Big Brother & The Holding Company - Live at the Carousel Ballroom 1968 (2012)

ライヴ・アット・ザ・カルーセル・ボールルーム1968  古いロックの歴史もどんどんと淘汰されてきているのかな、なんて思ってしまうこともある。今回ジャニス・ジョプリンの発掘音源ライブを取り上げるに当たってWebでちょいとジャニス・ジョプリンについて調べたりしてみたんだけど、グーグルのせいなのか本当にそうなのかわからないけど、思いの丈をぶつける熱いジャニス・ジョプリンを語る広告目的じゃないサイトってのが全然見つけにくくなってる。ほとんどがCDやDVDの販売サイト系だったり新作CDのレビュー紹介程度だったりといわゆる公式なWebページばかりがヒットするくらいで、好きな人が熱い思いを語っているサイトとかページってのがねぇ、昔はたくさんあったし、そっちの方が信用できたからよく見てたけど、今の時代の方がアップしたり書いたりするのも簡単になっているのに見つけにくいってのはどういうことだ?それはやっぱりGoogleの都合なんだろうか?そりゃ広告売ってくれているサイトの方がヒットしやすくして稼ぎたいもんな、と当たり前のことだけどWebの楽しさとか黎明期から知ってる人間としてはどんどんと変わっていってしまったなぁとややため息をついてしまう。一方ブログ等でこの発掘音源を賞賛したり分析したり思いを語ったりする人も少ないのか、ブログ検索の方でもあまり引っかかってこない。検索方法が悪いだけということにしておきたいよな、やっぱさ、ジャニス・ジョプリンなんだしさ、ブルースの女王だぜよ?そんなに一般リスナーの注目が低いとは思えないので、自分の探し方も問題としようじゃないか。ただ、全般的にそういうサイトが見当たらなくなってきているのはあると思うんだよな。もっとさ、素人が語っているサイトを全面的に出してくれている方がCD買うとか音源聴くとか言うときに凄く参考になるし。自分もオフィシャルとか宣伝系のレビューとか全然読まないもん。それなら何も読まないでYouTubeでいくつか聴いて自分で判断した方が確かだしね。アーティストの来歴とかは普通にWikiとかでも良いけどさ。な〜んて、いきなりグチから入ってしまったけど、GWスペシャルっつうことで名盤を〜何て言いつつも、いきなりの発掘音源で既に自己崩壊中(笑)。

 ついこの間リリースされたばかりのジャニス・ジョプリンの…っつうか名義はBig Brother & The Holding Companyの「ライヴ・アット・ザ・カルーセル・ボールルーム1968」というライブ音源。時代的にはBig Brother & The Holding Companyのファーストアルバム「Big Brother & The Holding Company」が1967年にリリースされて売れなくて散々な目に遭いながらもモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演したことでジャニス・ジョプリンの力量が認められて気運上昇、そしてロックの名盤となる「Cheap Thrills」を1968年3月頃に録音して、その後の6月のライブが本作「ライヴ・アット・ザ・カルーセル・ボールルーム1968」で、「Cheap Thrills」が9月にリリースされたという時期。だからほとんど「Cheap Thrills」の勢いのままのライブを収録しているから傑作じゃないハズがなくて、ジャニス・ジョプリンの声も最高に出ていて、ここまできちんと歌えているライブも多くないんじゃないだろうか。そして驚くことに当初からライブアルバムをリリースする目的でもあったのか、観客の声などは全く聴こえてこなくて、完全にライブレコーディングが行われているという代物なのも驚く。そしてリリースされた音のミックスも結構斬新で、ジャニスの歌声は左チャンネルに位置していて、ギターが右チャンネル、ドラムも左寄りでベースは底辺に位置しているという音像。意図的なんだろうけど、やや違和感。しかしその分どの音もくっきりと音が浮き上がっていてはっきりと輪郭まで聞き取れるのは嬉しい。ほんの小さなささやきなんかでもきちんと聞き取れてしまうしね。そしてもちろんかなり綺麗に音をクリーニングした感じの音で丁寧な仕事に頭が下がる。まぁ、アルバムジャケットだダサいのはどうにもアメリカのバンドだからしょうがないかな…と言う感じではあるけどもう少し何とかならなかったんかね?とも思う。

 そして内容…まずは曲目を見てもらうとわかるけど当然ながらファーストアルバム「Big Brother & The Holding Company」からと当時未発表の「Cheap Thrills」からの楽曲で揃えられたライブ、更にこの時期実験的にプレイしていた曲がいくつか…、まぁ、正直言ってしまえば楽曲は何でも良いし、楽曲レベル云々を語るバンドではなくてどう贔屓目に聴いてもジャニス・ジョプリンの歌のために存在しているバンドという位置付けにしかならないからさ、自分が曲を知ってるかどうかってだけでしかない。そういう言い方で言えばまるで曲を知らなくてもこの迫力とジャニス・ジョプリンの歌声にぶっ飛ぶこと確実。そして実は割りとキライじゃないのがサム・アンドリューのSGギラギラのギターの音色。それほど上手いわけじゃないのにギラギラと弾きまくるこのプレイは好きだね。ジャニス・ジョプリンと双璧を成すかの如くギターを弾きまくっているところがアマチュアっぽくて良い(笑)。それを楽しそうに眺めながら一緒に歌っているジャニス・ジョプリンの姿も想像付くし、随分と楽しそうに歌っている様相もヒシヒシと伝わってくるので聴いている側も気持ち良くなってくるものだ。まだ、ここには妙なしゃがれ声とか重さとか暗さみたいなもの、それと悟りきった諦めきった疲れきったジャニス・ジョプリンの姿は聴かれない、純粋にライブと歌を楽しんでいる姿を聴けるという感じかな。このバンドもこの後しばらくして解散するハメになって、その辺りからジャニス・ジョプリンの歌は酒が多くなったからかしゃがれていった気がするし、暗さや重さも出てきて悲壮感も出てきた感じなんだよな。そういうライブばかりを聴いていたから今回の「ライヴ・アット・ザ・カルーセル・ボールルーム1968」でのライブはちょっとこの声の艶やかさに驚いた部分あるもん。ま、今までそこまできちんと聴いていなかったってことかもしれないが、ライブアルバムとしてリリースするには良いソースだったのは間違いないね。

