Bob Dylan - Highway 61 Revisited

追憶のハイウェイ61  ここをよく訪れてくれる人はご存じのように自分自身はアメリカの音楽にはあんまり詳しくないし、それほど興味もそそらないのも事実。まぁ、メタルとかブルースとかってのは好きだし、カントリーやらブルーグラスってのとかも興味はあるから何も聴かないっていうのではないけど、モロにアメリカテイストな音ってのはあまり聴かない。まぁ、好みだからしょうがないね。レイドバックしたサウンドってどうも苦手で…。しかし、本日はそのアメリカが独立記念日〜って言って騒ぎ立てる日なので一応アメリカもんにしとこうかな、と。アメリカらしい人っていっぱいいるんだけど、何となく原点だよな、って思うこの人の作品を…。

 超有名な作品で1965年リリースの名盤「追憶のハイウェイ61」です。ボブ・ディランって実にとっつきにくくてわからなくて、暗くてっていう印象しかなかったんだよね。このアルバム聴いてからもあまりイメージは変わらなかったんだけどさ、なんかやっぱり「Like A Rolling Stone」のカバー率の高さって凄いじゃない?ジミヘンやストーンズですらカバーしているワケでさ、どこがそんなに良いんだろうと思って聞き込み始めたんだよね。歌詞もそれほど気にしてなかったからどうしても曲だけで。ところが、そこで聞こえてくるオブリギターが気になってさ、それがマイク・ブルームフィールドだと気付くのも大して時間はかからなかったんだけど、それよりもディランかぁ…と。

 うん、時間かかったなぁ。まともに聴けるようになるまで。なんつうかぁ、この人のって音楽というよりも言葉で押してくるから、そういうのってあまり受け付けなかったんだよね。フォーク的なのっていうかさ、そういうの。どっちかっつうと楽曲で攻めてくるのが好きだったから。多分それは今でも変わらないかな。そんなことで、めげずに何度も何度も聴いて、良さを理解するように努めたアルバムでした(笑)。

 それがだな、わかってしまうともの凄い名盤なんだよ、この「追憶のハイウェイ61」というヤツは。特に「Like A Rolling Stone」はもう最高なんだけど、それに続く「Tombstone Blues」だってさ、凄く熱い曲で、これもまたギターが凄くかっちょよくってさぁ。マイク・ブルームフィールドが無茶苦茶脂乗ってる時期だから余計に凄い。今時代にこんなに熱いのヤラれたら観客大変だろうなぁ〜と。フォークと熱い口調で一本槍で攻め立ててくるんだけどさ、何か凄い。基本的にカラッとしたアメリカンな乾いたサウンドなんだけどね。アル・クーパーのハモンドもかなり特徴的になっていて、そこかしこでフォークアルバムにヘヴィーさを添えているってトコか。そんでもて、最後の「Desolation Row」がまた11分半にも渡って同じく一本調子で攻め立ててくるんだよ。ここでのアコギのオブリも素晴らしいんだけど、やはりこれは歌の表現が天下一品なんだろうと思う。それがあるから他の楽器のオブリが生きてくる…。それはこの熱いハーモニカの音にも云えることで、この切なさってのはアメリカならではだなぁ。

 一般的にディランがフォークからロックに転換したアルバムと云われていて、それは65年のニューポート・フォーク・フェスティバルでそれまでフォークギターでライブをこなしていたディランがポール・バターフィールド・ブルース・バンドをバックに従えてエレキで演奏をしたことからロック化したと言われていて…、うん、それまでのアルバムってあまり興味なかったからわかんないけど、時代的にはそういう衝撃だったんだと思う。以降名作を幾つも出し続けているディラン、いつかは制覇しないといけない人なんだろうけど、まだまだ追い付いてません〜。 近年制作リリースされたボブ・ディラン の「ノー・ディレクション・ホーム」という映画ではこの時のことも色々と描かれていて貴重な映像になってます。

Bob Dylan - Desire

欲望  冬の寒さが身に染みる時期。相変わらずロックを聴き漁っている日々が続くが、どうにも激しい気分にならない時もあって…、今まであんまり聴かなかった領域に手を出してみるには良いかなという案配とも思えたのでアレコレと…。まぁ、ジェフ・ベックの映像を見てからあまり手を付け切れなかったロックの巨匠っていうのもやっぱり少しは気に留めてみようかという心境にもなったワケですな。もちろんCDやらレコードやらは持っていたりするので、それらを再度気分に合わせてきちんと聴き直すというレベルで大丈夫だと思うのだが…。

 おもむろにディランの「欲望」。1976年リリース作品っつうからディランとしては結構キャリアを積んでからリリースした作品なのだが、全キャリアとアルバムを通しても最高傑作と挙げる人がどれだけ多いことか。まぁ、それくらいの作品だからそれまで興味をあまり持たなかった自分でも持っているという作品なワケだ。

