイケデリック色たっぷりのセカンドアルバム。冒頭の「EXP」なんだけど、最初のコレってベースのハーモニクスの音かな、「え?」って感じで面白くて凄く効果的。で、いきなりラジオ放送局みたいに始まって効果音とノイジーなギターでグワングワンさせてから滅茶苦茶ポップでヘンな「Up From the Skies」の始まり〜。ノエル・レディングのベースラインがひたすら曲を引っ張っていってジミはワウペダルのみ…、でもさ、これくらいの音の高さでワウペダルだけで持ってくって歴史上、この曲くらいじゃないか?それくらい珍しいトーンが全編に散りばめられてて、あ〜、なんか凄いサイケ(笑)。やっぱドラッグっつうかLSDの雰囲気たっぷりだわ、これ。この人もクリームとかと一緒でスタジオ盤とライブのギャップが激しい人だよね。ジミの場合はもっともっとスタジオ盤を聴き込まないとダメなんだなぁといつも感じる。

 「Spanish Castle Magic」みたいなストレートなロックはそのまま聴けるからいいんだけどさ。でね、この人の凄いなぁ〜って感じるのは忘れてるんだけど、この人アメリカの黒人なんだよな。だから、その手のサウンドやらせるとやっぱ凄くて、でもバックが英国人だから微妙な混ざり具合になってるのが特徴なんだが、それが顕著に出てくるのが「Wait Until Tomorrow」。曲中に鳴っている滅茶苦茶柔らかい手首から奏でられるファンキーなカッティングを交えたギターリフが耳を捉えて離さない。だからまだまだ抜けられないんだよなぁ、だって他の音とか曲としての聴き込みをする前にギターが耳に入ってくるのでそこまでなかなか行かないんだよ、コレ大変なの。このままドゥービー・ブラザーズに入れるくらいのものよ。でも、そんなに単純なものでもないのがいいね。でもってなぜライブでは登場する機会がなかったのか、はたまた自分がライブバージョンを知らないだけなのか、滅茶苦茶ロックなかっちょいい「Ain't No Telling」はいいね。ミッチのドラムとジミのギターがいかにも、って感じで疾走感もあるし好きだなぁ。コレはドラムが全てかもしれん。そしてお待ちかね…、超名曲「Little Wing」はどうしてもっと長く弾いてくれないんだ〜って叫びたくなる一曲でさ、最後のソロをもっともっと聴きたいんだよな。ライブでもそんなに長く弾かないし、すごく欲求不満の溜まる名曲(笑)。夢の続きはS.R.ヴォーンが見せてくれたのでまだ救われてるけどさ、冒頭のイントロから衝撃的で、アコースティックでもないのにこんなフレージングで美しいメロディを歌ってくれて、そして感動的なまでのギターソロ…これを大音量で聴いて、もしくは演奏して恍惚としないヤツはいるんだろうか?う〜ん、美しい…そしていやらしい…、ロックだなぁ…。

 で、B面。「If 6 Was 9」…意味あるんかな、このタイトル(笑)。これは…、なんだろなぁ、きっとジミは宇宙に行きたかったんだろうなぁとしか思えない一曲かな。ミッチもノエルもジミもワザ全開でこういうのをスタジオ盤に入れてしまうとこうなるんだ、みたいな…、やっぱライブなら良いけどスタジオ盤として入れるとちょっと浮くんだな。納得。次の「You Got Me Floatin'」はちょっと退屈なサウンドかな。もちろんギターのリズムとか聴き所がいっぱいあるんだけど、好みではないかな…、ま、強引なミックスにもちょっと驚くけどこういうのの過度期だったんだろう、うん。そしてある意味では「Little Wing」と同じ曲の作り方になっている部分もある「Castles Made Of Sand」はジミながらも秀逸な曲で、逆回転のコラージュはいらないと思うけど、曲自体は凄くしっかりしてるよね。もちっとシンプルにやってギターソロも普通にやってれば良かったのになぁ。ま、ジミのセンスの方が優れてるんだからこれで正しいんだよ。ん?で、確か次の「She's So Fine」はノエルの曲だよな?結構良いセンスしてて好きだな、こういうの。もちっと歌が軽いと更に○。う〜ん、終盤だ…。ジミの歌がクローズアップされた「One Rainy Wish」もしっとりした良い曲で、こんなのいきなり聴かされたらジミとはわからないような曲でさ、でも途中からえらくヘヴィーに展開されるトコが面白い♪あ〜もっと普通にエモーショナルなギターを弾いてくれ〜〜って思う面もあるんだが。で、再度ワウペダルが強烈にリズムを刻む「Little Miss Lover」、これもライブでは聴かなかったけどあってもいい曲じゃない?ちょっと単調すぎたのかな。そして最後にはアルバムタイトル曲が自信ありげに収録。やっぱ時代の象徴だったんだろうなぁ、こういう曲調って。しっかし、ようやく気持ち良くギターを弾いていてくれて嬉しい、これ♪心地良いもん。やっぱこういうんじゃないとこの時代はダメよ。人に構わず自分だけの世界に入るっていうヤツ(笑)。

 改めて聴いてみるとクリームの「カラフル・クリーム」とえらく共通する要素が含まれてて驚いた。立て続けに聴いたからかな。どっちもトリオで各楽器担当のミュージシャンもどちらも凄いプレイヤーで…、ああ、そうだったんだ。今更ながら思うけど、同じ形態のバンドで同じような志向てやってたんだ、このバンド。しかし、知らなかったんだが、このアルバムのアウトテイクス集ってのがオフィシャルでリリースされていたんだ…しかも二枚組とは知らなかった。聴いてないけど面白いのかな?ちょっと引かれるけど…、う〜む。です。

Jimi Hendrix - Electric Lady Land

エレクトリック・レディランド  天才ジミ・ヘンドリックス、1968年リリースの世紀の傑作「エレクトリック・レディランド」。当時レコードでは二枚組でリリースされたもので、イギリス盤や日本盤では19人の女の裸を描いた強烈なインパクトを放ったアルバムジャケットで、既に敷居が高かった作品なのだが(笑)、音を聴いてもかなり敷居が高かった記憶があるアルバム。ファーストやセカンドを聴いていて、また幾つかのライブ映像を見ていた後に入手して聴いたものだから、余計にそのジミヘンの音楽性という崇高な思想とライブなどでのワイルド感とのギャップが埋まらずにいつまでもこの「エレクトリック・レディランド」というアルバムを攻略できないでいたのだ。

 いくつもの作品を聴いて、またジミヘンの思想も理解しながら何度となく「エレクトリック・レディランド」に挑戦していたし、そりゃ常人よりはよく聴いているだろうし、曲もフレーズも知っている…が、どうにもこぞってCDを手にとって何度も聴くというアルバムにはならなかったのだな。これは今でもなんだけど、やっぱり初期かライブ盤に走っちゃう。アーティスティックな作品として位置付けて捉えればそりゃもう素晴らしい傑作だよ、と思うんだが、どうにもそういう聴き方にならないのが問題なんだな(笑)。で、再度そういう視点で聴き直す…。やっぱ凄い(笑)。。で、16分にも及ぶスペイシーなブルース「Voodoo Chile」で好みは分かれるだろうなぁ…、ちょっとスタジオ盤にしては冗長感があるよね。その後の「Little Miss Strange」は…、まぁ、ノエル・レディングでしょ、これ?まぁ、いいんじゃない(笑)。一聴すると偉くかっこよく聞こえるリフから始まる「Long Hot Summer Night」はワイルド感に欠けた歌モノみないになってしまってイマイチで、どこかポップス的になってるのもね、うん。

「Come On」は昔ながらのジミ節でいいんだけどバンドが元気ないんだよなぁ…、多分ミックスの問題もあるんだろうけどさ。「Gypsy Eyes」、こいつは新たなるジミヘンの世界を打ち出した傑作だ〜と思う。この後のジプシーズにも持ち込まれるファンク性を打ち出しているし、勢いもある。ただ曲はちょっと単純ってのが発展途上かな。そして「真夜中のランプ」、これはもう素晴らしい作品で、やっぱり天才ジミヘン〜って感じるし、こういう叙情性と斬新さがジミに求めることなのかな、と。エフェクトも含めてこのアルバム最高作の一、二を争う出来映えでは?