 昔はジャニス・ジョプリン聴くといつも涙してたからあまり聴かないようにしてて、いつしか普通に聴けるようになって、様々なソースを聴けるようになってライブアルバムなんかもいくつかリリースされて、その度に聴いていたりしたけど今回の「ライヴ・アット・ザ・カルーセル・ボールルーム1968」はかなり良いなぁ。涙するという歌じゃなくてボーカリストの力量発揮という意味でロックな音で勝負しているからか聴きやすい…ま、語弊はあるけど哀歌じゃなくてジャニス・ジョプリンの歌として聴けるから。訳分からんね(笑)。ま、そんな風に色々と思いながら最後の「Ball And Chain」でやっぱり昇天しちゃうんだけど…、この下手くそなギター…そしてジャニス・ジョプリンの歌…、時代が許す最高の瞬間だね。

Big Brother & The Holding Company - Lost Tapes

Lost Tapes (Slim)  ふと思ったが、60年代のお話って、もう50年前の事だよな?ん〜、それでもその頃のロックってのが一番刺激的だったんだからしょうがないが…、よくもまぁ飽きずにそんなのを聴き続けている人もいるし、今でもこうして何かしらの記録を残している人間もいて、多分雑誌の表紙にもなっているだろうし、面白いモンだ。それにしても発掘音源ってのはホント、色々出てくる。多分どれも本当の意味でのオフィシャルではないだろう。50年ってもしかしたら著作権とか切れるのかもしれない。だとするとこの手のがどんどんと出てくる事になりそうで、それはそれで嬉しい事でもあるのだが…。

 Janis Joplin…、Big Brother & The Holding Companyの未発表ライブの発掘盤2CD「Lost Tapes」。これも古くからアングラで流通していたのでここでアマゾンで出てるってのはちょいと驚きですよ。オフィシャル…なのか?いずれにしても無くならないウチに入手しておけば聞けるんで良いとは思うけどね。中身はもう白熱の1966年と67年のライブがガッツリ入っててあの「Cheap Thrills」のライブを遥かに凌ぐとも言える熱気。プレイのまとまりなどは「Cheap Thrills」に勝てないけどライブのドライブ感や熱気や勢い、若々しさ、エネルギー、パワーどれを取っても相当にぶっ飛んでるライブだ。上手いとかじゃなくてさ、凄い。そう、凄いってのがロックでは重要なんだよ、それがみっちりと詰め込まれてる。

 ジャニスがね、あの声と迫力なんだけどまだまだ未完成…と言うか発展途上なのかな、って思える節もあってかなりぶっきらぼうな歌い方にも聞こえる。それでもカッコ良いんだよ。凄いんだよ。こういうのってどこから出てくる違いなんだろ?そんなことを思ってしまう大迫力のライブアルバム。これぞロック、な音だ。しかしよくよく思えばアルバムデビュー前の音源…ってことか?それでこんな音で録音されて残ってたってのか?このライブ音源を元にレコード会社探したのか?どうなんだろなぁ…そういうのはちょいと疑問が出てくるけど、ライブの迫力にウソはない、そしてこんなのが残っていたってのに喜ぶべきだろう。


Big Brother & The Holding Company - Cheap Thrills

Blu-spec CD チープ・スリル  60年代花のサンフランシスコを代表する歌い手と言ったらやっぱりジャニス・ジョプリンに行き着く。フラワー・ムーヴメント、ヒッピー文化、セックス・ドラッグ&ロックンロールの旗手となったあまりにも有名なブルースの女王。その存在を知らしめたのは1968年発表のアルバム「Cheap Thrills」からだが、ここではまだBig Brother & The Holding Companyという名義でのリリースで、彼女の存在をクローズアップしたものではなかった。しかしアルバムを一聴すればわかるように彼女の圧倒的な歌唱力と魂が全てを支配しており、シスコサウンドやドラッグの影響、ヒッピームーブメント的な音というものは特に感じられず、純粋にブルースを追求した、そして新たなるムーブメントに取り組みサウンドが打ち出されていることに言及した記事は多くない。まあギターの音色自体はこの時期のシスコサウンドと同じなんだけどね。

 アルバム「Cheap Thrills」は実況録音編集盤なので冒頭のアナウンスの下りからライブ会場にいるような錯覚を起こしてアルバムを聴けるのが良い。「Combination Of The Two」は冒頭いきなり洗濯板を鳴らす音がリズムを刻み、サム・アンドリューの軽快なギターが切り込み、コーラス部隊から歌が始まり真打ちジャニスの叫びからロックンロール開始、みたいな感じで、かなり特殊なサウンド。ジャニスの歌声だけでなくロックサウンドとしてもかなり革新的な音だったんだよな。「I Need A Man To Love」でもサイケデリック調なギターサウンドがオープニングを飾るんだけど、それよりもベースのリズムがもの凄く心地良い…。曲の盛り上がり方もかなり良質の出来映えで、そこにジャニスとコーラス部隊の掛け合いが入るワケだから見事に出来上がってるよ。ここでのギターソロの音色も乾ききったサウンドで、かなりクラプトン的って感じもするんだけど、なかなか曲にマッチしていて良いね。そして真打ち「Summertime」。散々ギターでコピーしたんだけど、ロック界はもちろん出てこないスケールで始まるフレーズが心地良くって、その流れからジャニスのかすれた声が入ってくるってのがもう最高で、ギターのオブリガードもひとつひとつが曲に色を添えていて実に素晴らしい名曲名演名唱。ギターソロも最高だしさぁ…聴かないと損する曲だよな、これ。