 過去にディランを聴いた時の感想って、どこか押しつけがましいなぁとかフォークでひとりで好きなこと云ってたって何も変わらないだろ、とかやっぱ暗いんかなぁ〜、とかそんな印象ばかりで、そもそも英語の歌詞で歌詞の深い意味を語る人ってのは日本人的には、っつうか自分的には直感で理解できないからどうしても音楽的な方に耳が向いてしまうんだよね。だから歌詞の深さってのは後でしか来ない。先に音。だから歌詞を中心にしているアーティストってのはあまり得意ではない。もっともそれが音や存在と共に成立している人は良いんだけど。

 そういう印象で聴いた「欲望」だけど、やっぱり暗いし押しつけがましいし一人で騒いでいる、っていうのは変わらなかったな(笑)。ただ、もの凄く美しい作品に聞こえた。それはスカーレット・リベラのバイオリンの哀しげなメロディによるものだったり、エミルー・ハリスの相方コーラスだったりするものも大きい。ただ、ディランの歌っている歌詞、というよりも感情的なものがちょっとハマった。一生懸命歌っているからつい何を言っているんだろ?と気になるもん。音楽的には単純なメロディの繰り返しだし、大してアレンジされているワケじゃないから飽きるけど。

 それでもやっぱ「Hurricane」や「コーヒーをもう一杯」や「サラ」ってあたりは心を打つものがある…、やっぱバイオリンの音色にヤラれてるわ、自分。これがなかったらかなり飽きる。でも、バイオリンがあるから何というのか凄くスパニッシュな…、アンダルシアの雰囲気が漂っていて好きなんだよねこういうの。アヴァンギャルドに展開しそうだし、バイオリンをヒステリックに弾くのって好きだから。そこにもう一つ異質な音としてハープが絡むっていうのはさ、あまり自分の聴く音楽感にはないので、新鮮。新鮮っつっても30年以上前の話だが(笑)。

 やっぱ凄いな、ディランって。そしてこの作品、凄くテンション高いしもちろん作品の質も高いし。やっぱ名盤と語られるだけのレベルだもん。好き嫌いじゃなくてロックなアルバム。もう少し苦労したり色々な経験をしたらもっと素直に聴けるかな。今の自分はディランの30年前よりも年下なんだろう、きっと…。

Bob Dylan - Blond On Blond

【Blu-spec CD】ブロンド・オン・ブロンド  詩人…、ま、やっぱディランかな。もっと色々な人もいるけど、ロックの中での詩人ってのはやっぱりジム・モリソンとかボブ・ディランとかになっちゃうんだと思う。まぁ、自分がそういう見識に乏しいのかもしれないけど、一般論ではそうだろう、と。一曲単位で見たらそりゃ色々あるだろうとは思うけどさ。

 名盤過ぎてどうかとは思うけど1966年リリースの「ブロンド・オン・ブロンド」という作品。前作「追憶のハイウェイ61」でアル・クーパーとマイク・ブルームフィールドを引っ張ってきて永遠の名作を作った後の作品で、基本路線はフォークとロックとブルースの融合に独特のたっぷりの歌詞と歌い方を織り交ぜた作品で時期的にも悪いはずがない。あぁ、こういうのがディランなんだな、と納得するには丁度良いアルバム。これだけキャリアが長い人だと何を聴いて良いかわからないことも多いだろうし、時期によってはやはりハズレもあるワケだから、そういう意味ではベスト盤よりもこの辺の作品が良い。

 「ブロンド・オン・ブロンド」…、ハマる人は凄くハマるはず。歌詞を読みながら音世界に浸り、ディランの呟きと歌に身を委ね…という聴き方が心地良いハズ。この手の音を得意としない自分が聴いても名盤だろうなぁ、これは、と感じるし、やっぱり一気に聴けてしまうし、切々と歌い上げる歌にも説得力がある。

 ん〜、何かあまりにも淡々と書いている自分が哀しい…。もっと熱くなれるものを持ったアルバムのハズなんだが…、得意でないというのはこんな時に寂しいね。まぁ、しょうがないか…。こういう素晴らしい作品をきっちりと押さえてレビューしきれないところが自分のワガママなのかもしれん(笑)。

 アナログ時代には二枚組としてリリースされていたものなので、非常〜に長いアルバムです。そして抑揚はあるけどメリハリが少ないのでやはり長丁場を実感するアルバム。ただし聞き込めばどんどんと入り込める作品だ。そしてそこまでひたすら聴いたけど、得意ではないというロックリスナーもここにいることも事実だが…(笑)。