 「Rainy Day, Dream Away」も新たな境地を開いた作品で、ジャジーなサウンドの中に繊細なストラトサウンドでソロをぶち込み、心地良いシャッフルビートに仕上げた実験的でかなり成功している曲。ジミのギターとオルガン、サックスとの対比が面白い。ジミがマイルスあたりとセッションするなんていうのも実現していたら面白かっただろうなぁと思えるね。以降「1983」からはプログレッシブな展開を見せるがスタジオ職人ジミヘンという一面を見せられるものでスペイシーさというキーワードは相変わらずだが、叙情性が伴ってきているのが新境地か。この流れは「Moon...」「Still Raining...」まで続けられて「House Burning Down」のイントロまで引っ張られている。「House Burning Down」自体は「Gypsy Eyes」と共にファンキーさを打ち出してきた作品で、特別に面白いものでもないけど、ジミヘンらしい作風だなぁという感じで、好きだね。そしてジミが奏でるディランの作品「All Along Watch Tower」。まぁ、曲が良くできているのでジミ風解釈がどうなのかってとこだろうけど、やっぱ良いよなぁ…。多分ギターの音色の切なさというかフレーズの切なさが曲をよく表しているからだと思う。んでもって、オーラスにはもう有名な「Voodoo Chile (Slight Return」」で、言うことなし。ワウワウペダルをココまで強調された曲はこれ以外に知らないもん。もちろんギタープレイについては言うことなしの教科書的作品で、ジミヘンらしいライブ感覚の生き生きとした感性が詰め込まれていて言うことなし。

 ん〜、ってことはやっぱ1/3くらいは好みで1/3は実験音楽的要素が強いので好き嫌いではなく試みをどう聴くか、ってとこで、残りは覇気に欠けるとか単調とか言う理由であまり好みではないらしい。そうか、だからあまり聴こうという意欲がなかったんだ。二枚組クラスになるとどうしてもそういう偏りが出てきてしまって難しいところだよね。

 が、まぁ、ジミヘンの「エレクトリック・レディランド」という歴史的傑作について自分の感想や意見を述べたってタカが知れてるっつうのも事実なので勝手に書いてるけどさ、うん、そういう評論があってもいいじゃん。事実なんだもん(笑)。いや、ジミヘンは好きだしね、やっぱ凄い。が、どうしても攻略しきれなかった「Electric Lady Land」は今のところそんな感じかなぁ…。

Jimi Hendrix - Band Of Gypsys

バンド・オブ・ジプシーズ オーティスとのカップリングライブ盤のおかげで一方のジミヘンもソウルファンから注目の一人として挙げられることになって、こういったカップリングは双方共にメリットをもたらすものだったようだ。アーティストとしては非常に短命だったジミヘン、実際の活動歴は表面上はせいぜい4年程度で、それですら伝説になっているワケで、やっぱり凄い人です。そんな中でもエクスペリエンスというバンドでの活動が大半を占めていることは周知の事実なんだけど、ウッドストックの時はベースにビリー・コックス、ドラムにミッチ・ミッチェルという布陣に何人かのメンバーを加えたバンドに進化、その後のバンド・オブ・ジプシーズはドラムにバディ・マイルスを配してトリオ編成で非常に濃い〜ソウル的なライブを繰り広げていた…とは言っても実際このバンドでの活動歴は約一ヶ月程度という歴史的に非常に短命でかつ最も有名なバンドなのではないだろうか?その後はミッチ・ミッチェルをドラムに戻し、またしてもトリオ編成で数々のライブを行っていたものだ。

 そんな世界的に有名な短命バンドのもっとも有名なアルバム「バンド・オブ・ジプシーズ」。ほとんどレーベルとの契約消化のためだけにリリースされたものとして有名、いや、その前にそのためだけに組んだバンドじゃないかってくらいのもので、そのためだけにライブを決めて演奏したんじゃないか、ってなもんだ。1969年の12月31日に2回、1970年1月1日に2回のライブを行って全部レコーディングしておいてライブアルバムリリース、みたいなノリだったようだ。まぁ、一日二回のライブが二日分だから全部で4公演分のマテリアルを一気に録り溜めって感じだね。昔凄いブルースギターを弾くバンドのギタリストと知り合って、ジミヘン大好きだったんだけど、話してたらジミヘンはやっぱジプシーズ時代が一番凄いし面白いと言ってた。

 その時はこの6曲入りのダラダラした感もあるライブアルバムのどこが凄いのかピンと来なかったし、それなら初期の方がかっこいいけどなぁと思ってたが、時間と共に何となくこの頃のジミがやりたがっていた音楽ってのがわかってきた気がしてきて、なるほど、そういうことか、ってのもあった。その時はこの6曲入りのダラダラした感もあるライブアルバムのどこが凄いのかピンと来なかったし、それなら初期の方がかっこいいけどなぁと思ってたが、時間と共に何となくこの頃のジミがやりたがっていた音楽ってのがわかってきた気がしてきて、なるほど、そういうことか、ってのもあった。まぁ、でもやっぱ好みからしたら初期だな(笑)。

 「Who Knows」ではバディとジミが歌の掛け合いなんてのもあって、今までの一辺倒なジミの歌に味わいが増えて面白いかも。「Machine Gun」が時代を反映してたのかな、ベトナム戦争を思い起こすタイトルで、正にジミ全開のアドリブプレイ炸裂の宇宙感が心地良いかなぁ…、ただ、どこか物足りないのはドラムの手数…、いや、これはバディだからしょうがないけど、やっぱバンド全員で白熱するのが好みだからだろうな。これはこれで良い…、でもさぁ、ちょっと単調な気もするなぁ。「Changes」はこれまでのジミヘンらしきサウンドではあるけど歌がバディなので歌が入ると突然なんだかおかしな気分になる(笑)。単なるソウルっぽいバンドでジミがギター弾いてるって感じなんだもん。「Power To Love」はかなりの意欲作で、最初からヘンな拍子使って「ん?」ってなとこあるし、インタープレイは以前からと同様にノビノビと強いているので面白いんだけど、ちょっとビートが不思議…、ま、こういうジミもあるんだなぁと思う曲だね。演奏自体はそんなに良いとも思えないけど、曲は面白いかもしれん。「Message To Love」はちょっとジミらしさが少ない曲、すなわち新しい分野に挑戦している曲なワケだけど、う〜ん、単調だよなぁ。ギタープレイは凄いんだけどさ、曲が…。うん、まぁ、そういうのもあるさ。最後の「We Gotta Live Together」も同じくちょっとジミらしさが物足りなくって、バディ中心の歌だからだろうけどさ。ギターは凄いんで、救われてるけどやっぱジミらしい曲調ではないわな。

 そんなことで何度か聴き親しんでいたこのアルバムだったけど、1999年にはこの時の残りのソースから構成された「ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト」っていう二枚組ライブアルバムが登場。何と見事なことにどの曲も「バンド・オブ・ジプシーズ」とは被らないテイクが使われているので、合わせて楽しめるってもんだ。しかし、所詮は一過性のバンドのセッションに過ぎないのかなと思ってしまう。アレンジ不足ってトコだろうかねぇ。

Jimi Hendrix - First Rays Of The New Rising Sun

ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン 60年代末期を光のように駆け抜けて行ったスーパーヒーロー、ジミ・ヘンドリックス。久々に聴きたいなと思ってラックをあれこれ探していると訳の分からないタイトルの多いこと多いこと。はて、何だっけ?と思っていると古くからあるロイヤルアルバートホールのライブアルバムだったりして、果たして今はこの音源は聴けるのだろうかとアマゾンをチェックすると…、何てコトだ、全然知らないアルバム、っつうかライブ盤が山のように出ていて、自分の知っていた時代のアルバムジャケなんて全然見かけなくて、ほとんどが新しくリリースされているものばかりじゃないか。いや、音的にはかなりリリースされているんで良いのだが、というか以前よりも絶対的に整理されてまとめてリリースされているからわかりやすいし、ライブ一本丸ごと、リハーサル付きで聴けますみたいなので素晴らしいのだが、ここまで時代によって市場で手に入るCDが変わる人もそうそういないだろう。昔はさ、「Hendrix in the West」とか「Crash Landing」とか怪しげなのがあって、中でも「The Last Experience」で〜、とかそういうんだったからさ。それも今は完全版が出てるのか…。

 んなことを思いながら結構好きだったなぁ〜って思い出したので「The Cry of Love」を聴く。これもアマゾン探してみると、ないんだ…。そうか、今は「ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン」というアルバム…ジミがリリースしたがっていたアルバムの曲順にして整理して出されたんだったっけ。ここまでは持ってるな(笑)。でもね、やっぱ「The Cry of Love」の方が印象深くて、馴染んでいるんだよね。最初の「Freedom」からファンキーで切れ味の良いギターが鳴っていて、ソウルフルにアメリカ人に戻っていったジミヘンの取り組み…。

 そして哀しげな「Drifting」は新たな境地を切り開いたバラードっつう雰囲気で、ギタリストジミヘンからシンガーになっている側面の強いアルバムなのかもしれないな。んでも「Ezy Rider」が始まると唸るようなファズギターとワウペダルが炸裂してきたので、いやいやそんなことないかと反省(笑)。しかし、ヘヴィーだ…。そしてソウルフルなんだよな、この辺。

 ジミヘン好きに云わせるとやっぱり中後期にハマっていくんだってさ。だからこの辺の作品は奥が深いらしいんだけど、やっぱりあんまりよくは聞いてなかったのかな。今改めて聴き直しているけど、その気持ちがよくわかってきた。コレ、面白いかも(笑)。独特のグルーブ感を打ち出していて、そこにスペイシーなギターを被せているっていうとこか。その分アルバム的には些か単調になってしまっている感じがする気もするけどしっかりと聞いているからいいのか、これでも。う〜ん、しっとりと聞かせる曲も多いなぁ、このアルバム、やっぱり。「Angel」なんてのはやっぱり素晴らしいもんな。ロッドも歌ってたけど、これはいいねぇ…。そして「In From The Storm」っつうグルーブ感たっぷりのロックナンバーが好きでさ、往年のジミヘンっていうワイルドさがあるからだと思うけど、期待を裏切らない曲だったのでこのアルバムの中では光ってる。

 やっぱ基本的にブルースの音色とフレーズだから自然体で音を出すとそういうのが多くなるんだろうと思う、この人は。それでも黒人の血が騒いでソウルなものに挑戦し始めて、しかもそれが独特のグルーブ感だから面白くなってきて、歌もいいメロディのが出来てきてっていう…。正に上り調子の頃だったんだなぁ。編集された「ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン」でも良いけど、時代的なものなのかなぁ「The Cry of Love」、やっぱ良いアルバムだ。