 続く名曲「Piece Of My Heart」も骨格は「Combination...」と同じようなアレンジになってるんだけど、何というのか、曲中を通してすごく温かい空気が流れていて、ゆとりというのか余裕と言うのか、非常に愛が溢れるサウンドと歌い方…、多分ジャニスの歌唱力がこの空気感を出しているんだろう。後半のかすれた叫び声のところが心打つポイントかな。スタンダードブルースになぞらえた「Turtle Blues」は伝統のアコースティックブルースを実現した曲で、こういう曲がいわゆるシスコサウンドとは大きく異なる面だろう。「Oh, Sweet Mary」は逆にシスコサウンド的側面の強い作品で、かなり独特のサイケ色が出ているね。ジャニスにはあまり関係のない曲で、バンドのメンバーが自己主張するために収録してあるかのような印象だ。そして「Ball And Chain」だ。冒頭から強烈なブレイクとエグいギターサウンドがその存在を主張していて、一瞬で雰囲気を沈めたところでエモーショナルな歌が入る。その後の曲展開と共にジャニスの歌声が一緒になって感情を表現していく様は見事の一言に尽きる。そして最後の最後でのジャニスだけの歌声によるエンディング…、涙無くして聴けない瞬間かもしれない。

 アルバム「Cheap Thrills」だけでなくこの時期のライブ録音音源は他にも「Live At Winterland 1968」「In Concert」に収録されているのでもっともっとジャニスの迫力を堪能したい人には絶対にオススメ。やっぱライブでの彼女は凄いってのを体験できる迫力を持っている。もちろんBig Brother & The Holding Companyの記念すべきファーストアルバムっていうのもジャニスが歌っているので彼女の来歴を知るには必要な一枚になるね。

Janis Joplin - Kozmic Blues

コズミック・ブルースを歌う  ジャニス・ジョプリン、あまりにも有名なブルースの女王、そして生きながらブルースに葬られてと称される彼女の生き様は正にブルースを地で歩んだ生涯だったようだ。そんな彼女にはもちろん著名な作品がいくつかある。いくつか、というのも活動期間が短かったためいくつものアルバムが残されていないので、やむを得ない。しかし彼女の本領はやはりライブで発揮されていて、バックバンドとジャニスとのパワー、技量、エネルギーの差がありすぎて本来彼女の持つ才能がフルに発揮できなかったと見る面もある。

 で、名作としてよく挙げられるのは先日レガシーエディションがリリースされたばかりの「パール」だが、もちろんこのレガシーエディションはファンでなくても聴く価値がある、というか聴かないとダメだろ、ってくらいのインパクトがある最高傑作。もう何十回、いや3桁回聴いてるかもしれないなぁ。このレガシー盤をヘッドフォンで大音量で聴くとジャニスの息づかいから酒の匂いまで感じられるくらい生々しいので、部屋を暗くしてバーボン片手に聴いてみるのもいいなぁ、、、ってやったことないけど(笑)。…とは云いながらも今回はその名盤を改めて語るのではなく、個人的に滅茶苦茶好きなのが「コズミックブルース」。昔アナログで聴いていた頃からジャニスの声はもちろんなんだけど、それよりもバックの演奏と特にギターのフレーズの良さに感動していて、中でも「One Good Man」で聴けるギターのフレーズは絶品もので、クレジットされていたサム・アンドリューってすげぇギタリストなんだ〜ってず〜〜〜〜〜〜っと思ってたんだな、これが。

 で、話はズレるけどこの時期にマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーによる「スーパーセッション」を聴いていて、そのギターフレーズに感動しまくってたので、コピーしてみると一緒じゃねぇか〜ってコトで、ブルース系ギタリストの王道なんだ、と思ってた。そうしてマニアになっていけばいくほど色々なことが分かってきて、何とこの「コズミックブルース」というアルバムではポール・バターフィールド・ブルース・バンドが全面的にバックバンドとして参加しているとのことで、今でも明確なクレジットがないことからすると、レーベルの問題もあって名前が出せないんだろうなぁと深読みできちゃうワケで、んでもこのサウンドの違いははっきりとわかるね。そもそも「As Good as You've Been to This World」「Work Me, Lord」なんてPBBBの十八番なワケだし、その違いを聴くのも面白い。で、ギタリストはマイク・ブルームフィールドだったんだなぁと改めて自分の好みを実感して、更に驚いたのはジャニスという稀代のボーカリストを迎えて演奏したPBBBって凄い組み合わせだな、と。時代の産物。願わくばジャニスの歌でジミヘンがギターだったら凄いだろうなぁとか妄想してしまうのであった。とは云えども「Little Girl Blue」なんてのはバックの面々はクレジット通りかどうかわかんないけど、良い味でのバラードでギターもさりげなくて実に良い。

Janis Joplin - Pearl

パール  ジャニス・ジョプリン。彼女の存在が消えてからもう36年経つ。そしてまだ彼女を超えるレベルの女性シンガーを聴いたことはないし、彼女と同列に並ぶ女性シンガーも耳にすることがない。それほどまでに希有な存在だったのか、時代の印象が彼女をより一層神格化しているのか…、でも残された数々の音源や映像から飛び込んでくる彼女の歌いっぷりは現在までの所、圧倒的な存在感を放っている。ジャニス・ジョプリン。敢えて言おう、「ロックの堕天使」。