Bob Dylan - Bringing It All Back Home

ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム  普段はまるで聴かないアメリカのシンガーソングライター陣だけど、せっかくなので聴いておこう〜ってことでこれは久々というか初めてと云うか、アルバムとしてちゃんと聴いたことは多分ないんだろうな、と思うディランの「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」。他のアルバム何枚かは聴いたりしたんだけど…、そういえばちょっと前にもディランのライブアルバム取り上げたよな。ま、いいか。ここ数日間のブログの流れの変化も凄い角度だなと自分で思うんだけど根っこは繋がってるってことで…。 1965年リリースのボブ・ディラン5作目のアルバムにしてロックの転機ともなった「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」。正直言ってボブ・ディランって意識しなくてもどこからか何かしら色々とディランの曲ってのは入ってくるし、聴くことも多いしカバーされてることも多いから全く知らない〜ってことにはならないんだよな。「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」にしてもアルバムとして聴くのは初めてに等しいけど、1/3くらいは知ってるじゃないかっていう(笑)。それとボブ・ディランって人のテンポと展開に慣れてきているので、違和感もないし新たに聴くっていうんでもないから自然に聴けてしまうね。

 んで「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」がすごく良いとか悪いとか…わからん(笑)。多分かなり面白いし名盤の域に入る作品なんだろうという気はしているんで聴いてて苦痛にならないんだろうし、さすがだな〜って気になるんだと思う。何つうのかね、ゆとりや遊びもあるからさ。そしてかなりバリエーションに富んだ作風の曲が多いから、この後のフォークロック時代を築き上げた一枚ってトコなのかな。  よくロックに近づいたアルバムって言われるんだけど、65年当時のロックって何があったんだ?と不思議になる。誰もロックなんて意識なかった時代じゃないかなぁ。ま、ロカビリーはあったけどR&Rでしょ?R&R風の曲って「On THe Road Again」くらいで、それが珍しいパターンだったのかな?イマイチ、ピンと来ない解説があるんだけど自分が未熟なんだろうな、その辺は。今となってはフォークもフォークロックもロックも大して差別できる要素ないかもしれないし。

 でも、ディランってロックでしょ?と思うのだが…。姿勢の問題かな。…ってな余計なことはともかく、「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」を絶対に聴かなきゃっていうアルバムとはまだまだ言えないんだが、こういう世界を展開している人っていう存在をしっかりと認識しておくに越したことはないだろう作品。個人的には毎回書くけどこの後の「追憶のハイウェイ61」が大傑作だと思ってるからさ。「Mr,Tambourine Man」じゃないんだよね。。

Bob Dylan - Real Live

Real Live  ロン・ウッド…、そしてTwitter側ではちょっと前にボブ・ディランの話もあったりしてそういえばライブ・エイドでロン・ウッドとキースとディランが三人でフォークギター持って出てきたなというのを思い出して、更にディランのギターの弦が切れてしまって、ロン・ウッドが間髪入れずに自分のギターをディランに差し出したという感動的なシーンが脳裏をよぎった。今ならそんな回想もYouTubeで瞬時に思い起こせるだろうから良い時代だ。

 そして一方でやや話題になったのがディランの1984年のヨーロッパツアーを収録したライブアルバム「Real Live」です。自分的にはディランってそんなに詳しくないのであまり書けることもないんだけど、ファンの間では割と評価の低いライブアルバムのようで、その理由にディランの覇気がないとか標準的過ぎるとか言うのもあって、どんなんかな〜なんて思って聴いてみた。ミック・テイラーがギタリストとして参加しているってのも興味あったし、最後に「Tombstone Blues」でサンタナがギター弾いてるってのもやや興味深かったし。やってる曲も「Highway 61 Revisited (Reis)」からの曲が多く入ってて自分も知ってる曲だし、とっつきやすそうだ、ってのもあったしさ。つまんなきゃつまんないでしょうがないか、と。

 ところがどうした、「Real Live」のどこが駄盤だ?最初の「Highway 61 Revisited」からしてディラン節全開で凄いじゃないか。「Maggie's Farm」が続くってのも良いし、それも結構な迫力とミック・テイラーのギターが良い按配に泣いているのも単なるがさつな楽曲と歌になりがちなディランに華を添えているようだ。あまりにもかけ離れたミック・テイラーのギターの美しさが結構際立つ。マイク・ブルームフィールドのアメリカンなブルースギターとは大きく異なる華麗で繊細なミック・テイラーのギターが浮いてるっちゃあ浮いてる。でもかなり弾きまくってるのは珍しいのかもしれない。

 それにしても1984年か…、ず〜と変わらない音楽スタイルだったんだろうなディランって。80年代の真っ最中のアメリカ人なのにコレだもんな。真のロックンローラーなんdなろうと思う時がある。歌は大して上手くないし、音幅だって大したことなく投げやりな歌い方は呟きにも聴こえるくらいだし。ただ、それでもカリスマになってしまうのは歌詞の素晴らしさもあるだろうけど、真に迫ったパフォーマンスが本物だからだろうね。そろそろディランという世界にハマってみたい気がしたライブアルバムでした。それでも評価が高くないんだから一体ホントはどんなんなんだ?