Jimi Hendrix - Valleys of Neptune

 ヴァリーズ・オブ・ネプチューンそしてギタリストアルバムリリースの真骨頂でもあったのが最先端の音とは正反対の40年以上前の音を引っ張り出して、よりオリジナルに忠実な形にしてリリースしてきたジミヘンの未発表曲集。これまでもジミヘンの未発表曲集なんてのは山のようにリリースされていて、そのどれもが酷評を浴びながらもしっかりそれなりにセールスを記録したのだと思うが、ここ20年の間にそれは親族による愛情のかけられたリリース形態へと変化していくことで、ファンも納得のリリースが続けられているのは非常に嬉しいことだ。ジミヘンのエクスペリエンスについては最早全員が鬼籍に入っていることで既にクラシック的な扱いとして祭られているのでこうした丁寧な対応が相応しいのだ。

 「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」と題された1968年から69年頃にかけての未発表曲中心のアルバム。殊更初めて聴いた楽曲というものでもないのは多分それなりに自分があれこれとジミヘンを聴いてきたからであって、オリジナルアルバムに加えて「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」を聴いてみるとそれはそれはもう新鮮な新曲集に相応しいくらいに現代のリスナーでも十分に迫力を感じられるほどの音の綺麗さと迫力に驚く。自分的にはさ、ジミヘンって久々なんですよね、聴くの。結構ず〜っと聴いていたから最近は何度も取り出して聴くなんてことなくなってたし、そもそも枚数少ないからさ。それでこの「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」で久々にジミヘンか〜と思って聴いたんだよね。そしたらやっぱりとんでもないんです(笑)。

 冒頭の「Stone Free」からして何これ?みたいなテイクだしさ。ファースト「Are You Experienced」のアレじゃないんだよ。リズムとかフレーズとか。もっとソリッドっつうか、やっぱりかっちょ良いのは全然変わらないんだけどへぇ〜ってなくらい新鮮。だから以降の曲も凄く期待して聴いてしまうワケよ。そうするとさ、「Bleeding Heart」の超ブルースに痺れ捲くってしまったり、これぞジミヘン…と恍惚と聴いてしまったりして、細かい楽曲の解説はライナーでも良いし、今ならレココレでも読めるし、ネットだってあちこちあるから探せばわかるんだが、この音世界はやっぱり常人を超えてる。タイトル曲の「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」は名盤「Electric Ladyland」の後のアルバム制作時の楽曲らしいが、やっぱりその頃のジミヘンの志向はソウルフルな方向に向いていたのがわかる未発表曲で勢いだけではない深みがある。それとさ、昔からよく聴いていた「Hear My Train A Comin'」もこうしてスタジオレコーディングバージョンを聴くのは結構久しくなかった…いつもアコギ版が多かったからね。そんで聴いてると…やっぱブルースベースが強くて魂の叫びってこういうのだよな、と。今でもこんなジミヘンが祭り上げられるってのはさ、やっぱ今の時代にこういうのが不足しているんだよ。全然レベルが違うしやってることも思想もまったく凄い領域。何で今はこういうの出てこないンだろ?ジミヘンだからもうダレも真似できない、してもジミヘンになっちゃうから?

 「Sunshine of Your Love」まで入ってるのか…しかもスタジオテイクって…へぇ〜、ライブそのままだな(笑)。1969年の名演奏のひとつでもあるロンドンのロイヤルアルバートホールでのリハーサルの時の音によるレコーディングも全然リハってのではなくって凄い演奏してるからきっと普通レベルでコレだったんだなと。聴き慣れている曲が多いハズなんだけどアレンジが全然違ったり、生々しい音で迫ってきたりして一気に聴いてしまって、しかも何度でも聴いてしまうくらいにパワーを持ったさすがの一枚。ついでにリリースされて他のアルバム群にはDVDが付いているらしいけど、そんなに魅力的でもなさそうなので放置しておいて、「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」ばかりをひたすら聴いている。ついでの昔のってどんなんだっけ?と思って「South Saturn Delta」を引っ張り出して立て続けに聴いて納得してる自分(笑)。

 いやぁ〜、やっぱり凄いわジミヘン。こんなブルースギター.宇宙からのギターが弾けるヤツっていないよ。誰が聴いても恍惚としてしまうんじゃないだろうか?今の時代こそこういう人が必要ですよ、ホントに。堪らない音世界をくれたジミヘンに感謝、そして新リリースの「ヴァリーズ・オブ・ネプチューン」も見事な編集で普通の音の何十倍も楽しめます。やっぱりロックは良い!

Jimi Hendrix - West Coast Seattle Boy

West Coast Seattle Boy: The Jimi Hendrix Anthology 元祖R&Rジプシーと言えば、ジミヘン。ジミヘンってのは何を今更言う事書くことあるんだ?ってくらいに語り尽くされてるして解明されているし愛されている。その証拠に居間でも記念盤が続々とその名が出てこないことがないくらいに普通に雑誌にも登場するし新譜の欄にも名が躍る。死んでからもう40年経つのに、だ。一体どんだけジミヘンの名で稼いだ人がいることか、またそのおかげもあってか伝説が伝説を呼び、元来とは別の次元へと昇華されて解釈されている気がするし、既に生きていた時間よりも長く伝説になってるわけで…。

 それでも伝説になるだけの人なんだからしょうがない。R&Rジプシーな人だけれど、もちろんオリジナリティ溢れる人でして、そのバイオグラフィーが丁度良い感じでまとめてリリースされた。4CD+1DVDによる「West Coast Seattle Boy」。輸入盤と国内盤の圧倒的価格差はもちろん輸入盤+国内盤DVDで埋めるとして、謳い文句的には未発表曲集、ってことだ。どんだけ未発表バージョンとかなのかはもうよくわかんないので感覚的に聴いたことあるとか聴いたことないバージョンだ、とかそういう感じでしか聴いていない。まともにどれがどのレコードやCDに入ってて…なんてやってたらワケ分からなくなるのは目に見えてるし(笑)。誰かが近々どこかのサイトに纏め上げてくれるのを見て納得しようじゃないか。デビュー前のセッション期をまとめたCD1、これは結構聴く機会が少なかったので改めてジミヘンのギターセンスをまじまじと聴いてしまって楽しかった。曲よりももちろんギターのセンスね。当時もインパクトあったんだと思うけど、どう聴いてもジミヘンだもん。さすがに個性的なギターなのでほっほ〜ん、ってね。

 2、3枚目は現役時代のスタジオアウトテイクバージョンのようでよく知られた曲の別テイクがバシバシ出てくるのが嬉しい。パッと聴いてもそれほどかわらないんじゃない?ってのから明らかに初期のテイクだろ、とかソロが違うわ〜とかドラムパターンも違うね、なんてのがはっきり分かる。しかも音がクリアーだからそれぞれのパートがくっきり聴こえてくるので余計に粗が聴こえてくるってなもんだ。

 4枚目のディスクはジプシーズの1970年ライブ中心のライブテイク…ってことらしいけど、それはもうアチコチで全公演分存在してるから知られていた音源なんだろうとは思うけど、それでもこの音のクリアーさは見事。ライブ丸ごとをリリースしてくれる方が好みだけどね。まあ、こういう出し方もありかな。ジミヘン本来のライブの醍醐味を無視した形になってしまうけど、それはそれで未発表集ってのに重点を置くとしょうがない。ただ、音がきれいなのは嬉しいんだけどさすがに録音がチープな感じが出てしまっているのがやや残念。もうちょっと現代的な迫力を加えて欲しかったかなぁという気もするが、この期に及んでのジミヘン未発表集の拡充盤のリリースってのも凄いわ。ソニーが版権持ってやったみたいなので何か狙ってるんだろうな。50年しか持たない著作権とか?

Jimi Hendrix - :Blues

ブルーズ 1942年シアトルで生まれたロック界の超人と呼ばれた男、ジミ・ヘンドリックスだが、世代的なものや彼の生い立ちからすると当然ながら本場アメリカでのブルースの洗礼を、というよりも好んで往年のブルースメンとのセッションを望んで家を出ていった若者の一人だったことはあまり知られていない。マディ・ウォーターズとのセッションに応募し、そこでの採用を断られ、ハウリン・ウルフとのジョイントではウルフから罵倒され、ことごとく自分が愛してやまないブルースの先輩達とのジョイントを打ち砕かれたジミヘン、20歳前後の頃からの苦労である。

 ジミヘンがシーンに出てきたのは1966-67年頃だから24-25歳頃なので、下積みが7-8年はあったようで、その頃に実に多くのブルースメンと出会っているようだ。アルバート・キングB.B.キングアルバ−ト・コリンズバディ・ガイや後に一緒にプレイすることになるビリー・コックスなんかもこの頃に出会っている。当時の音楽シーンを考えてみればわかるように、この頃の黒人ギタリストが顔を出せるトコロと云えば恐らくブルースかソウル、R&B関連のトコロしかなく、ジミの場合はブルースだったはずで、当然そのような先輩達のいるところでギターを弾いて素直にそこで羽ばたいていくという考えになるはずだ。誰も黒人ロッカーとして名を売っていこうなどと思わないわけで、純粋なブルースプレイヤー、もしくはディランにも影響を受けたプレーヤー程度だろう。だからジミが後に多種多様のブルースソングのカバーや改作バージョンをプレイすることや、彼のギターが素晴らしいブルースを奏でることについては至極当然の成り行きであり、決して突然変異のロッカーではないワケだ。もちろん英国に渡りジャズドラマーとロック・ベーシストと一緒にバンドを組み、ブルースとディランと英国ロックを融合させたサウンドを生み出したことは彼の功績だが、根本はブルースメンなのだ。