 う〜ん、いまいちかっこよく決まらなかった…。1970年、ジミヘンが急逝した時、ジャニスはどう思ったのか…、そしてその一ヶ月後に彼女も同じような運命を辿ることとなった。ちなみに前年1969年7月にはブライアン・ジョーンズが、翌年1971年の同じ日にジム・モリソンが急逝している。皆ドラッグから引き起こされた早すぎる死の結末。しかし彼等は圧倒的に輝き、今でもロック史の中では君臨しているのも事実で、別にドラッグを崇めることもないがアーティストとしての素晴らしい功績には感謝したいし、もっともっと長く活動していてくれれば、という残念な思いもある。一方ではそれがロックヒーローに見える面もあり、まぁ、それもロックのひとつかな。

 ジャニスの中でよく聴いたアルバムは「Pearl」だった。アルバムリリースは1971年なので当然死後のリリースなんだけど、もちろんこのアルバムをリリースするつもりでレコーディングをしていたもので、レコーディング秘話ってのはかなりありそうなアルバムなんだけど、昔伝え聞いた所では結構ジャニスの歌を元にバックの演奏を入れ替えたりしたらしい。この頃のアルバムでお目に掛かることの多いプロデューサーのポール・ロスチャイルドの手腕も大きい要素だね。その最たるモノって、やっぱ「Mercedes Benz」でしょ。アカペラだけでグッと迫ってくるジャニスの歌声をこれほどナマナマしく聴かせてくれる曲は他にはないし、こんなアカペラ状態で収録したポール・ロスチャイルドのセンスって凄いよね。今の時代ならこの曲にバックの音を自分のパソコン上で創り上げてジャニスとセッション、なんてのも作れて面白いんじゃない(笑)?もちろんどんなバックの演奏がついてもこの歌だけのテイクに敵うことはないだろうけど。

 なんだろなぁ、各曲毎に云々って語る気にならないんだよね。全てがジャニスを語っていて一言、やっぱり凄い歌で、何が一番凄いかってさ、魂揺れることなんだよ。聴いてると魂に彼女の声が差し込んできてついノスタルジックになっちゃって、ノリノリでかっちょいいぜ〜っていうのが全くなくって、うわぁ…っていう感じになるものばかり。だから「ブルースの女王」と呼ばれるワケで誰も「ロックの堕天使」などと呼ばないんだよ(笑)。でもさ、彼女はロックの世界に置いておきたいからそう呼びたいんだよね。勝手な書き方だが(笑)。最初の「Move Over」からぶっとぶスタイルで、「Cry Baby」での絶叫、同じように「My Baby」もヤードバーズのカバーとは比較にならない絶叫ぶりで…。うん、どれも名曲。曲云々ではなくって彼女が歌えばどれも聴く価値があるものになるんだよ。特にこのアルバムはジャニスの思いも強かったのか、人生色々あるよ、って思い悩みながら作っていた表情がそのまま出ているので素晴らしい作品。

 ベット・ミドラーが主演の映画「The Rose」はもちろんジャニスを題材にしていて、何となくそういう雰囲気だったんだろうなぁと垣間見れるもので、タイトル曲「The Rose」が凄く良い曲なので参考には良いかも。ま、もちろんジャニスの映画「ジャニス」に勝るモノはないんだけど…、しかし今コレってDVD出てないのか?勿体ないねぇ…。あと。「Pearl」レガシーエディションっていう二枚組もリリースされていて、こいつもレアテイクとか未発表ライブとか収録されていてお得なタイトルになってる。そろそろ入手しないとなぁ…。

Janis Joplin - Pearl Sessions

Pearl Sessions  アメリカ独立記念日、まだまだ若い国だからなぁとか色々思うこともあるし自分達が子供の頃に思っていたほどアメリカって国はタフでもないし強くもないし、今じゃどこかおかしくなってる気もするし、もちろん文明の方ではかなり面白くなってるんだけど、割と印象変わってるかな。ただ、やっぱアメリカだな、と言うのはある。ま、あまり考えることないけどさ(笑)。ちょいと色々と被ってきたのでアメリカ独立記念日にアメリカらしい〜ってのとココのトコロのお転婆娘の歌声で言えばこの人しか浮かばんな〜と。他にもジェファーソン・エアプレインとかくらいしか知らんしな〜、以降はどちらかというと清純派がウケてたからお転婆娘ってなかなかいないし、シーンを見てもさほど多くもないし、珍しい存在には違いないはずだ。

 ジャニス・ジョプリンの遺作として名高い名盤「Pearl」のセッションの模様までを収めた「Pearl Sessions」という何ともニッチなアルバムを紹介してみようか。知らない人も多いかな〜ってのもあるし、自分的にはかなり面白く聴けたのでついでに、ってことで。この手のは紹介だけなら話題性もあるしすぐに出来るんだけど、それじゃ面白みに欠けるかな、ってのもあるし自分でももっともっと研究しておきたいってのがあるんだよね。ちなみに「Pearl Sessions」は2012年4月のリリースなので1年以上経ってますな(笑)。腰を据えてじっくりと聴いておきたい音楽、と言っては誤解があるが、音楽として聴く側面よりも研究素材として聴く音源なのでちょっと聴き方が異なるんです。同じ曲のバージョン違いやテイク違い、ミックス違いなんてのやデモ音源、そんなのを聞く場合は順番に違いを聞き分けて楽しんでいく、またオフィシャル最終テイクに行き着くまでの過程を想像して楽しむ、そうなっていったのか、なんていう楽しみがあるから時間がかかるし楽しみもニッチになっていく。普通はあまり誰とも共有できない楽しみなのだ(笑)。

 例えばこの「Pearl Sessions」ではそもそもクレジットからして「Get It While You Can (Take 3)」ってのがDisc 2の2曲目と16曲目に入ってて、リリースされて1年以上経ってもオフィシャルサイトを含めて修正の気配すらない。じゃ、これ2つとも「Take 3」なのか?と言えば全然違う。2曲目は「Take 3」と思われるけど、16曲目はファイナルテイクに近い方だから「Take 13」とか「Take 30」なんじゃないかな。ネット社会になって情報が手に入れられやすいってのはあるけど、間違ってる情報も多いし、更に厄介なのはそのミスをきちんと修正しているところもないから本当の情報を探し切れないってトコだ。それと面白いな〜って思ったのは、さすがにジャニス・ジョプリンの「Pearl」のセッション集だから買って聴いてブログに書いたりする人も多いんだが、このセッション集のディスクについてさほど興味を持つリスナーは多くはないってことだ。公にするべきものではないんじゃないか、とか本来意図するものとは違うんじゃないか、ありがたい蔵出しとしながらもどこか陽の目を浴びることはない方が良かったのでは?みたいなのが多い。結構びっくりしてさ、アーティストやミュージシャンがどういう経緯を辿って作品を創りだしているのか、ってのがわかるって面白いけどな〜、今回で言えば超有名な「Move Over」の3テイクだね。ラフデザイン的にジャニスの作ってきた歌詞と歌メロからバックを付けていってはいるもののまだまだフレーズは手探り状態、ただ一度録っとくか、と言った感じ。その次はリムショットだけじゃなくて手拍子入れてやってみる?みたいにして、ちょいとテンポアップで試す。その後は更にテンポアップ、その頃にはかなりファイナルテイクに近いバックが出来上がってる、でもジャニスが歌いやすいアドリブを入れていくにはちょっとアップテンポすぎるかな、ってことでファイナルテイクのスピードになったんだろうな〜と。その分遊びのフレーズがいっぱい入ってるしね。凄いのはどのテイクもやっぱりジャニスの歌でさ、全然迫力変わらないワケで、ホントいつ歌ってもああいう声なんだな〜と。

 初出じゃないけどやっぱりいいな〜って思うのが「Cry Baby」の長いヤツね。ライブに近いアドリブとかゆとりとかをそのまま入れているからジャニスらしい。とってもジャニスらしいから圧倒的にファイナルテイクよりもこっちの方に軍配が上がる。でも、アルバムとして考えたらファイナルテイクになるだろうな。だからこそ蔵出し音源は魅力的なのだ。「Me and My Bobby McGee」にしてもやっぱり進化形を辿っていける…これはジャニスの生ギターによるデモから楽しめるんだから正に曲の生い立ちが楽しめるってもんで、じっくりと浸りたいよね。そんな感じで楽しむんだけどさ、「Pearl」って言うインスト…にせざるを得なかったんだろうけど、コイツが涙をそそるバンドの演奏でさ…、曲の配置が見事だよ。コイツでスタジオセッションに別れを告げてボーナスのライブトラックへ進む…、うまいね。今時だから曲順云々なんてそんなにこだわらないけど、自分は「Pearl Sessions」を何度も聴いていて、結局じっくりと楽しんで聴く時は曲が若いテイク順になるように曲順を変えて同じ曲を立て続けに聴いていく。曲の過程がわかるから。歌い回しやアドリブ、歌詞やフレーズの違い、もしかしたら楽曲そのものの長さや構成の違いなんてのもあってホントに楽しめる…時間があれば(笑)。

 でもね、結局最後には「Pearl」スタジオファイナルテイクが一番なんだよ。やっぱ凄いワケだよ、アルバムってのはさ。こんだけアレコレ試して色々やって何回も録音していじって、そして最後に出しているのがアルバムなんだからやっぱりその時のベストでしかないんだよ。そこでポール・ロスチャイルドみたいなプロデューサーがやってるってことで信頼性も増すし、確かにその通りだ、ってことも証明されてるし。だからこういうセッション集とかどんどん出してほしいと思う派、です。裏モノに行っても無いものは無いので、やはりオフィシャルからどんどんと出して欲しいもんなんです。ライブもね。


Janis Joplin - Live from the Festival Express Tour

フェスティバル・エクスプレス 昨今の発掘音源によるリリースラッシュは凄まじいものがあって、もちろんそんなのについていく情報収集力など持っていないのでいつの間にかリリースされていた、という事態が多くて入手に困るということが往々にしてあるのだが、最近はそこまで物欲もないのでふ〜んそうなのかという程度で流していくことが多い。見つければ入手するのだが必至になって探すまでは行かないので、やっぱり自身でも熱が冷めてきたのか、市場が煽るブームに着いて行けてないだけなのか…、まぁ、良いモノは勝手に情報が集まってきて聴けるようになるのだろうからあまり心配していない(笑)。

 いや、そういう状況下であったもののひとつにジャニス・ジョプリンの「パール/レガシー・エディション」っつうのがあって、以前「Pearl」というアルバムについては本ブログでも取り上げたことがあるのでまぁ、良いかとも思っていたけど、せっかく入手してしかもディスク2のライブ盤がかなり素晴らしかったのでちょこっと書いてみようかな、と。ディスク1の本編は以前書いてるのでパスして、ボーナストラックだけど、未発表バージョンの曲が多くて、確かに聴いてみるとなるほど、聴き慣れたモノとは違うというものではあるが大幅に云々ってものでもないのでまぁ、いいか、と。資料的に感動はそれなりにあるけどね。