…とまあ、そんなワケでこの単なるブルースメンとしてのジミヘンを垣間見る側面として相応しいアルバムが「Blues」だろう。1994年にリリースされているわけで、もちろんジミヘンは知らない編集盤だが、ことある毎にスタジオでもライブでもブルースセッションを好んで録音していたジミのプレイをかき集めた作品、そう、単なる編集盤ではなく作品として仕上げられているところは好感を覚えるね。カバーソングだけでなくジミの作ったブルースも一緒に収められており、それがまた完璧にジミヘン流サウンドとして出来上がっているので全く遜色ないところも彼が著名ブルースメンと肩を並べて語られてもおかしくないだろうと云うところだ。ここでは先に挙げたアルバート・キングの「悪い星の下に」やマディで有名な「Catfish Blues」「Manish Boy」、エルモア・ジェイムズの「Bleeding Heart」なんてのがオリジナルを超えてプレイされているんだけど、やっぱ凄いアグレッシヴなギタープレイだなぁとつくづく感心。これじゃ魂吸い取られて死んでもおかしくない〜ってくらい飛翔しちゃってる。個人的にはやっぱ「Red House」が凄く好きでねぇ…、イントロから痺れちゃうんだよな、まったく。もちろんオープニングを飾る「Here My Train A Comin'」のアコギバージョンなんてのは初めて聴いた時から衝撃的で、こういうのって聴いたことなかったからさ、今でもいないんだろうけど…、やっぱ偉大なるブルースメンなんだな…と。

Jimi Hendrix - BBC Sessions

BBCライヴ 「BBC Sessions」と題されるアルバムはメジャーなアーティストにとってはほぼリリースされている美味しい音源集の一つで、こいつがリリースされるってのはある意味メジャーなんだっていう言い方もあるかな。まぁ、それだけでもなくってなかなか表に出てこないバンドのライブ盤ってことでリリースされることもあるので、何とも言えないところではあるか。パトゥーとかソフトマシーンのBBCライブアルバムとか出てるもんな。決してメジャーなバンドとは思えないし(笑)。

 で、Zepの余波を受けてヘヴィで迫力あるサウンドが聴きたかったので久々にジミヘン♪スタジオアルバムでは少々物足りないのでこの「BBC Sessions」ってのは丁度スタジオ盤とライブ盤の中間に位置するのでなかなかよろしい。収録されている時期がほとんどが1967年ってことで、この頃のBBC音源では基本的にナマで演奏した後オーバーダビング等を施させてくれるので、結構ナマライブだけじゃないことが多くて、アーティスト側からしてみてもスタジオ盤では実現できなかった、いわゆるライブ感を出しながらちょっといじるっていうのができて、結構みんな重宝してたみたい。ジミヘンももちろんそういうとこはオタクな人なのでちょこちょこと被せたりしてるみたい。んなやり方だから、結構ライブでも丁寧に弾いているし、何となく物足りない部分も補完されているから聴きやすいし、しっかり熱気も持ってて良い♪

 それにしても最初の「Foxy Lady」からして思うんだけど、やっぱ宇宙人。時代を考えなくて今コイツがラジオで流れてきても多分ぶっ飛ぶ。オリジナリティとはこいつのためにあるんじゃないか?って思うくらい独特でさ。無節操に演奏しているジミヘンなのでこのアルバムには多数カバーソングなんてのも入ってるんだけど、どれもこれもがジミヘン的解釈でさ、特に「Killing Floor」はノリといいフレーズといい、最高にかっちょよい。ルバムでは聴き慣れない曲も数多く収録していて、そのどれもがどこか聞き覚えのあるものばかりってのはやっぱりジミヘンらしさってのが出てるからかな。しかし改めて通して聴いているとやっぱこの人ブルースマンだ。どれ聴いてもブルースだもんなぁ…。でもバリバリのロック。う〜ん、またブルースロックにハマりたくなってきたぞ(笑)。

 しかしジミヘンのBBC音源ってあちこち多数出ていて、何枚も手に入れたけどやっぱこいつはかなりの決定盤だよ。中途半端な収録じゃないので年代順に入ってるってのもやっぱ聴きやすいし…。しかしよく出演してたんだな。

 アルバムでは聴き慣れない曲も数多く収録していて、そのどれもがどこか聞き覚えのあるものばかりってのはやっぱりジミヘンらしさってのが出てるからかな。しかし改めて通して聴いているとやっぱこの人ブルースマンだ。どれ聴いてもブルースだもんなぁ…。でもバリバリのロック。う〜ん、またブルースロックにハマりたくなってきたぞ(笑)。

 しかしジミヘンのBBC音源ってあちこち多数出ていて、何枚も手に入れたけどやっぱこいつはかなりの決定盤だよ。中途半端な収録じゃないので年代順に入ってるってのもやっぱ聴きやすいし…。しかしよく出演してたんだな。

Jimi Hendrix - People Hell & Angels

People Hell & Angels  ジミヘンとの邂逅…、デビューして4年で世から消え去ってしまい、既に40年以上が経過しているが故に散々未発表曲集や発掘モノ、デモ音源やライブ、セッションなどなどありとあらゆるソースがレコードなりCDなりで発掘されてその時その時で編集されながらリリースされてきたから、ジミヘンのカタログをきちんと抑えるってことはもう既に不可能とも言えるくらいに膨大に溢れ返っている。自分も昔からジミヘンってやっぱ追っかけててね、編集盤なんて出る度に聴いてたんだけど、もう今の状況はワケ分からん。ジミヘンの遺族が版権握ってからのリリースを順に追っていくのが一番わかりやすい集め方になると思ってて、最近はそういう聞き方にしている。だから割と整理できてきてはいるけど…、やっぱ全然違うバージョンのものもあったりするから聴きたくなったり…ややこしい(笑)。

 2013年にリリースされた新作「People Hell & Angels」…新作っても良いんじゃないか?自分的には随分新作として聴けた部分多い。そんなにしょっちゅうジミヘンの過去リリースの発掘モノなどを聴いてなかったから新鮮だったもん。知らない曲ってのはそんなに多くなかったけど(忘れてた曲も含め)、音の深さとか生々しさなんかは圧倒的だしね。しかも集めてある曲がどれもこれもブルースなモンばっかりでえらくムードに流されて聴きやすくなってる。こんなに生々しいジミヘンのギターの音って初めてかも…ってくらいに生々しいのはなんでだろ?やっぱり処理技術と機器の向上かね?  ブルースな音ばかりを集めたCDなんで、とにかくジミの奏でるブルースってこういうもんだ、ってのが存分に出てるからさ、あぁ、こういう解釈で弾いてたんだな…とかやっぱり他のどのブルースギターとも異なる、ホントに独自解釈と独自世界のブルースで、フォロワーなんかも色々出て来て自分も聴いたけど、オリジナルはやはり圧倒的に孤高の存在だ。それに新しい音楽への取り組みという意味でも実験的な曲が結構聴けるのでジミの宇宙観が何か分かる。

 ジミとミッチ、ジミとバディ・マイルス、ノエル・レディングとビリー・コックス、これらの組み合わせとプラスアルファのメンツによって奏でられていた様々な音世界、ブルースとソウル、自分的音の好みではソウルってのはジミヘンに求めないけど、結構本気でやってるんで新作的に聞けてます(笑)。アレンジとか音とかさ、どうして過去のリリース発掘モノと異なるんだ?別のトラックがあって繋いだんかな?などと細部の違いや曲の長さの違いを不思議に思いながらも、まぁ、聞き比べる気にもならないんで素直に新作として聴いている「People Hell & Angels」、驚くほどかっこ良いアルバムです。

 しっかし自分で一番感激したのは「Easy Blues」ですね…、このブルースの音、繊細で美しいギターの音色の飛翔…、凄いわ…。もちろん他のも驚きの連続なんだけどさ。「Let Me Move You」とかファンクだよな〜とかナメて聴いてるとどんどん熱くなってって、燃えてくるし。そこでもしっかりとギター弾かれてるから正に融合技で独特の世界。恒例の「Hear My Train A Comin'」はしっかりとしたバンドバージョンで別曲?って感じだしね。  普段ジミヘンってのはどうしても初期の激しい楽曲群に注目が行きがちだし、ジプシーズの頃のサウンドもそれなりには注目されるんだけど、こうしたジャムセッションから派生したサウンドはやっぱりマニア向けに近くなってしまいがちなんで、是非色々な人に取り組んで貰いたいアルバムだな〜って思う。初期3枚に加えてジプシーズのライブ盤、そして「First Rays of the New Rising Sun」という作品の続きが本作「People Hell & Angels」として聴ける位置付けになるんじゃないかな。


Jimi Hendrix - Hendrix in the West

Hendrix in the West  ジミ・ヘンドリックス没後41年ともなってしまった2011年9月18日、今でも衰えない人気を誇っているし、恐ろしいことに新しいアルバムなどもリリースされまくっているという状況は3年しか活動していなかったミュージシャンとしては異常な事態だろう。それだけ精力的に仕事をしていたということかもしれないのだが、もう20年以上も自分も聴いているワケで、かなり頭の中に刷り込まれた音ってのがあるものだ。それは多分人それぞれに思い入れのある時代時代のアルバムによるんだろうなぁ、と。はて、様々な編集盤がリリースされ、ライブも色々なものがリリースされていた状況が続いていたところに遺族がきちんと法的にジミ・ヘンドリックスの音源を管理する権利を経て新たにリリースされているシリーズになってからはかなり整理されたCDに統一されてきているので助かる話だ。それ以前から聴いている人間としては実に整理しにくい状況だったからね。そんな中の一枚でもあった「Hendrix in the West」が今回リマスター拡張版として再発されたばかりだ。