 で、ディスク2のライブ。先にリリースされた発掘映画「フェスティバル・エクスプレス」と同じライブからの収録されているもので、1970年6月のカナダでのライブらしい。映画「ジャニス」にも幾つか収録されていたものなのだが、こうしてCDでまとめてライブ盤がリリースされるってのは嬉しいね。やっぱりライブ盤ってのはひとつの会場のひとつのライブが丸ごと入っているのが一番聴きやすいし、迫力があるってもんだ。このライブ盤もそういう意味では多少編集はあるんだろうけど空気感が同じで良いね。

 うん、やっぱり好きだなぁって思うのが「Maybe」とか「Summertime」とかね。後半の「Peace Of My Heart」以降ってのはもうそれだけで好きだからさ、何も言うことないけど何か迫力っつうか本人普通に全力投球しているだけだろうけど、それが凄くてさ。バックのギターが下手なのが問題だが(笑)、まぁ、それでも迫力は凄い。こういうロックの熱ってのはやっぱ時代の産物かね。途中「That's Rock'n Roll」なんてしゃれたタイトルが付けられた曲があるけどジャニスのバンドには珍しくシンプルでスピーディなロックンロールが展開されている。ジャニスは歌ってないのでバックの演奏だけだけど、こういうのにジャニスが絡むとどうなるのかなという興味があったりした(笑)。

 映画の方もまだ見てないんだけど、好評を博しているし、ジャニスのこのライブを聴く限りではやっぱり良い雰囲気で行われたライブだろうから楽しそうだなと思われるのでいずれ、って感じではあるかな。映画「ジャニス」もDVD化されたみたいだね。

Janis Joplin - Live At Winterland '68

Live at Winterland '68 気候が変わり環境が変わり、基本的に変化を好む方ではあるけれど、それが好む方向ならいいがそうでない場合ももちろんある。そんななんとなく憂鬱な気分な時に頭の中を流れたのが何故かジャニス・ジョプリン。そういえば随分彼女の歌声を聴いていないということを思い出した。何かが彼女の声を欲しいと思ったんだろうな、なんて思ってアルバムを全部取りだしてみる。当然ながら生前にリリースされたアルバムの数よりも没後にリリースされた編集盤やベスト盤の数が圧倒的に多くて、何が良いかなぁ〜と。

 伝説的な名盤「Cheap Thrills」がライブ演奏を収録していることは有名な事実なんだけど、それが1968年の3月から5月のライブからのもので、没後にリリースされた「In Concert」や映画「ジャニス」に収録されているのは1968年3月から6月というものだ。そしてこの「Live at Winterland '68」は1968年の4月12、13日のライブからの編集ということで時期的にはほぼ被っている頃。ライブ盤ってのは一公演丸ごと収録したアルバムの方がよいのか、やはりベストトラックを抽出して繋いだ方が良いのかどちらも甲乙付けがたい部分はあるけど、「Cheap Thrills」なんかは後者で名盤と呼ばれているのだからやはりベストトラックをチョイスして作った方が作品的にはよくなるんだろうな。ミックスとか繋ぎとか違和感なければ聴く側はその方が圧倒的パフォーマンスを楽しめるんだから、そりゃそうか。

 この「Live at Winterland '68」も二日間のステージから選りすぐっているのでそれなりにチョイスされてはいると思うけど、やっぱ全体感としては「Cheap Thrills」には敵わない。ただライブ感というか流れみたいなものは事実こういうものだったのかな、と思う感じでライブの流れは自然。演奏はああだこうだというものでもなくって…、よくBig Brother & The Holding Companyはヘタと言われるんだけど、自分的にはそれでもパワーあるし白熱することもあるから凄くロック的で良いと思うんだよね。このライブでももちろんダレる部分もあるけど、やっぱ凄いなぁと思うところもあって、決してバンドも悪くない。ましてや時期が「Cheap Thrills」と被っているワケだからそりゃそうだよな。

 でも、やっぱり何と言ってもジャニスの迫力が圧倒的。ライブ盤でしか聴けない曲も多いし、ジャニスが如何にオーティス・レディングに近づこうとしているかよくわかると思う。シャウトとか聴いてるとかなり近い世界にいるように聞こえるしね。ジャニスを聞き尽くした人間にはこういうライブ盤もやっぱり嬉しく楽しめるものなんだ。ここから入る人ってのもいるとは思うけどやっぱりオリジナルアルバムを押さえてから来るべきトコ。

 やっぱ凄い女だ、この人は。

Janis Joplin - The Woodstock Experience

Janis Joplin: The Woodstock Experience (Dlx)  ふと頭の中でず〜っと鳴っている曲があった。曲ってか歌、だな。あぁ、やっぱいいな〜、こういうの、って思いながら頭の中でリフレインを繰り返しててね、久々にホンモノ聴きたいな、って思って引っ張りだしてもちろん聴いたんだけど、こんだけ聴いててもやっぱり聴きたいって思って聴くとやっぱり感動するってのはやっぱり凄いよな、と。それhもう魂の叫びとしか言えない、即ち本気でホントに魂懸けて歌ってるからだろうし、それが響いちゃうっていうことなんだろう。死んで45年経ったって変わらないんだから凄いよな。

 頭の中で流れてたのはジャニス・ジョプリンの「メルセデス・ベンツ」なんだけど、まぁ、その辺はもう書いてるんで折角だからもっともっと白熱したのを聴こう、ってことで「Janis Joplin: The Woodstock Experience」。初っ端からまずぶっ飛びます。間違いなくぶっ飛びます。これがロックです、はい、以上。…って言いたいくらいのエネルギッシュさ白熱具合、熱唱ってのはこういうもんだし熱いってのはこういうもんで、音がどうのとか気になるレベルを大きく超えているロック、これこそ。だから70年代ロックは辞められないんだよ…70年代じゃないけどさ、これ、でも、そういうもん。こういうライブって今時のバンドの音で出て来るか?無いよ、多分、こんなの。でも、こんだけ熱いの出来るか?そういうのあるか?これがロックだよ、ホント。それに痺れてン十年もロック聴き続けてる奴がたくさんいるし、自分もそう。理屈じゃない、ってのはこういうことだ。

 この頃ってそっか、「コズミック・ブルースを歌う」の頃なのか。まぁ、ジャニス的には色々と考えてたんだろうけど、今となっては未発表曲とかも多いし、そんなのよりもこの熱いライブがきちんと残されてて今でも感動できるライブってのが重要で、もっと言えばウッドストックに於いては、これほどのジャニスのライブですら霞んでしまうくらいのパフォーマンスをしていたバンドも他に多数あるってのも恐ろしい話で、やっぱりこのヘンのバンドの凄さは圧倒的だったんだよなとつくづく感じる。だってこのジャニスのライブ、ちょっと音上げて聴いてみてよ。ソウルでもロックでもいいけどそういう魂の叫びの塊だよ。バックの音だって上手い下手とかじゃなくてジャニスの歌の感情と一体化しつつ起伏に富んだ演奏なワケで、そういうのが良いかどうかはともかく、そういう風に聞こえるし、リズムキープとかそういう次元じゃなくてジャニスの心臓の鼓動に合わせたリズムが流れているような感じで、とにかく感動の嵐。どこを取っても凄い、素晴らしい。さらりと片付けておくライブ音源じゃなくて何度も何度も何度も聴いて聴き込んで感動しまくって細部まで追求しておくべきライブアルバム。これぞライブでしか出せない感動。

 …いや〜、久々に感激しまくっちゃったんでついついこんな風に書いてしまった(笑)。ロックはやっぱりライブが一番だよ、うん。


Janis Joplin - In Concert

In Concert ジャニスの死後に編集されて世に出回った未発表ライブ編集盤として名高い「In Concert」。アナログ時代は1枚目がビッグ・ブラザー時代のライブ、2枚目がフルティルトバンドでのライブと分かれていた。並べて聴くと明らかに演奏のレベルと熱気と覇気が違う。ジャニスはそんなに変わらないけど、後期の方が凄みと渋さを増しているような気がする。逆に初期は勢いありきで攻め立ててくるという感じでそれぞれ別の意味で楽しめる内容のライブ編集盤だった。どうしても楽器演奏者じゃないからライブ盤である必要性ってのもあんまりわかんなくて聴く回数はスタジオ盤に比べると全然少なかったけど、それでもやっぱりインパクトあったなぁ。どっちかっつうと、これよりも映画「ジャニス」の方をよく見ていたし、印象深くてさ。やっぱり映像のインパクトって凄いモン。うん、そういう世代だったから、そうなった。映画館も行ったしなぁ…。

 んで、この「In Concert」だけど…、残されたライブ音源っていっぱいあるんだろうね。そこから抜粋しているから悪いワケがない。ライブだとジャニスも一体感を感じられて体ごと楽しんでいるみたいだけど、こうして聴いているとそれは曲によりけりなのかもしれない、って思う。もちろん「Summertime」なんかはそうなんだけど、やはり後半の方が一体感を感じられる曲が多い。「コズミックブルース」以降はもうどれも快感を得ているとしか思えないくらいバンドと音と声と空気、そして観客をも交えた一体感を聴けるしね。これぞブルース…。

 ジャニスってジャニスの世界。他にない。コピーもいないし、もちろん踏み込む人もいない。でも憧れる人は多い。でもジャニスは自分はどうしようもなく寂しい女だと言って墜ちていった…。う〜ん、ロックだ。魂とロックってのを秤にかけて生き抜いた人だからねぇ…。昔は散々聴いてハマってた人だけど、歳と共に、それもジャニスやジミヘンよりも自分が歳を取ったらその分あまり聴かないようになっていった。多分もう乗り越えたかったンだろう、何かを。んでやっぱ聴くとさ、とんでもなくその頃に戻ってしまうんだよ。やっぱ凄い〜、って(笑)。そんなピュアさが良いのだ。やっぱロック好きなのです♪

 しかしこのアルバム今はこんなに安く手に入るのか??驚いた…。

Janis Joplin - Janis (1974)

ジャニス 【ベスト・ライブラリー 1500円:ミュージカル&音楽映画特集】 [DVD] ジャニス・ジョプリンがメジャーで知られる活動をしてたのって1967年から1970年までしかなかったんだなと。ジミヘンも同じくらいだけど、どちらも山のように音源やアイテムがリリースされているんだから凄い。オリジナルなアルバムとしては多分Big Brogtherとの二枚、ソロで一枚、そして名盤「Pearl (Exp)」録音中に亡くなっているのでここまでがオリジナルかな。たったそれだけの作品で40年以上ロックシーンに伝説として語り継がれているのも最早歴史の1ページ。そんなジャニス・ジョプリンの命日とも成った10月4日なので時を合わせてみました。ってもほとんどのアルバムは既に本ブログで取り上げていたりするので、ちょいと珍しいところで映画です。