 オリジナルの発表は1972年のことで、全8曲が収録されていて実は6つのライブショウから秀逸なテイクを集めた名盤として知られていた。70年のバークレーの1stショウ、2ndショウ、更にはリハーサル音源から、そして曰くつきの69年のロイヤル・アルバート・ホールでの名演2曲、これは69年のサンディエゴ公演としてクレジットされてリリースされていた。そのサンディエゴ公演からも「Red House」が入っていたのと、ワイト島フェスから1曲と見事な編集盤として仕上がっていたものだ。アナログ時代のレコードと言う媒体を古に活用した結果のチョイスが見事にジミ・ヘンドリックスのライブパフォーマンスをパッケージした代物なんだが、今回のCDリリースにあたり、11曲まで拡張された…と言ってもサンディエゴ公演の曲が増やされただけで拡張と呼べるほどのものでもない。まぁ、それならオリジナルなままで出された方が良かったかなとも思うが、更に評判なのは68年のロイヤル・アルバート・ホールでの2曲が権利関係の都合からか本当にサンディエゴ公演の音源に差し替えられているので、オリジナルなアルバムを聴きまくっていた人は「ん?」という感じになるだろう。今の時代ネットで情報収集くらいは簡単にできるので、この差し替え劇については知ってのことかもしれないが。まあ、それに加えて曲順がどういう意図なのか思い切り替えられているのも「?」なのだが…。「Hendrix in the West」はやはり「Johnny B Goode」から始まってほしいなぁ。ちなみに結構珍しい曲ばかりを集めたライブアルバムにもなっていたんだよね、「Hendrix in the West」ってさ。カバー曲ったってそんなにしょっちゅうやってた訳じゃないし、「Little Wing」だって数えるくらいしかライブ演奏されていないんじゃなかったっけかな。ここまで中途半端にリリースするならどのライブも完全版丸ごとでボックス10枚組とかで出せば良いのに。ほとんどの公演が陽の目を見ているんじゃないか、これ?

 …とまぁ編集盤としての在り方には不満が残るものの、ジミ・ヘンドリックスのライブという意味ではもう圧倒的に凄まじい音です。どの曲も選び抜かれただけあってとんでもない迫力と宇宙からの演奏を生々しく聴けるので一気にハマり込めます♪サンディエゴ公演がそもそもとんでもないライブだからさ、それが5曲入ってるんだからそりゃ凄いわさ。その隙間にバークレーのらいぶでしょ?ホントに今の時代ではこんな熱い演奏って誰も出来ないでしょ、ってくらいの熱気。何なんだろうね、このとんでもない空気感は。ジミ・ヘンドリックスのギターだけじゃなくてさ、バンドのマジックっつうのもあるんだよ、エクスペリエンスは。ブルースはホントにブルースしてるし、R&Rは完全なR&Rだし、それでいてジミ・ヘンドリックスだし。耳タコなくらい聴いた曲ばかりなのにこんなに熱くなるんだから困ったものだ。ストラトも凄い音してるし、いや音が良いから凄く細かい部分の生々しい音がわかってくるんだな。なるほど、リマスターだもんな、と今気づいた(笑)。ちょっと宇宙に行ってたもんで…。たまに聴くとやっぱり凄いってのを実感するジミ・ヘンドリックス♪そういう意味でこういうリリースは聴くのに良いきっかけだね。

Jimi Hendrix - Monterey Pop Festival

Live at Monterey モンタレーの英雄と言えばこの人、ジミ・ヘンドリックス。本ブログ何回目の登場だろうか?今回はタイトル通り「Jimi Plays Monterey」というアルバムに焦点を当ててみよう。

 ご存じ1967年6月18日のフェスティバルに登場したジミだが、出番のことでThe Whoのピートとモメたことは周知の事実、ピートによればジミの後なんてとてもじゃないが太刀打ちできないから先にやらせろという素晴らしく男気のある発言だったらしい(笑)。ジミの方も楽器を破壊しまくるThe Whoの後ってのも分が悪いってことだったようだ。で、結果的にはコインで勝負してThe Whoが先にやることになったのだが、The Whoとジミは同じポリドールに所属するアーティストということでよく対バンすることになる。で、ジミはThe Whoに負けないステージをやるってことで、相当気合いを入れていたようだが、ビデオ「Jimi Plays Monterey」を見ればわかるように本気も本気、相当気合いの入った演奏が見れる。冒頭ブライアン・ジョーンズによって導かれるジミが唐突に演奏し始めるのが「Killing Floor」で、そのイントロからしてもうバリバリのロック、これ以上はないくらいのロックが聴けるし、アメリカの聴衆は間違いなくこいつ一発で驚いたことだろう。単純なスリーコードにリフを被せたものだが、ここまで疾走感と迫力を見せつけられるバンドはそうそういない。ジミのギターもさることながら、ミッチ・ミッチェルの小技の多いドラミングがそれを手伝っていることも重要。「Foxy Lady」にしてもイントロのアクションから最高にかっこよくて、しかも曲の作りがシンプルでキメを作れるため凄くインパクトが強いしプレイそのものも素晴らしいものだ。

 ディランの名曲「Like A Rolling Stone」にしてもジミ的解釈の上で原曲に忠実にプレイしているが、やっぱり魂の入り方がディランのそれとは大きく異なる。演奏に参加したマイク・ブルームフィールドは目の前でコレを聴いてどう思ったことだろう?

 そしてカバー曲が続くが「Rock Me Baby」…もはやカバー曲とは思えないほどジミ流ロックに仕上がっていてお得意のスリーコードにブレイクを挟み、自由奔放にギターの音が空を駆けめぐるようなプレイを施し、且つリズム隊は手数の多いフレーズでしっかりと地を固めてプレイしているというアンサンブルの巧さが光る。ジミはと言えばほとんど「Rock Me Baby Rock Me All Night Long」以外の歌詞を歌わないで進めているってのもロックらしい。そして静かな曲として始められた「Hey Joe」だが、こんな曲でも沸々とジミの魂が伝わってくるし、映像では表情が完全に曲と一体化していてもう最高にかっこよい。うん。背中でギター弾いたりするアクションも観客の度肝を抜いたに違いない。「Can You See Me」は映像がなくって音だけになるんだけど、激しくプレイしまくっていることは明かできっとそのまま熱気ムンムンでやっているんだろうなぁという姿が目に浮かぶ。そして意外と知られていないんだけど優れた名曲として名高いハズの「The Wind Cries Mary」…凄く好きな曲なんだよね、これ。ギターの半音進行のフレージングが気持ち良くてさ。曲進行的には「Like A Rolling Stone」何となく似ているってのは疑いすぎ?ジミってこういう曲でのギターソロの最初の一音の使い方がすごくて、インパクト絶大なんだよ。曲中のオブリギターも優しくて、激しいだけではないジミのプレイがよくわかる愛に溢れた演奏。

 そして終盤、「Purple Haze」で更に盛り上げてステージを展開し、最後には挑発的なフィードバックから奏でられる「Wild Thing」が始まるが、このワイルドなノリはアメリカを侵攻するに相応しい決定曲で、腕全体でギターを愛撫する姿から歯でギターを弾くシーン、ストラトを振り回すアクション、左手を挙げたまま右手だけで素ローを弾いてしまうシーンとどれを取ってもジミの破壊的側面が顕著に表れた素晴らしいステージングとなった。マーシャルアンプとギターを間に入れて交錯するシーンから最後の最後にはThe Whoに負けてたまるかとばかりにストラトにジッポのオイルをかけて燃やしてしまうシーンは永久に語り継がれるべき場面で、その恍惚とした姿はジミを神と呼ぶに相応しい一幕だろう。その後派手にノイズの嵐の中でギターを破壊してステージを去る場面まで、開いた口がふさがらない状態で映像を見てしまう。ナマで見ていた人はどれだけ衝撃的だったことだろう…、映像に映る観客の一部は正に信じられないと言った表情で呆然としているが、素直にそれ以外の反応は示せないだろう。素晴らしい。これぞ、ロックだ。

 しかしこれだけの貴重な映像にもかかわらず今現在では廃盤状態で、CDは「Live at the Monterey Pop」として入手できるようだが、映像は未だにDVD化されていない。少なくともビデオ時代の映像のDVD化だけでもしてもらいたいものだ。→出ました!「ライヴ・アット・モンタレー [DVD]

Jimi Hendrix - Winterland

Winterland  没後43年、それでもまだまだ第一線でロック界に君臨し続けている天才ジミ・ヘンドリックス。本ブログでも何度も何度も登場しているのだが、活動遍歴4年しかないワケで、スタジオアルバムは限りある代物でしかなく、アウトテイクスやデモなども存分にリリースされまくり、他とのセッション活動もワケの分からないものまで含めて多々発掘されている。まぁ、存在しうるものはほぼ全てリリースされているんじゃないかという勢いで、中には作品と呼べないものまでリリースされている。権利問題などが全然管理されていなくて今でこそある程度親族が管理しているが、それでもどうしようもないものも多々残ってて、特にライブものなんかは酷い有様。今後そういうのも増えていくのだろうが、ジミヘンの場合はワケ分からん(笑)。ま、そんなのどうでも良くてスゲェな〜ってのを幾つか聞けたし、中でも今日はウィンターランドのライブを聴いてみた。