 映画「ジャニス」、1974年製作、となってるけどその当時公開したのかどうかよくわからん。自分的には90年代に入ってから映画館でも見たしその後のビデオも買った記憶があるので、どうなんだろ?多分アメリカでは上映してたんだろうな。最初は驚いたなぁ、動くジャニスがこんだけたくさん見られるってとんでもないことだったし、それも凄いライブばかりが見れるワケでさ、更にインタビューなんかも合間合間に入ってるからジャニスの影響とかどんな人なのか何を考えていたような人だったのかなんてのもわかってさ、その分愛らしさがあったよね。映画で色々なシーンを見れるんだけど、どこを取っても概ね悲しそうな表情で話したりしてる姿が印象的でさ、なんでこんなに悲しげなんだろ?って思った。彼女の人生を思えばそういう表情もそうなのかな、とは思う部分もあるけど、そんな風に感じちゃうのもね、うん。

 やっぱり映画だから何回も見てないんだよね実際。多分10回も見てない。だから今回久しぶりにまた見た「ジャニス」は改めてジャニス・ジョプリンというシンガーの凄さを実感した。どの曲も知ってるしジャニスの歌声だし迫力満点の熱唱だし、ライブ感たっぷりでやっぱり時代の熱気がパッケージされていて熱いよね。この人の歌ってブルースっつうかさ、すべてのエネルギーを歌にして放出しているみたいなトコあって、それがブルースなのかもしれないし、ジャニスってものかもしれない。ホントに稀代のシンガーなんだなぁと感動です。歌とMCが一緒になって出てくるのも面白い。それも人生を語ってる…あまり言いたくないことばかりだったみたいけど冗談めかして。キュートな一面。

 映画の冒頭から有名なアカペラの一曲「メルセデス・ベンツ」がジャニスのベンツの映像と共に使われてるんだけど、この曲のバックの演奏付きバージョンって出てこないのかね?元々普通に録音してたものの歌だけを抜いてアカペラにしたって何かで読んだことあって、だったら演奏付きバージョンあるんかな?って。今の時代のボートラなんかで出てくれたら面白いのにな。映画の方はDVDで既に1500円とからから普通にジャニスのライブ映像集として入手しとくべきものってのは必須♪

Janis Joplin - Farewell Song

白鳥の歌(紙ジャケット仕様) 言わずと知れたジャニス・ジョプリンの歌世界。サンフランシスコを中心として活動していた関係もあるし、ドラッグ仲間ってのもあるのかポール・バターフィールド・ブルース・バンドとの関係は割と知られているところ。もっとも一般的?にはジャニスの知名度の方が圧倒的に上回っているのでそんな関係性なんてのは知られていないのだけど。でもね、ジミへンとも交流あったりね、結構同世代のミュージシャンはそれぞれ交流があったみたいで、そんな空想も面白いものだ。

 1982年にリリースされた「白鳥の歌」。当時は「ライブ&未発表曲集」というもので結構斬新なアルバムリリースだったけど、今じゃ割と廃れてしまっていて…ってのはさ、もういまではボックスセットが出ていたりボーナストラックも出ていたり個別で「Live at Winterland '68」とかのライブアルバムが出たりしている関係上、とてつもなく珍しいと思われる曲も多くはないんだろう、と。ちゃんと調べてないので細かく書けないけど、多分そんな感じだ。なので今からジャニスを手にとって揃える、って人にはあまり有用ではないアルバムなのかもしれない「白鳥の歌」なんだけどさ、それはそれでコレクト的な聴き方ではなくって、普通に目の前に「白鳥の歌」があって、針を落としてみたらそれはそれで凄い衝撃を味わえるってな意味合いでインパクトのあるアルバムじゃないかな。

 ライブセレクションとスタジオ未発表曲集っていうコンセプトもなかなか中途半端で、当時はそんなに素材がなかったのかもしれないね。まぁ、それでもさ、やっぱ面白くて、ライブからの曲はやっぱり凄くラフでして、音のバランスも音そのものも時代を感じさせるものなんだが、ジャニスの歌声だけはもう圧巻。一方のスタジオテイクではその辺が見事に解消されていて、落ち着いた作品としての楽曲が聴ける。何故にこんなのが未発表になったんだろ?ってのもあるけど、当時のジャニスの力量やアルバムの在り方からしたら落とされた曲群ってことなのだろうから、それならなんとなくわかる。ただ、今ではもうジャニスの素材に貪欲になっていたりするリスナーも増えてしまってね、背景が違うんだが…。

 そして「白鳥の歌」というアルバムという聴き方ではもう最高なのが何と言ってもバターフィールド・ブルースバンドをバックに従えて歌い上げている「One Night Stand」でしょ。プロデュースがトッド・ラングレン…、このプロデュースって70年頃の話なのかリリースされた80年初頭の話なのかわかんないからあまり取り上げてもしょうがないけど、とにかくハープで叫ぶバターフィールドとさり気なくさすがのギターをオブリで聴かせてくれるブルームフィールドの腕が最高。もちろんジャニスも心地良さそうに歌っているから、相性が良かったんかな…、かっこいいね。もうひとつは心に染み入る「Farewell Song」…アルバムタイトルになるだけあって、ハチャメチャなだけじゃない起伏に富んだ歌を聴かせてくれる代物。バックがチープだけど、それを補って余りあるジャニスの情感。

 久々にジャニスを聴いたけどやっぱ疲れる…な(笑)。エネルギーがそのまま伝わってくるから聴いている側もエネルギー使うんだもん。その分感動も大きく与えてくれるから良いとしてもね。やっぱり凄い。アルバム評にはほとんど出てこない「白鳥の歌」を聴いてすらそう思うんだからね。若い頃に聴きまくる音楽なんだろう、きっと。