 今では「Winterland」という5枚組、ないしは4枚組のBOXセットが知られているが、コアなリスナーにはオフィシャルで全公演を収録した「3 Nights at Winterland」なんてのも出ていたようだ。昔は簡単には聴けなかったんだが、今じゃ見事なリマスター音源で地味のギタープレイを堪能できるのは良いね。このBOXセットは完全収録じゃないのが残念だけどエディ・クレイマーによるリマスターってことで作品の信頼性を上げている。確かに見事な音の作り込みで仕上げてあって迫力満点のジミヘンのライブを楽しめる音になってるね。

 自分の思い出話…、高校生くらいの頃からジミヘンは聴いてて、何かスゲェな…ってのはあってさ。もう幾つかの編集盤やライブ盤もリリースされてたからチョコチョコ聴いてたもんだ。その中で「Jimi Hendrix Concerts」ってのがあって、何か凄いワケよ。このライブの熱さの塊というかエネルギーの塊が強烈でかなり聴いてたもんだ。んでとある時に「Live At Winterland」ってのが出て、聴いたらどこかで聴いたような演奏もあって…、あぁ、このライブからの抜粋だったのかと。それで俄然1968年のウィンターランドのライブっていうものに興味が出たのが最初。他にも大好きなライブっていくつもあるんだけど、トップ3に入るくらい好きだね。そんなこともあって「Live At Winterland」を結構聴いてたら、その内ウィンターランドのライブってのは三日間やっててね、って話になるワケでさ、じゃあ三日間とも聞けたら良いな〜なんてのも願望としてはあったもんだ。まぁ、裏モノで手に入ったんでさっさと聴くのだがやっぱりそれぞれ面白いハイライトがあって良かったものだ。そして改めて思ったのはオフィシャルで採用されているライブバージョンは凄いから選ばれていたってことも理解して、よく出来てるなと。今の時代は全部を出すことで価値が上がるんだろうけど、昔は凄い演奏をセレクトしてまとめてもっと凄いライブ盤を作っていたものだってこと。どっちも魅力はあるが、自分はそうやってウィンターランドにハマってった。

 久々に聴いて…やっぱりこの人は凄い、ってのと一番白熱した時期のライブのひとつだよな、ウィンターランドってさ、と。

Jimi Hendrix - Miami Pop Festival

Miami Pop Festival  ジミヘンの神通力って凄い。このロックビジネスの中で50年も鮮度を失わず売り続けている、そしてまだまだ新作と称される作品が出され続けるのだから恐れ入る。もはやオリジナルメンバーは誰も生き残っていないので、商売したい、すべき人?が自由に商売ネタを考えて収益を上げているワケだが、これからそういうのは増えてくるだろうから、イチイチその謎を紐解く必要もなく、ただただ出てくる貴重なソースを楽しむというスタンスで良いのかなと思うし、クラシックってのはそういうもんだろう。そしてロックもどんどんクラシック化していくと思うが、少なくとも陳腐化させるのは勘弁してほしいよな、と思う。それなりに価値のあるコンテンツとして存続させていってもらいたいね。

 ジミヘンの新作ライブ「Miami Pop Festival」。もちろん新作ってもアレなんだが(笑)、でもね、これまでオフィシャルでは一度もきちんと出されたことのないライブアルバムで、エディ・クレイマーが今の時代にミックスして出してきたんだからそりゃ一応ソースは古いけど新作ですよ。もちろんジミヘンのエクスペリエンスのライブは何もいじられていないんだからオリジナルなライブ音源をそのまんま、生々しく聴けるんだから文句の出るハズもない。これがトリオか?ってくらいにうるさい音はさすがにエクスペリエンス。一番うるさいのはジミヘンのギターだけど、今回の「Miami Pop Festival」ではミッチ・ミッチェルのドラムがかなり分厚くミックスされてるので、これまでどうしてもちょいと軽めだけど手数が多いミッチ・ミッチェルという印象をちょいと重いイメージにしてくれている。それでももちろんこの人の手数の多さは半端じゃないなぁ〜とシミジミ実感してしまうんだけどね。ミッチとジミはホントに息があってるなと。

 「Miami Pop Festival」って1968年5月28日のライブで、名盤「Electric Ladyland」のレコーディング最中だったりするんだけど、その頃ってホントメンバーの…ってかノエル・レディングがワガママになっちゃっててメンバーの仲悪くなってたらしい。ミッチとジミはそうでもなかっただろうと思うんだけどノエルが大変だったみたいで、それでいてこの音か、と。クリームの仲の悪さもバンドのテンションを上げてたけど、こっちのも結構それに近いかもなぁ。ウッドストックやウィンターランドになるともうメンツ変わってるから多分この「Miami Pop Festival」辺りがノエル参加最後のライブに近いと思う。

 ライブ聴いてると、慣れた曲ばかりでのライブだからかアレンジとか結構いじりまくってて、こんな風に始まるワケ?とかもう曲として形を成していないんじゃないか?っつうくらいのセッションになってたり即興ジャム?みたいになってるのもあったり幾つもここでしか聴けないようなフレーズの塊が聴けるのが面白い。もうちょっとこの時期の音源を漁るのも良いかも。アングラモノで聴いてた時はこんなに長い時間分聴けなかったから今回のリリースで夜の部が全部聴けるっての、結構嬉しかった。あんまり記憶に残っていないライブだったけど、こうして聴くとかなりテンション高いライブで、良い感じ。ジミヘンのベストライブって自分の中では大体決まってたんだけどそん中に入るかな。うん、久々に熱気ムンムンで楽しみました♪

Jimi Hendrix - Royal Albert Hall 1969

ロイヤル・アルバート・ホール69  やっぱギターも凄くて熱くて更にアドリブも強烈でライブとスタジオで人格変わって一番凄いのはジミヘンになっちゃうね。ロリー・ギャラガー聴いてたらジミヘン聴きたくなってきちゃって…、しかもスタジオ盤では満足できないので当然ライブ盤♪

 それにしてもジミヘンのCDリリース状況はもう収集つかないくらいになっていて、これから興味を持つファンなんかははっきり言って何から手を付けて良いか分からない状況だろうと思うんだけど、どうなんだろ?簡単に言えばジミヘン活動期は4年間しかなくて、ジミが意識して作ったスタジオアルバムは「Are You Experienced?」「Axis:Bold As Love」「Electric Lady Land」の3枚だけです。これだけでもボーナストラック付きやら再発時に曲の入れ替えやらモノ・ステレオとかジャケ違いとか色々あるんだけど、まあ最近のリマスターもので手に入れておけばいいんじゃないかな。スタジオ盤、というかジミが作ったアルバムとしてはこれでOKでしょ。で、問題なのは以降、なんだけど、その辺は適当にネットで探して研究するしかないのでここでは詳しくやりません〜、大変詳しいサイトもあるので参考にしてみるといいっす。大変勉強になります、はい。

 そしてジミがもっとも輝いていたライブもた〜〜〜〜〜くさんリリースされているんだけど、個人的に好きなものをよく聴いてます。 1968年10月のウィンターランド1969年2月のロイヤルアルバートホール、1969年5月のサンディエゴ、この辺が好きですねぇ。ウィンターランドはゲスト陣多彩なようですが、そんなことよりもライブそのものが好きです。クリームの「Sunshine of Your Love」のインストカバーバージョンはクリームを軽くぶっ飛ばしたかっこよさを持ってるし、「Spanish Castle Magic」なんかもスタジオ盤なんぞ何処へやらと言わんばかりの大アドリブセッション大会となってて、良いですね。それと、ブルース好き野郎にはたまらない、スローバージョンで奏でられる「Red House」ってのはもう最高に格好良い。終盤はロックオンパレードで言うことなしの熱い演奏。

 それから4ヶ月後のロイヤルアルバートホール公演は二週に渡って行われているんだけど二週目の24日は映画としてフィルム撮りされているらしいけど、まだ正式にリリースされてないみたい。CDではリリースされているので、昔アナログの時代からよく聴いていたなぁ、思い入れが一番あるかもしれない。「Little Wing」でノックアウトですね。もちろん演奏もフィルム撮りされただけあって凄いライブを繰り広げてます。ジミが毎回バンダナを巻いてステージに上がっているのは写真などを見ると一目瞭然なんだけど、あの中にマリファナを仕込んでおいて汗と共にしたたり落ちてくるのを舌で舐めながら演奏していたと言われているんだけど、このライブ聴いてるとホントそんな感じ。ギターの音と共に舞い上がります、はい。

 サンディエゴ公演は昔「Stages」って言うライブボックスセットに入っていたんだけど、一番熱いライブだったんでよく聴いてます。一応ノエル・レディングが辞める直前のライブみたいなんだけど、あんまり関係ないなぁ。ライブでのステージングはホント絶頂期なんじゃない?何やっても着いてくるミッチ・ミッチェルのドラムってのもホント頭が下がるよね。このライブも「Little Wing」かなぁ。「Killing Floor」とか「なまずのブルース」とかも好きなんだけど、、、いや、全部かっこいいんだけど(笑)。

 あ、後もちろんモンタレーのライブね。これは音も映像も伝説も全て好き。ジミヘンって変な逸話がいっぱいあって、モンタレーのライブでもそうだったらしいけど、ライブ終わった後って凄くエクスタシー状態のままなので無性に女が欲しくなるらしくて楽屋にグルーピーが待ってるらしいんだよね。あのパワーっつうかエネルギー見てるとそれも納得できるし、バンドやってる人ならわかると思うけど確かにテンション高くなるから、そういう気分もわかるよね。うん。

 んなことで、ジミヘン…、まあこんな稀代な人はもう現れないでしょうけど、やっぱり魂のままにギターを彩っていた魂の叫びをヒシヒシと感じるのはやっぱいいねぇ、ロックだよ。

Jimi Hendrix - Stages: Live at San Diego 1969

Stages   オーティス、スライなんてのが来たからやっぱジミヘンかねぇ〜って思いつつも、ジミヘンって好きだからウチのブログにもかなり頻繁に登場してて何かまだ書けるのあったっかな?ってアレコレと眺めていると…大好きなボックスセットが書いてなかった事に気づいた。そっか、これで4回分くらいはジミヘン出来るじゃないかと小躍りしてしまったのは内緒だ(笑)。あぁこの書き方懐かしい。…ってことでジミヘンライブ集として1992年頃にリリースされた4枚組のCD「Stages」、その中でも一番好きな…ってかこのために価値ありってくらい突出したステージ、1969年のサンディエゴ公演がもう最高。中でも多分「Red house」は最高の一曲なんじゃないかな。ここから後半はもう超絶ジミヘンがひたすらにプレイされてて完全に聞いている側もあっちの世界にイケてしまうくらいで、聴く度に昇天してしまうので何度も聴かないようにしようと思ったくらいだ(笑)。

 初期バンドのメンバーのベーシスト、ノエル・レディングが辞めますって頃の最後の方のライブなのでバンド内の中はそれほど良くなかったと聞くけど演奏はもうなんのその、まるで問題なくピッタリとハマっている、どころかノエル・レディングが躍起になってなくてもう覚めた感じも入っているからか丁度バンドのアンサンブルが良い加減になっているようにも聴こえる。ジミヘンとミッチ・ミッチェルがいつものように熱いワケだからベースまで熱くならなくて良いってのがバランス良いのも面白いな。そしてジミヘンも声出てるしギターももちろん…珍しくシラフなのか?怒涛のプレイが炸裂するんでホント楽しめる…ってか聴いてて精根尽き果てる。

 ジミヘンのライブってどこまできちんと出されてて良い音で聴けるようになってるのかもう整理付いてないので訳分からんけど、昔はそんなに数多くなかったからどれもこれもひたすら聴いてたしアングラモノも大抵のものを聴いてたから大体分かったけどさ、今は分からない。3年くらいしか活動してないのに収拾付かないこの状態…どっかでまたきちんと追い直さないとダメかな。ってYouTube覗いたら1時間以上のがある…って聴いてたら何と驚くことに観客録音音源の完全版だった。ライン音源でしか聴いたことなかったからこれはこれで新鮮だ…とついつい貪って聴いてしまったのだが…その辺は常人とは価値観違うんだろうな(笑)。

Jimi Hendrix - Freedom: Atlanta Pop Festival

Freedom: Atlanta Pop Festival   ジミヘン没後45年??うわっ、そんなになるのか…、それでいて未だにジミヘンってのは普通にロック界の会話では出て来るし雑誌なんかでも出て来るってのはもうアレだね、ベートーベンとかそういう次元に位置している人なのかもしれないな。そんなジミヘンの1970年7月4日のアトランタ・ポップ・フェスティバルに出演した際のライブCD「Freedom: Atlanta Pop Festival」が2枚組できちんとリリースされた。きちんとっても最後の最後が無いので完全版じゃないけど、いいでしょ、これくらいで。昔「Stages」って4CDボックスがあって、それの4枚目にこのライブも入ってたんだけどちょいと曲が少なくて残念って思ったのと、ライブそのもののエナジーがどうにもイマイチ…って気がしてたのであまり聴かなかった。その前にビデオも出てて、それも暗い感じで覇気がなくて何かジミヘンってホントに波があると言うか、輝いてるライブを捉えているってのは結構少ないんかもなぁ、とか実際そういうライブも少なかったのかもなんて思ったものだ。こんだけ時間が経っていろいろと出て来るとアレはスゲェ、コレはダメだとかいろいろあるのがよくわかるが。昔はアングラの音の悪いのとかでも聴いてたからぞれに比べりゃ今は贅沢な時代、こんなに良い音でライブがたくさん聴けるんだもんね。

 んでこのライブ、久しぶりに聴いたけど音の分離とかくっきり具合は凄いなと思うがやっぱりジミヘンの数あるライブの中でピカ一クラスとは言えないレベルのショウな印象だ。実際は知らないけど、音だけ聴くとそんな印象で、どこか宇宙に行き切れていないというか音で駆け巡ってないというか…そういう演奏してるしそういう音も出してるんだけど、ちょいとマインドがそこに行ってないのかもなぁなんて思う。命削ってギターを弾いてた人だからそんなこと言ってちゃいけないけど、もっと心に染み入るギターを聴きたいな〜って勝手に思ってしまう。それにしてもミッチ・ミッチェルの驚異的なドラミングはいつ聴いたって衝撃的だ。それにビリー・コックスの後ろ乗りながらもフレーズを弾きまくるベース、そしてジミだからなぁ、良くないったって普通レベルなんてのは軽く超えてるんだからとんでもないライブなのはそりゃそうだ。

 アメリカの独立記念日でのライブってことでアメリカ国家だって特別なものにしたかったんだろうというのも感じるし、それぞれのソロプレイなんてのはもうやっぱりどうやってんだ?くらいに弾きまくって顔で弾いてるギターが思い浮かぶくらいなのでやっぱりノックアウトされちゃうんだよね。一体何なんだ?って。45年経ったって未だにジミヘンを超えたギタリストってのは出てないし、最初で最後の人なんだよ、やっぱ。そりゃベックなんかもそうだけどさ、やっぱりだからこそ数少ない楽曲とプレイながらもいつ聴いても陶酔できるギタープレイなワケだ。生きてたら70歳過ぎてたくらいか…、どんなブルースギタリストになってんだろうな…、バディ・ガイがあんなんにギター弾いてるのとは対照的だったかもしれないし、一緒にやってるくらいだったかもしれない。いつまで経ってもジミヘンはこのままの姿で皆の姿に焼き付いている、それもまた時空を超えた伝説になりアイコンになっている理由だろう。生々しい彼の音が聴けるってのはホントに幸せだ。このライブ、後半に行けば行くほどにライブが良くなっていく、そこでやっとノレてきてるのかもねっていう気がする。「Voodoo Chile」とかはもうさっきまでのイマイチ感なんて無くなってて、とんでもないギター弾いてるからぶっ飛びモノだ。

 このライブの2ヶ月後にはドラッグでサヨナラ、病気とかじゃないから死の目前だから調子が悪くてなんてのはナンセンスでさ、ドラッグの効きが遅かったからライブの終盤の方がノレてるんじゃね?なんて思ったりするのだが、一方でミッチ・ミッチェルがややお疲れ気味になってるのもあるのかな、ガチッとハマり切れてなかったとかそんなことかもね。なんせこの時期でもジミはデビューしてまだ3年なんだし(笑)。やっぱね、ギター…いいわ。気持ちいい。


Jimi Hendrix - Blue Wild Angel (Isle of Wight)

ブルー・ワイルド・エンジェル ̄ワイト島のジミ・ヘンドリックス  1970年9月18日ロンドンのホテルにてガールフレンドによりジミ・ヘンドリックスの遺体が発見された。享年27歳という若さでの逝去で多くのロックミュージシャンが影響を受け、また哀しみの弔電を打ったと言う。ロック界の寵児、いや天才ギタリストと呼ばれるジミヘンだが、今なお彼を超えるギタリストは存在しない。多分数百年に一度の素材以上の人物だったのかもしれないとマジに思うくらいにロックを知れば知るほどジミヘンの凄さを知るというもので、聴けば聴くほどにいくつも発見があり、映像を見れば見るほどに感心する紛れもなく天才。

 なんて書かなくても有名なジミヘンの命日ですな、本日は。もう38年前の出来事だけど今でもナマナマしくアチコチに登場するジミヘンは到底昔にいなくなったギタリストとは思えない程現代に生きている。それもまたなんとも恐ろしいことではあるけど、今でもCDやDVDが続々とリリースされているし、雑誌にはほぼ定期的に出てくるし、全く影響度の凄さはピカイチ。それだけに情報量も多いけどまだ解明しきれない事実も多い。どうやってギター弾いているんだ?みたいな映像もあるしね。

 さて、ウチのブログでは結構ジミヘンも登場しているので何にしようかなぁ〜と思ってたけど、たまたま逝去18日前となったワイト島フェスティバルの様子がオフィシャルDVD「ブルー・ワイルド・エンジェル ̄ワイト島のジミ・ヘンドリックス」にてリリースされているし、売り文句も一応生前最後のライブと偽った宣伝文句もあることなので、それで(笑)。いや、ワイト島以降ももちろんジミはライブやってるけど正規には映像も音も出てないだけでして、割と死ぬ前までライブはあったりします。まぁ、それでもここまで素晴らしい映像で残されているものはないし、そういう意味では確かに生前最後の勇姿を堪能できる映像なので楽しみたい。

 ジプシーズになってからのジミヘンはちょっとファンクな方向に走っていたのであまり好みではなかったんだけど、ドラマーにミッチ・ミッチェルを戻してからはまた昔のようなロックの輝きを取り戻したライブなので聴きやすくなっているし、やっぱりミッチのドラムは良い。ビリー・コックスのベースはまぁ、どっちゃでも良いが、ミッチのサポートはジミには絶対必要だね。んでこのワイト島のライブはそんな三人でのライブだけど、ジミもかなり調子が良くって、ギターも凄く歪んでいるので初期に戻ったかのようなサウンドでノイジーに攻め立ててくる。裏話ではこの頃は相当ストレスの溜まる出来事やビジネス上の不満やらレコーディングの不満、マネジメントとの確執など色々とあったようだけどステージではそも怒りの矛先として己の感情の赴くままにプレイしているという姿を見れる。決して白熱したというようなライブではなく、内に秘めたプレイに近いけど、そういうのって面白いから好きでね。

 全編そんな感じなんだけど、モロにジミのその時の感情が出ているのは最後の最後、「In From The Storm」での演奏後、観客に挨拶してストラトを引きずってステージに捨ててバックステージに去るシーン。これほど投げやりになるというのもやはり空しさがあったんだろうなぁと。演奏だけ聴いていればそんなことないんだけどね。それとストラトメインなのは相変わらずだけどフライングVでのプレイも見れてなかなか楽しめる。しかしこれだけ無表情にこんなに熱い演奏出来るってのはやっぱ凄い。音だけじゃ物足りないので是非DVDで見てもらいたいよね。

Jimi Hendrix - Live At Woodstock

Live at Woodstock  ワイルドなギタープレイとストラト使いの代表格、そして全ギタリストの神様でもあるジミ・ヘンドリックス。もうあちこちで書き尽くされているので、今更大して書くこともないだろうし、本ブログでももうかなりのアルバム数を取り上げている。やっぱ好きだからねぇ。まぁ、今ではもう年に一度くらいしか聴かないけど、聴いたり見たりするとやっぱりハマる。今でもゾクゾクとライブのCDが新たにリリースされ続けているようなので、ひとつづつ追いかけていけば随分と楽しめるとは思うんだけど、そこまで継続的にハマれないので、気分次第のつまみ食い。しかし色々出てるな…。

 さて、多分ジミヘンで一番有名なライブと思われるウッドストックでの演奏をほぼ全編収めた代物「Live at Woodstock」も90年代末期にオフィシャルでリリースされた。もっともその前から何回か出ているけど、断片的だったので、ここでようやくまとまって…ってなところだが、ジミとしてはノエル・レディングが辞めた後の心機一転でミッチ・ミッチェルとビリー・コックスを迎え、更にラリー・リー他のセッションメンバーを加えた6人編成でのバンド、ジプシー・サンズ&レインボウズでの参加…という事実は割と意識されることが少ないかもしれない。ジミヘンさえいればそれはもうジミヘンなのだから、別にバックは誰であろうとも…なんて思う人も多いと思う。自分もそういう所あるし。だからこの人の遍歴調べていても途中でややこしくなる。この後にバンド・オブ・ジプシーズでドラムをバディ・マイルスに変更した三人組で年末年始だけライブやって崩壊。その後のライブではまたミッチ・ミッチェルを迎えた三人でやっているんだけどアルバムは出てない。で、このウッドストックは唯一6人でやってるものなんだけど、しっかりとトリオ編成以外の音は消されている…というかほとんど聞こえないようにされているのは遺族の意思?まぁ、聴いている側の認識も多くはトリオと思ってる部分あるからなぁ…。

 全貌が見えてくるとライブ全部がわかる、そして実はウッドストックのライブはジミヘンのライブとしてはそれほど出来が良いモノではないというのも知られている。うん、確かに覇気に欠ける部分は多いな。でも、それってのは、あまりにも管理の杜撰なウッドストックというイベントで待ち時間が前日の夜中から朝の8時までという状況もあって、ジミヘンが登場したのは1969年8月18日の朝8時なワケよ。夜のウチには十分酒もドラッグもタバコもキメていたんだろうから、朝の8時での演奏ってのはもう無茶なんだよな。それでも押しまくってそうなってしまった…。だから覇気がないのも当然っちゃあ当然。それでも「Star Spangled Banner」がウッドストックの名演となったのは、その朝8時から始められて様々な雰囲気と空気とそれまでのヤク一時間に於けるステージ上でのジャムセッションなど色々な要素が上手く融合して、奇跡的な一瞬にこういう雰囲気の曲がジミを通して世界に発信されたというところで、神々しいまでの演奏になったのではないかと。しかもしっかりその周辺が映画ウッドストックに収録されたので、より一層ジミヘンの素晴らしさがクローズアップされたということだ。この曲以降のプレイはその延長線上にあるので、どれも素晴らしいプレイと思えてくるし、実際かなりの雰囲気だと思う。

 どの曲もどの曲もジャムセッション色が凄く強くて、ジミのプレイだけじゃなくて他のセッションメンバーもいたワケだから余計にその空間は長くなるワケで、全体的に浮游感がたっぷり漂っているものだ。そういう意味では鬼気迫る名演という部類ではないにしてもかなり味のある熱演であると言える。「Spanish Castle Magic」に於けるジャムセッションはこのライブの中でも相当素晴らしい出来映えの曲のひとつだろう。もちろん全編に渡ってジミの宇宙空間漂うプレイだからアレコレ言うもんじゃないけどさ。いや〜、やっぱり美しい。ギターの音色の使い方からして美しい。音だけでなくってエロチックなプレイっつうか…、「Red House」なんてもう本気のブルースだから…、黒人ブルースそのものだし。

 …。やっぱすげぇライブじゃないか、これ。覇気には欠けるけど雰囲気は凄く良いからかな。それとギターがしっかり歌っているから嬉しいんだよね、多分。自分的にはこういうギターが好きだしねぇ。

Ramatam - Ramatam (1972)

Ramatan ジミヘンのエクスペリエンスって3人とも既に他界している珍しいパターンなんだよな。60年代のバンドでもメンバー全員が他界しているのってそんなにないんじゃないか?いや、全部知ってる訳じゃないからわかんないけど、そんなに聞かないっつうか意識してないからか?クリームなんて全員健在だし、ビートルズは二人、フーも二人、キンクスは1人、ストーンズはブライアンだけ、まぁ、ゼムとかサーチャーズとかどうなってるなんてのは調べてないけど。んで、ジミヘンとこは全員。エネルギッシュな方々は寿命が短いのだろうか?

 そのエクスペリエンスのドラマーだったミッチ・ミッチェル、自分的にはロック界でかなり好きなドラマーでさ、コージー・パウエルの人気の高さに比べてミッチ・ミッチェルの人気の無さが勿体ないだろってくらい。比べるもんじゃないけど、自分的には大好きなドラミングなんだよね。普通に8ビートを上手く叩くドラマーって聴いててもよくわかんないけど、ミッチ・ミッチェルのドラミングは凄くクセあるから目立つ。そんなこともあってジミヘン亡き後どうしてたんだろ?って思うのだが、こらがまた40年くらいまともな活動が見当たらない。唯一あったのがRamatamくらいで、もう目立つようなアルバムには参加してないし、多少参加していてもそれは普通に叩いているドラム。ジミヘンと一緒にやってた頃のスリリングなドラミングは全然聴けないんだなぁ。EL&P結成の際にミッチ・ミッチェルにドラムの座の話もあったみたいだけどその参加もなかったし、セッションではテリー・リードとジャック・ブルースあたりとも一緒にやってたらしいけど音源は特に見当たらず。なんでこんなに凄いドラマーが3年半の活動で地味な存在に追いやられてしまうのかねぇ…。

 1972年にリリースされたジミヘン死後に参加したRamatamのファーストアルバム{Ramatan」は何と言ってもApril Lowtonという女性ジミヘン並みのギタリストの参加によるインパクトが絶大。アイアン・バタフライのマイク・ピネラっつう人との基本トリオでやってるバンドだけど冒頭からホーンセクションとかバリバリに入ってくるので、ちょいとユニークな音世界。そのホーンセクションもジャニスのBig Brother & Holding Companyの面々が参加しているとかで、結構話題性の高いバンドだったんだけどなぁ。エイプリル・ロートンのギターについては正しくジミヘン並み、そして女性にもかかわらずこのロック魂とテクニックが時代を考えるととんでもない衝撃だったハズなのに、だからこそミッチ・ミッチェルも一緒にプレイしたんだと思うし、ライブとか凄かったんじゃないかなぁなんて思うんだけどどうなんだろ?「Ramatan」に収録されている曲はソウルフルな楽曲とピネラの歌が中心で看板のエイプリル・ロートンとミッチ・ミッチェルが前面に出て来てない感じだけど、そこが敗因だったのか、さっさと解体…ってか有名なメンバーが出てってしまってエイプリル・ロートンが知り合いと再構築したセカンド「In the April Came the Drawing of the Red Suns」がある程度。だからエイプリル・ロートンのバンドだったワケだが、この「In the April Came the Drawing of the Red Suns」でシーンからはすっかり消え去った人、デザイナーさんになったのかな、そして2006年に他界しているのもジミヘン周辺の宿命か?ジャケットをもう少し目立つ感じにするとか、もうちょっと売り文句作っていくとか、残れたレベルのバンドなんだがなぁ。音があまりにもつまらないっちゃぁつまらんけど(笑)、そこはギターでカバーできている気もするしなぁ。ま、ただ、ミッチ・ミッチェルのドラミングも全然あの自由度が生かされていなくて、別に参加しただけみたいな感じになってるのがいかんね。ロック魂ぶつけるような感じにはなってないかも。でも、結構B級好きな人には好まれる作品じゃないか?